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高知県梼原町に移住した塚原さんご夫妻のLOCAL MATCH STORY~SNSを通し、移住に興味を持った人の後押しをしたい〜

移住を経験し、地域で活躍されている人を紹介する「LOCAL MATCH STORY」。
今回は、高知県梼原町に移住されたフリーランスで活動されている塚原さんご夫妻をご紹介します。そして、この記事は塚原壯太さんご本人に執筆いただきました。

私の自己紹介

塚原 壯太・こなつ
壯太  兵庫県西宮市出身
こなつ 兵庫県尼崎市出身

夫婦ともに大学卒業後、夫の私は大阪の専門商社にて経理を担当、妻は大阪の食品メーカーで営業事務として働いていました。私たちは2018年4月に出会い、1年半の交際期間を経て、2019年9月に入籍しました。
2020年3月に私の勤務先で新型コロナウイルスの感染者が発生し初めて在宅勤務を経験したことを機に、地方移住に関心を抱き、2020年8月に高知県梼原町に移住しました。
現在はフリーランス としてYouTube(ユーチューブ)を中心としたSNSで地方移住・田舎暮らしの情報発信、町からの依頼で移住関係の仕事に参加するなどして生活しています。

私が移住した地域はこんなところ

私たちが移住した高知県梼原町は人口約3,500人ほどの小さな町です。町面積の91%を森林が占め、北部の標高は1,455mにもなる自然豊かな山間地域で、その地理的条件から「雲の上の町」とも呼ばれています。なかでも魅力は、新国立競技場を設計された隈研吾さんがデザインを手掛けた木造建築物が町の至るところにあり、現代アートと田舎の雰囲気が融合された町並みです。
その他にも、幕末の志士 坂本龍馬たちが脱藩するために通った道が昔の趣を残したまま存在していたり、「ジビエグルメの町」としても知られるほど猪や鹿などのジビエも有名です。特に猪肉を初めて食べた時はその美味しさに感動しました。ぜひ一度味わっていただきたい一品です。

7_地域の風景写真4

【四国カルスト】日本最後の清流四万十川の源流域に位置しており、春から秋にかけては、土佐褐毛牛が放牧されるなど、県内有数の観光地となっています。

くまけんご

【雲の上の図書館】隈研吾さんがデザインを手掛けました。私たちの大好きなスポットでよく利用しています

地域写真

【雲の上の図書館】隣には広々とした芝生があり、子どもたちがよく遊んでいます。

やまとみち

【町の中心部】梼原町は風力発電の先進地としても知られ風車は町のシンボルにもなっています。風車は四国カルストに2基設置されています。

みち

【梼原町のメインストリート】無電柱化事業によって、地上に張りめぐらされた電線類がなくなり、美しい街並みが形成されています。

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なぜ移住しようと考えたのか

私たちは新型コロナウイルスがきっかけとなりこれまでの生活を見つめ直した結果、地方移住を決断しました。当時の私の働き方は、いわゆる典型的なサラリーマンでした。朝は満員電車に揺られ出勤、デスクワークをこなした後、夜は飲み会ばかりの日常でした。その結果、夫婦で過ごす時間はほとんどなく、夜は妻と顔を合わすこともないまますれ違いの生活でした。また、都会の騒音・人混みにも悩まされストレスを感じる日々が続いていました。

そんな矢先、2020年3月、私の勤務先で新型コロナウイルスが発生し、在宅勤務を命じられました。在宅勤務中の生活では夫婦でたくさんの時間を共有できるようになり、将来のことを話し合う時間が増えました。しかしこの有意義だった時間も束の間、翌月にはまた会社に出勤を命じられることになります。「これまでの生活に戻って本当に幸せなのだろうか?」と疑問を抱いた私たちは、夫婦で何か新しいことにチャレンジしてみようと思い、都会を離れ田舎へ移住する決断をしました。

移住するまでこんなことありました

移住地を探し始めた時、夫婦間で意見を一致させるのに苦労しました。移住するなら大阪の中心から思い切って山間部の田舎町に移住したいと考える私と、二段階移住を希望する妻とで意見が割れました。妻はいきなり田舎町に移住してしまうと都会の生活とのギャップが大きすぎることを不安に思い、まずは地方都市である高知市内へ引っ越し、生活に慣れてから田舎町への移住を望んでいました。ただ、移住者の多い梼原町には夫婦ともに魅力を感じていたので、緊急事態宣言での自粛期間が終了した翌日に1泊2日で現地見学へ行きました。

当日は役場の移住担当の方に町周辺のあらゆる場所に案内してもらい、町の良い面・大変な面を包み隠さず教えていただきました。このことで田舎での不便な生活に対する不安が払拭され、田舎への移住を決断できました。移住担当の方の存在がなければ、この町に移住するという決断に時間がかかっていたかもしれません。

移住後のライフスタイル

移住後はフリーランスとして働いており変動的ではありますが、YouTubeでの動画制作が中心となります。
その他には、町から依頼を受けた移住関係でのお仕事や、移住してから知り合った農家さんの家庭菜園などを手伝ったりする日もあります。

【ある1日のタイムスケジュール】
7:30 起床
8:00 朝食
9:00 YouTubeの撮影または編集
11:00 農園お手伝い
12:00 昼食
13:00 YouTubeの撮影または編集
18:00 夕食
18:30 音声配信の収録やSNSの更新
19:00 仕事終了
21:00 風呂
23:00 就寝

2_活動の写真1

 写真:農園で大根の収穫のお手伝い

移住してわかった地方暮らしの魅力

地方暮らしを始めてまだ数ヶ月ですが、自分たちで育てた野菜で料理をしたり、家のDIYをやってみたり、都会では経験したことのない数々に挑戦できていると感じます。経験したことのないことに挑戦すると、新しい自分との出会いにも繋がり、生活の知恵も身につきます。また、困っている時には周囲の人達がサポートしてくれ、助け合って生きていく環境があると感じます。日常を楽しめるようになったおかげで、夫婦としてもお互いの良いところに気づくことができ、不便だと思っていた田舎生活を有意義に過ごすことが出来ています。

移住先での住まいについて

私たちは現在、役場が所有している移住支援住宅に住んでいます。移住検討時は空き家バンクで物件を探していましたが、すぐに生活できるような住居は少なく、改修しないと住めない家が多かった印象です。

家が見つからず困っていたところ、町の移住者用住宅の存在を知りました。梼原町では借り手が見つからない空き家を役場が大家さんから10年間預かり、リノベーションして移住者に賃貸住宅として貸し出す政策があり、設備の整った住宅に住む事ができます。移住前の住まいは1LDK(33平米)の賃貸マンションで窮屈な思いをしていましたが、移住後は戸建て3LDK(65平米)プラス庭付きなので、想像以上に快適に暮らすことができるようになりました。

移住先でのお金事情について

支出面では圧倒的に都会よりも抑えることができています。特に家賃が大幅に削減されたことが大きいです。今まで大阪に住んでいた時は賃貸マンションに10万円の家賃を支払っていましたが、現在は移住者用の戸建て賃貸に1万5千円の家賃で住んでいます。また、近隣の方々から農作物のお裾分けをいただいたり、道の駅に行けば都会では買えなかった価格で新鮮な食材が売られているので食費を抑えることができます。ただし、田舎では車が必需品となりますのでガソリン代などの費用は当然増加しています。

収入については、会社を退職し現在はフリーランスになったばかりでありまだまだ不安定ですが、都会時代よりも家賃・食費が減ったことで生活しやすくなったと感じます。

移住先での暮らしで困ったこと

私は虫が苦手なので、移住当初は家の中に出るたびに毎日叫んでいました。都会と違い、虫の量も大きさも桁違いです。今まで見たことの無い虫もたくさん出ます。ですが薬剤などで害虫対策をすればある程度防ぐことができるので、これから少しずつ慣れていきたいと思います。

その他には、大型スーパーが遠く車で片道1時間ほどかかるので不便に感じます。ただ、梼原町のような山奥でも今の時代ネットスーパー やAmazonなど翌日には配送してもらえます。不便な買い物もネットと併用することで不便さは少し緩和されます。

事業を始めようと思ったわけ

現在はYouTubeを中心としたSNSでの発信や移住関係のお仕事を町から頂いています。私たちはサラリーマン時代から副業で稼いだ経験はなく、環境を変えてゼロからのスタートだった為、当時はどんな仕事をして田舎で暮らすか悩みました。ある時、イメージを膨らませるためにYouTubeで地方移住について調べた時に、発信者が少なく、なおかつ夫婦で活動している人はまだまだ少ないなと感じました。それなら地方移住をしてみて実際に感じたことや田舎の日常を夫婦で発信し、私たちが一つのモデルケースとして移住を考える人の後押しになるような動画を作ってみようと行動した結果が今に繋がっています。

つかはら夫婦 都会っ子2人の地方移住Vlog:
https://www.youtube.com/channel/UCtpMSl_rIbI0FlfVldrAbgw

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写真:町の観光スポットを使ってYouTubeの撮影

事業の今後のプラン

私たちは夫婦で収益の柱を何本もつくることを目標としています。現在はYouTubeでの発信活動をメインに取り組んでいますが、今後は並行しながら新たな事業にも挑戦してみたいと考えています。その一つとして、梼原町の空き家の改修・再生事業などです。将来的には私たちを迎え入れてくれた梼原町に還元できる仕事に取組みたいと思っています。

地方で起業して分かった面白さ、やりがい

SNSで地方移住・田舎暮らしに関する情報発信を始めたおかげで、都会に住む視聴者の方から相談を受けたり、実際に移住を決めたとの声もお聞きしています。私たちの発信活動から移住に興味を持ち、行動を起こしてもらえるのはとても貴重な経験だと実感します。これからも私たちの発信をきっかけに、移住を決断して新しい人生を楽しむ方が増えると嬉しいです。

移住検討している方へメッセージ

この記事を読まれている方はなぜ移住を考えているのでしょうか?私たち夫婦は都会で育ったごく普通のサラリーマン夫婦で、ごく普通の生活を送る日々でした。ただ都会の生活に息苦しさを感じて地方に移住しただけです。人生100年時代、これからの人生をよりよくするために新しい環境に飛び込んでみよう、そのくらいの意識で行動したにすぎません。今となってはコロナ禍の中、すぐに行動して良かったなと思います。私たち夫婦のように都会生活に悩みがあるのであれば、一度地方にゆっくり遊びにきてみてください。環境が変われば関わる人・モノ・考え方が大きく変わります。

私たち夫婦のチャレンジは始まったばかりで今後どのような生活を送っているのか想像できませんが、好奇心を持ってさまざまなことに挑戦し、変化を楽しめるような人生でありたいと思っています。

(終わり) 執筆時期:2020年12月

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