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元フリーランスによる、ティール組織についての「学びと実践」の軌跡シリーズ〜その3〜分析とフィールドワーク編

はじめに

この記事は、ティールという取り組みについて、経営者やマネージャーという立場からではなく、その取り組みを試みている組織の①外部サポーターや、②いち社員、そして③このテーマに強く関心を抱く、いち社会人といった立場の私の感想・学びの軌跡について書いています。

Learnig Journey Share シリーズ〜ティールと私編〜今回はその3となります。(フェーズ3 2020年3月〜)

まぁこちらは現在進行系でもあるのですが書けるところまで書いています。
 
フェーズ3の取り組みを分けるとしたら「分析編」「フィールドワーク編」
という形でしょうか。

分析編「自分の働いている会社を解析してみようと試みた」

2019年を経て、将来のライフデザインをし直す必要が出てきました。そのためにも、現状把握は必須だと思ったので、自分がいる組織についても分析しようと思ったのです。
 
具体的に分析とは何をしたのか?ということですが、偶然知った「システム思考」という考え方をもとに、組織で起こっていた事象を関係性で読み解こうと試みました。

こちらの書籍は、個人的に大ヒットでした。

システム思考は、複雑な状況下で変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化を創り出すためのアプローチです。問題の見えている部分を近視眼的・表層的にとらえるのではなく、全体像をさまざまな要素のつながりとして理解し、本質的な原因を見通して、他の分野や将来に悪影響を及ぼさない、最も効果的な解決のための働きかけを考えます。
(著者のHPより)

スケッチブックを購入し、こちらに書いてあるようなループ図を組織で気になったことに対して手当たり次第書きまくりました。(はい、自己流です)

ある事象に対して「何がそうさせているのか?」という要因を考えて、それ同士を関係性の矢印で繋いでいくのが私にとって第一段階のシステム思考についての認識です。
 
また、そもそも組織を読み解く、視点や枠組みの参考として以下の書籍も読み合わせていきました。このシリーズには本当にお世話になっています。

それぞれの参考になったところ

・「ザ・メンタルモデル」
特定の人の行動の動機を「違うレイヤー」から読み解く上で参考になりました。それ以外にも私個人の自己変容に大いに役立ったのですが、それは別テーマなのでまた今度。
・「自然経営」
著者の武井さんは、自己組織化のための3つの要素(情報の透明性、権力の流動性、境界の開放性)を紹介しているのですが、その要素とティール組織の3つの特徴(自主経営、全体性、存在目的)の関係について以下のように書いています。

『(上記の3つの特徴に対して)それって間違いない3要素だと思うんです。
僕が言っている3要素っていうのは、そこにいたるまでのプロセスに必要な3要素だと思っていて、これが高まった結果、その3つの要素、セルフマネジメントが生まれたり、全体性が生まれたり。結果として、方向性、F・ラルーのいう「存在目的」も生まれてくるというふうにとらえています。』
 
私はティール組織も読みましたが、この書籍には実践者自身がその考えに至るプロセスも語っていたり、より根本的なところへ迫っていると感じました。トータルとしては、組織がティール的かどうかを測る上での比較対象例となる知見を得られたと思っています。
 
肝心の武井さんの言われている3要素の詳細についてはぜひ書籍をご覧ください。
・「実存的変容」
実存的変容は組織について書かれている第4、5章が一番参考になりました。
 
ここには、「ティールに至る5つの段階構造の著者再定義版」や著者がソニー時代に見出された「不良社員マネジメント」という経営スタイル、その中に存在する「親分・子分」という関係性、などが書かれているのですがいずれも自身のいる組織をメタ認知する際に参考になりました。


この分析をしてみたことで、自分なりに現状を読み解くことができ、「私個人の課題」と「組織の構造がもたらしている課題」を分離して捉えることができました。

フィールドワーク編「気になるところに顔を出してみた」

(1)2019年11月上旬 Gaiaxという会社を知る。
フェーズ3の期間から外れるのと、ティールとは違う文脈で知った会社なのですが、結果としてものすごくティール的だと感じたので載せています。
 
当時は、オフラインでのオフィス見学ツアーを開催していたので参加した感想を記事にしました。そこでは少しGaiaxがどんな会社なのか知れると思います。

(2)2020年4月
■4月3日「手放す経営ラボ」開設記念トークライブへ参加

・上記ラボ関連のオンラインスナックにも参加(友人が関わっているとのことで、誘われたことがきっかけ)

ここでの気づき
 
トークライブの中で武井さんが話されていることを通じて、武井さんがされてきたこと、自然経営の取り組みは、洗練された母性をシステム化したと言い換えられるのではないか?という閃きが湧きました。
 
この言葉は、自分の経験と照らし合わせたものであり、この時に対象が自分とは別のものではなく、繋がり感、手触り感を感じられるようになりました。(とはいえ、まだ仮説段階なんですけど)

■4月8日:OPEN VUILD # 13へ参加。
概要は以下(イベントページより拝借)。

13回目となる今回のテーマは「父性的経営から母性的・子性的経営へ」。
 
OPEN VUILD#13では、ゲストに佐宗邦威さん(株式会社BIOTOPE 代表取締役)、米良はるかさん(READYFOR株式会社 代表取締役)をお招きいたします。当日は、トップダウンでマウンティングする父性的経営者像ではなく、協働の時代における新しいリーダー像を、母性と子性をキーワードに議論を展開できたらと思います。

それぞれの代表の印象的だった言葉

VUILD株式会社代表:秋吉浩気氏

「会社としては自立した個を育てられる土壌、環境を作る。木は根っこで通信してたりするんですけど、そういう土壌を作りたい。包み込むとか育てるというのは母性的。自分で自立するという父性的なところを持ってもらうんですけど、組織としては枝葉を伸ばして専門性は伸ばして欲しいし、根っこで繋がっていて欲しい。」
「(自分の役割について)個々人が自立するための栄養とか地形を変えるとかそういうことをやり続ける存在だと思っていて、とはいえ枝葉が伸びるとか根っこが伸びる方は太陽がある方だと思うので、ビジョンは太陽から降り注ぐ外的要因みたいなもの。空中の空にもいるけど、根っこにもいるみたいなそういう存在でありたいな。」

株式会社BIOTOPE代表:佐宗邦威氏

「父性って基本的には、ユング心理学が大好きなので、読んでいると、分けたり統合するっていう統一させるみたいな力の象徴で、例えばキリスト教。母性って逆で包含する、土みたいなもの。包み込むイメージ。この2つの相反したものから子が生まれる。子供は未来の象徴だったり、新しく生まれるものの創造の象徴。」

READYFOR株式会社代表:米良はるか氏

・ロゴについて
「成長とスピーディはベンチャーなので意識しているし、競争も大事ですが、なんのために?っていうと誰かのやりたいと思ったことを大切に守り、それを実現させるんだっていう1人の人の思いを包んでいく。現時点では母親のお腹からの中から生まれて、包んで大切にしてあげるよっていうところをCIを作ったときにそこだけは忘れないように。」
「生まれてくるものを大切にするっていうのがアイデンティティ。」
・経営スタイルについて
「有事の時は誰が意思決定権者なのかを先にクリアーにする。そこだけはっきりさせておいていて、決める人が決めればいい。」
「自分ができないことがたくさんありすぎてとんでもない欠落した人間だと思っているので、得意な人にどんどん投げる」


このイベントで気づいたこと、生まれた問いなど。
 
(1)組織の精神性を測るポイントの仮説
組織内と言われる個人と仕組みと外部のステークホルダーもセットで捉える。また、構造が生み出す権力を差し引いて捉える必要があるのではないか?
 
(2)組織における父性、母性、子性とは何か?についての仮説

父性 子性と社会を繋ぐもの?
 
母性 子性を見守り育てていくもの?
 
子性 閃き、プロトタイプ?

また、会では上記を3つの円で表し、3つが重なるところは何だろう?という問いが出ていました。私は最初、「生命の循環」というワードが浮かび、その後に「種の継承」というワードが浮かんできました。
 
このあたりはまた掘り下げたいところです。

■4月28日:シリーズ「これからの時代の組織をいかに作るか」 -組織システムと個人の相互発達- (全4回)の第2回目に参加。 
 
【テーマ】#2:これからの時代の組織を成り立たせるシステムとは?
ゲスト:武井 浩三 × GCストーリー 萩原 典子 × 株式会社eumo 岩波 直樹

→こちらは学びがたくさんあったのでまた別途まとめたいと思います。

5月5日:自然経営研究会の「コンサルティングプロジェクト」キックオフMTGに参加。

■5月12日:自然経営研究会「Montly Conference」へ参加

その時のテーマはこちら。

「「グリーン組織」から「ホラクラシー」へ~組織の変遷過程と経営者の内なる葛藤のリアル~ 」
 
今回はRELATIONS株式会社 代表の長谷川 博章 さんをゲストにお招きして、組織変革のリアルなストーリーをお話しいただきます!
よりよい組織を作りたいという想いから、ここ数年で様々な試行錯誤(苦しい時期を含む…)を経て、どのように今の自律的な状態へと会社が変化していったのか?
また、その中で「社長」という長谷川さんの役割や内面にはどのような変化があったのか?
(イベントページより引用)

■5月17日:自然経営研究会「組織をアップグレードする会」へ参加
1時間、ティールに関心があり、組織をアップグレードしたい方が集い、
持ち寄った関心・課題を基に対話をする会でした。
 
この会がきっかけで、今回の記事をまとめようと思ったのでいいキッカケをいただけました。

さいごに

現在進行系のLearnig Journey Share シリーズ、書きながらスピンアウト記事ネタも浮かんでいますが現時点で残すところはあと1記事となりました。
 
次回は、そもそも何でティールなの?ということについて書きたいと思います。
 
>続きはこちら。

>過去記事はこちらから。




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