今西錦司氏にまつわる書籍を読み、受け取ったものとは?
はじめに
今西錦司氏という方を知っていますか?
処女作にして、有名な書籍はこちら。
各種メディアでも取り上げられている京大の前総長であり、ゴリラ総長とも言われる山極寿一さんの、師匠である伊谷純一郎氏の、さらに師匠であり、「文明の生態史観」で有名な梅棹忠夫氏、KJ法で有名な川喜田二郎氏の師匠でもあり、他にも様々な人に影響を与えた人物だそうです。
書籍プロフィール情報
私は去年まで知りませんでしたが、JUNKANだいこんというイニシアチブの中で、発起人の吉原史郎さんの紹介で存在を知り、この団体の仲間とこの今西錦司氏の書籍を読む読書会が始まったのです。
読書会で読んだ書籍
入門としてオススメされ、読書会で扱ったのがこちらの本です。
今西錦司氏は、
とのことなのですが、この書籍では「今西自然学」の主要論考とエッセイが紹介されている、いわば詰め合わせのような本でした。
とても面白いが、オススメできない・・・
そんな本ですが、読み終えて思ったのは読めて本当によかった、私にとってはとても意味がある本だった、ということです。
しかしながら、読み切るのはとても大変でした。仲間がいなければとてもじゃなければ、読み終えることができなかったと断言できます(笑)だからこそ、誰しもにオススメできません。。。涙。(エッセイのパートは読みやすい分かりやすいので問題ないのですが、主要論考がハードルが高い・・・)
その最大の理由は、今西氏が難解で知られる西田哲学に影響を受けており、独特の言い回し・用語が頻出するためです。
その後、同じ仲間たちと西田哲学に触れ始めるのにピッタリかもしれない、書籍『福岡伸一、西田哲学を読む: 生命をめぐる思索の旅』をこれまた、ひーひー言いながら読み終えたのですが、西田哲学への理解が深まってから今西氏の書籍を読み直すととても分かりやすくなっていてビックリしました(読む順番間違えた!?)
前置きが長くなりましたが、今回は書籍『岐路に立つ自然と人類―「今西自然学」と山あるき』を読んで感じたことをいくつか紹介したいと思います。
今西錦司氏にまつわる書籍を読んでみた
感じたことは?
・今西さんの自然と人間に向けられるレンズを通じて、成人発達理論でいう「視点移動」ができた感覚がある。人間の世界の中の動物と、自然の世界の中にいる動物と。細かい関係性の解像度が上がった。これまでは、人間対人間においての似た解像度を持っていたが、それを対動物、対植物に対しても持てるように感覚が拡張してきた気がする。
・日本人と自然についての哲学が進んだ
・今西さんのレンズを通した人類史を垣間見た
→それは私が昔、ハワイ島で直観した「いのちの循環中心社会」に通ずるものがある。
・海でも川でもなく山についての解像度が高まった
→今西氏は生涯山登りをし続け、日本の山だけでも1550山に登頂されたそうです。エッセイには山登りのことがたくさん出てきます。山つながりだからか、以前読んだマタギに関する本を思い出しました。
・生命とは?に対する哲学が進んだ
興味深かった箇所は?
書籍から興味深かった箇所を引用します。
さいごに
とても書籍の紹介とはいえない記事となってしまいましたが、その後、今西錦司氏に強く惹かれた私は、今西全集全13巻を購入するまでに。
この読書の道はどこまで続くものかと思っているのですが、ソースプリンシプルにまつわる書籍『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles』を読む中で、西田哲学における重要な概念である「逆限定」というものに通ずる(と私には思える)内容が出てきて驚きました。
色んな点がつながってきているように思えて、面白い今日のこの頃です。
続き
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