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2020年2月は告発、権力、政治系を多めに読みました〜読書記録シリーズ〜

はじめに

1月に引き続き、2月に読んだ本と簡単な感想を残してみます。

まだある程度まとまってインプットできるタイミングなので
記録もかねて投稿。
 
2月読み切れた本は17冊でした。
選んだ本は骨太なものが多く、けっこう苦労しましたが頑張りました。笑
 
それでは紹介していきます。 


ビジネス書:自然環境保全系

五感経営 産廃会社の娘、逆転を語る

評価:オススメ度☆☆☆
   読みやすさ☆☆☆
概要:産廃処理会社の2代目経営者である石坂典子氏が、その経験を書いたもの。
感想:自然環境と直接関係する会社は何か?という観点で探して見つけた会社。著者の取り組みはものすごいです。特に印象に残ったのは「事業の独自の価値づくり」についてです。メーカーとのコラボで建機を作ったこと、周囲の住人に配慮した取り組みなどの様々な革新的プロジェクトを、カリスマ創業者に慣れた従業員たちに向き合い、ぶつかりながら成し遂げてきたことがすごい。。。
「捨てない未来」はこのビジネスから生まれる―――赤字知らずの小さなベンチャー「日本環境設計」のすごいしくみ

評価:オススメ度☆☆☆
   読みやすさ☆☆☆
概要:日本環境設計の創業ストーリーや取り組みについて書かれたもの。
感想:去年あたりからサーキュラーエコノミーというキーワードが頻出するようになりましたが、この本を読めばどういうものなのかすぐにイメージすることができます。ものすごく素晴らしい会社です。サーキュラーエコノミーの要諦は、いかに地球資源を使い捨てではなく、再利用していけるかです。このベンチャーは、服から服の材料を抽出し、再び服を作る技術を完成させたのです。消費者も楽しく、企業も結果的に売上があがる、三方よしのビジネスです。こういう会社があることを世界に誇りたいと思いました。
新装版 サーキュラー・エコノミー デジタル時代の成長戦略評価

評価:オススメ度☆☆
   読みやすさ☆
概要
理由:シェアリングエコノミーについて調べていた時に、これは「直接」自然環境に関わるものではないなと思いました。そんな時に見つけたのがサーキュラーエコノミーでした。ネットで調べているだけでは要領を得なかったので購入。
感想:今までの経済の何が問題で地球を蝕んできたのかがわかったこととその何を変えれば悪い変化を軽減できるのかということがイメージできました。地球に優しく、人々にも応援されるビジネスモデル5つを紹介しています。

※サーキュラーエコノミー とシェアリングエコノミーに関連した記事を2つ書いています。


SDGs、ESG 社会を良くする投資 (日経ムック)

評価:オススメ度☆
   読みやすさ☆
概要:ESG投資とは、背景、事例紹介などがカラー写真入りで紹介されている本。
理由:SDGs、サーキュラーエコノミー と同じ文脈で語られることが多いので詳しく知りたくなって購入。
感想:世界の投資の傾向として、Environment、Social、Governanceの要素を重視することが長期的なトレンドになりそうとのこと。サーキュラーエコノミー もそうですが、儲け続けるために自然環境や人間をもっと考慮に入れたビジネスにシフトしていく流れがあるのですね。金融業界の用語が分からないと、意味が分からないところもありますが、それ以外を読むだけでも、どういうものなのかの理解は進みました。

ビジネス書:ビジネス系

ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

評価:オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆
概要:世界的名著のビジョナリーカンパニーシリーズの3作目。かつての偉大な企業がいかにして衰退していったのか。どうすれば避けることができるのかについて書かれた本。
感想:衰退は5段階あるそうで、5段階目に突入する前に持ち直せれば衰退から逃れられるとのこと。経営者、経営層の方は必読だと思いますが、自社の将来が気になる社員の方に優れたチェックポイントをもたらしてくれるものだと思います。
入門 起業の科学

評価:
オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆
概要:起業・新規事業の失敗を潰せる型を4ステップ、39のチェックポイントに因数分解して紹介している本。
感想:この本は一度読んでどうこうというのではなく、何度も使う本です。個人的には、スモールビジネスとスタートアップの違いが目からウロコでした。私が今まで関わってきたのはほとんどがスモールビジネスだったんだと気づけました。
苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

評価:
オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆
概要:USJをV字回復させた立役者によるキャリア論。
理由:優れた戦略家、マーケターが経験に基づいて伝えるキャリア論はどんなものか気になり購入。
感想:ものすごく面白いです。特に学校では教えてくれない世界の秘密の章では、自分なりに考えていた資本主義の本質について違った視点が得られましたし、収入の上がる仕組みなど絶対に知っておいた方がいいことが書いてあります。また、自分をマーケティングせよ、という章ではプロならではのフレームワークを用いて、自分の中長期のキャリアをどうデザインしていくべきかを示してくれています。著者の専門である戦略・マーケティングについてももっと学びたくなりました。
「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方

評価:
オススメ度☆
   読みやすさ☆☆
概要:市場価値という視点で自分のキャリアをどう捉えるか、どう進化させていくかについて書かれている本。
感想:類書であれば、転職の思考法の方が面白くよくまとまっていると思いました。この本は似たテーマについて書かれているのでその次でいいと思います。特に事業のライフサイクルのどのフェーズに自分が向いているのかを考える視点、ポータブルスキルを段階的に取得していくことについても書かれていることが面白かったです。」ただ、内容を自分で活かしてみるには情報が少なく、かつ、補足するセミナーがないのも残念。著者の現在のビジネスモデルには合わないのでしょうか。

ビジネス書:告発・政治・権力系

スクエア・アンド・タワー(下): 権力と革命 500年の興亡史

評価:
オススメ度
   読みやすさ
概要:権力の階層制と分散型のネットワークという切り口から歴史を紐解く上下巻の大著。
理由:権力とは何か?権力にまつわるパワーバランスについて知りたくて購入。
感想:テーマはすごく興味深かったのですが、読みにくいのと、前提知識不足のせいか、今の私にはいまいち学びが少なかったです。上巻は去年読み終わっていたのですが、下巻はなかなか進まずこのタイミングの読了となりました。一番印象に残っているのは、上巻に書いてあった階層制もネットーワクの一形態であるということ。ネットワークというと勝手に階層制は別のものという認識があったのですが、双方はネットワークという分類において繋がっているというのが新鮮な視点でした。また時がきたらチャレンジしようと思う本です。しばらくはいいですが。。汗
労働者階級の反乱 地べたから見た英国EU離脱

評価:
オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆☆
概要:1996年からイギリス人と結婚し生活している日本人ライター・コラムニストの立場でブレグジットについて調べた学習記録的な本。
感想:とても面白かった。政治について知見が少ない私では一度読んだだけでは分からない点も多々あったが、新書版でボリュームも少なく読みやすいので入門としてはとてもよかった。引用されている専門書にも手を出していきたいし、イギリスのそれを比較対象として日本の政治についても理解を深めていきたい。
スノーデン 独白 消せない記録

評価:
オススメ度☆
   読みやすさ☆☆ →文体は読みやすいが量が多い。
概要:CIAなどの超機密情報をリークし、犯罪者となったスノーデン氏が自ら書いた自叙伝。
理由:裏工作や表立っては知られていない動きについて気になったのと、自伝だと物語的で読みやすいと思ったので購入。
感想:ハッカーの考え方、ネットの黎明期からの変遷が彼の目にはどう写っていたのかが新鮮で面白かった。映画も見たが、省略されたり異なる演出されている箇所もあったので、他のことでも映画で満足するのではなく、詳しくしりたければ書籍を読まないとダメだなと思いました。他にも色々思ったことはあるのですが、自分の興味のあるテーマでもあるので、考察してから別途記事にします。
告発 フェイスブックを揺るがした巨大スキャンダル

評価:
オススメ度☆
   読みやすさ☆☆
概要:トランプ政権の誕生に祭して、データ分析を駆使したPR支援を行なっていたベンチャー企業(ケンブリッジアナリティカ、略してCA)がある。そのスタッフだった著者の視点から書かれた告発本。
理由:スノーデンと同じく、内部告発に惹かれて購入。
感想:本としてはドキュメンタリー調なので読みやすい。そして、昨年までの情報まで含まれているリアルタイム感がすごいと思いました。が、著者の政治思想からトランプやブレグジットに対する一方的にネガティブな印象とセットで語られているため、それらの表現を差し引いて事象を見ていかないと、構造などの本質は分かりにくいと思いました。CA社は、個人情報の不正取得・利用という点と、対立候補の心象を悪くする動画などを用いた投票妨害という点で犯罪を犯していたようだが、それを否認したのと相まって、事業停止した模様。真相はまだグレーみたいですね。実際に彼らが行なっていたPR支援を知ると、データ分析を活用して多くの人を動かすテクノロジーはここまで進化しているのかと驚きました。他にも思ったことは色々ありますが別途書きたいと思います。
エスタブリッシュメント 彼らはこうして富と権力を独占する

評価:
オススメ度☆
   読みやすさ☆☆
理由:ブレグジットの背景にあったとイギリスの方々の状況についてもっと知りたいと思い購入。
感想:分量が多くて読むの大変でした。。。ブレグジットに大きな影響を与えた労働者階級の人々の立場について書かれたのが著者の前作であり、今作は彼らを押さえつけてきた権力者たちについて詳しく書かれたものでした。政治と経済が利益拡大のためだけに手を組んでおり、そのツケが低所得者層の方々に回されていることが色んな角度から語られていて、読み進めるのが辛くなるほど。。。とはいえ、まだまだ理解が浅いので繰り返し読み、理解を深めたいし、日本と比較できるようになりたい。
※この書籍は、英国で2014年に出された本です。
遅いインターネット(NewsPicks Book)

評価:オススメ度☆☆
   読みやすさ☆ →文体が読みにくい。。
理由:トランプ当選に関する著者の意見など、政治について書かれていて、それが自分が得たい視点で書かれていたので興味を持ち、購入。
感想:正直、文体が読みにくいのと、聞きなれない用語が頻出する章もあるのでかなり集中しないと理解が進まなかった。しかし、全部の章で繰り返し読んで考察したいテーマを見つけることができ、何度も読みたい本だと思いました。これからの政治、ジャーナリズムについて知りたい人にはオススメかも。でも、入門レベルとかでは全くないです。

ビジネス書:その他

魔法の世紀

評価
:オススメ度   
   読みやすさ☆
概要
理由:デジタルネイチャーを読了したので、魔法の世紀も読んでおきたいと思い購入。
感想:メディアという視点で見たコンピュータヒストリー、メディアアートヒストリーが特に面白かったです。使う本ではなく、思想を磨くための教養書のイメージ。また読みたい。

ビジネス書:自己啓発系

祖父・多田等観が語った チベット密教 命がホッとする生き方

評価:
オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆☆
概要:著者がチベットで修行した祖父からの教えについてまとめたもの。
理由:著者の方と知り合いであり、プレゼントしていただけたので読みました。
感想:タイトルにあるように、読みながら心があたたかくホッとした気持ちになる本でした。チベット密教について内容は全く知りませんでしたが、自分の価値観にも合う教えだと思いました。この本を読んだ気持ちで1日を終わえたい、眠りにつきたい。そう思わせてくれる本でした。

小説

三体

評価:
オススメ度☆☆
   読みやすさ☆☆ →科学用語が出てくるので苦手な人はキツいかも。
概要:中国で三部作累計2100万部の大ベストセラーの1作目。
理由:他のSFも読んでいて、SFを通じて中国という国の一部を知ることができるか気になったので購入。あとは単純に売れてるということで気になった。
感想:面白かったです!!スラスラ読める。謎解きミステリーの要素が強い印象で、題材としてSFを使っていると捉えた方がしっくりくるかも。SFを、人と人、機械や宇宙人との関係性に対して新たな認識をもたらすものと捉えるとしたら、往年の代表作の方がそれに値すると感じました。そういう意味では、洗練されてはいるけれど、哲学的に訴えてくるものが弱いと言えるかも。私としては、オルダスハクスリーの素晴らしき世界や、スタニアムレムのソラリス、フィリップKディックのアンドロイドは電気羊の夢を見るかの方がいい意味で違和感、薄気味悪さを与えてくれると思いました。ただ、まだ一作目なので続編を読んだら印象が変わるかもしれません。早く発売して欲しいです。


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