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【プチ日記】性弱説という人間観に立ち、組織の制度を設計する。

ここ最近、約150名に影響のある制度の設計をしているのですが、大切なことはどのような人間観で設計するかだと思っています。

書籍「ティール組織」が発売された当初に惹かれて以来、実践探究を進めて早6年目となっているのですが、その途中からこれは私の解釈ですがティール組織の人間観は「性弱説」である、と捉えるようになりました。

性善説でも性悪説でもなく、ある種そのどちらも含んでいると言える「性弱説」についてはUSJをV字回復させ、稀代のマーケターとして活躍されている森岡毅氏の書籍が分かりやすいので紹介します。

人間の本質は「自己保存」だと考えています。自己保存とは、自分の生存確率を最優先することです。
〜略〜
人間は自然状態では自己保存の目的に適った行動を取るように生まれついているのです。意識的な行動も無意識的な行動も両方あると思いますが、自分が一番大事なように生まれついている。

頑張って勉強することが将来より良い生活をするための自己保存。人に親切にするのも自分の存在価値を確認したい自己保存。
〜略〜
そんな人間が組織をつくって所属するのも、本質的な目的は自己保存です。ハイエナやシマウマもそうするように、人間も"群れ"でいた方が生存確率が高くなるから組織に属しようとします。
〜略〜
本当は組織そものものの存続のためではなく、自己保存の目的のために組織をつくったり属したりしているのです。組織について明瞭に意識しておくべきことは、組織存続を最上位の目的に掲げているその組織を構成している最初単位は、本当は個々の自己保存を最上の目的に掲げていることです。つまり組織と個人は利害相反の関係性にあることになります。

自然状態で利害相反である以上、その利害のベクトルをできる限り同じ方向へそろえる人工的な工夫が必要です。
 
その点を意識せずに放っておくから組織は大変なことになります。「個」の自己保存にとって「群れ」は手段です。「群れ」の成功が「個」の自己保存にとって顕著なメリットがあるのであれば、個は群れを成功させようとします。「群れ」が消滅すると「個」の自己保存が危険に晒される場合にも一生懸命何とかしようとします。

書籍『マーケティングとは「組織革命」である。』/森岡毅著/日経BP社P112~114から引用。

この性弱説という人間観、レンズで捉えるならば、どのような制度になるでしょうか?

詳細は書けないのですが、人はサボりたくなる・忘れることがあるといった性質を許容する、言い換えれば、その性質が発揮されたとしてもその制度単体では社外からの評判・評価は現状維持にはでき、マイナスは増えない見込みが立つアイデアを練っていっています。(こう書いても伝わらないですよね 汗)

ディスカッションの中で、自身から出た上記のアイデアは振り返ってみると性弱説に立っていると思えると同時に、その観点で捉えることが大分馴染んでいるのだと気づくことができました。

性弱説に基づく組織づくりについてはこちらの記事がオススメ。

また、今いる環境の中では、上記と同様に「人に直接働きかけるのではなく、人が影響され、動かされるものに対して働きかける」という実践を積んでいます。

書きながら気づきましたが、これは3年前にこちらの記事で書いた、

「場(環境)から関わることを主として、補助的に直接関わるというスタイル」と言い換えることもできそう、という意味では同じテーマをコツコツと研鑽しているのだなぁと我ごとながら気づかされますし、改めてテーマについて自覚的に、意識的に取り組み、引き続きスキルアップに勤しみたいと思います。

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