なぜティール(進化型)組織的経営を伝えることに情熱があるのか?〜原体験を紐解いてわかった理由〜
1.はじめに
私は、今主に会社組織に対してティール(進化型)組織的経営を伝え、タイミングのあった組織の変容をサポートする仕事をメインに行なっています。
今回はこの取り組みの源泉には実は原体験が関係していたという発見について書きたいと思います。
2.ここでいう「原体験」とは
2020年3月に出版された「原体験ドリヴン」という書籍があります。
著者のチカイケさんとはFBでゆるく繋がっていたのですがこれまで活動内容について詳しく知りませんでした。2019年に自分の中でピンときたこともあり書籍を購入し、書籍で語られている原体験ジャーニー(※)に取り組むことにしました。
私自身、もともと自己啓発・セミナー業界と呼ばれる領域でビジネスを行っていたので「自身を掘り下げる」というジャンルについては効果的なワークを複数知っていることもあり、よく実践していました。
ですが、やはり物事には適切なタイミングの出会いがあるものです。
去年のタイミングでチカイケさんの生み出されたメソッドを体験することができてよかったです。
3.私の原体験は何か?
書籍によると、本来であれば原体験は3歳前後の出来事がより望ましいそうです。
このような記憶はありますが、いずれも今の自分に大きく影響を与えているかというと実感はありません。
影響、という意味であえてネガティブなものを持ち出す訳ではないですが自分にとって2つ古い記憶があります。
私たちは幼少期に育った環境(両親の関係、両親との関係含む)に大きく影響を受けていると言われていて、価値観や願望はすべてではないにせよ、この原体験をベースに形成されていると言っても過言ではありません。
この原体験自体は以前から自覚があったのですが、ふと思い立ち、なぜこの現象が起こったのか?を人ではなく環境を軸に掘り下げてみました。
4.原体験が起こった要因を環境面から掘り下げる
(2)のケースにおける私にとっての環境は大きく2つに分けることができます。
このそれぞれについて何がそうさせたのか?という点で考えてみると以下のようなことが浮かびました。
①について
といった要因が考えられます。
↓
そして、そもそも個人の能力不足(未発達)は置いておいたときに上記のストレス、不安感、思い込みを促進させている仕組みがあると捉えました。
続いて②です。
といった要因が考えられます。
そして、こちらについても「何がそうさせたのか?」という観点で考えてみると家庭環境・仕事環境といった当時の社会情勢がそれらの発達を促すものではなかったと思えます。
つまり、環境がそうさせたということです。
①と②は表現は違いますが「時代とそこで最適化された仕組み・組織体制」という共通点があると思っていて、そしてこれが真因なのではないかと思ったのです。
5.根本原因は何か?
では、どんな時代、仕組みだったかというと
時代は、戦争に負けて物資不足になっているという状況。
仕組みは、生きるために必要な物資を大量生産できるための組織体制であり、以下のような特徴があります。
この世代の家庭で育った両親が生きてきた時代は上記の単一性は減っていきましたが、それでも内面はまだまだ影響を受けていたと思えます。
そしてさらにこの仕組み・組織体制の持つ特徴を、自然経営を提唱されている武井浩三さんの言葉を借りて説明するならば、
・情報の透明性が低い、非対称
・権力の流動性が低い、固定化
・感情と境界の開放性が低い、固定化
ということになります。
武井さんの自然経営を深く知りたい方はこちらをご覧ください。
武井さんはこの3つの要素を自己組織化が起こるための土台と位置付けており、ティール組織とはこの3つの性質を高めていった際に結果として生まれるものだと言われています。
自己組織化とは、読んで字のごとく自ずから組織化されていく働きのことで、自然界の秩序がそれにあたるとされています。
ビジネス界隈では経営者が指示をしなくとも、(経営者が望む方向に)社員が自主的に動きリーダーシップを発揮したり、新たな創造が生まれる、といった意味合いで理解されているように思います。(それが合っているかは別ですが)
上記の3つの要素がそれぞれ低い状態は、同じもの(製品)を大量に生み出しやすいというメリットがあります。言い換えれば機械のようなパフォーマンスを発揮できるということです。だからこそ、物資が大量に求められていた時代においては最適だったのです。
一方で、私たち人間はそもそも機械ではありません。言い換えれば、常に自己組織化が働いている存在です。これを機械のように固定化して止めようとし続けると不具合が生まれて当然ですよね。
この歪みが一人一人の心や体にあらわれて久しいのが、今の日本ではないでしょうか。
話が広がってしまいましたが、私の原体験が起こった要因を個人ではなく環境や構造に見出そうとした結果、分かったことは「家庭も会社も自己組織化を阻害する仕組みで経営されている」ということでした。
そして、この要因を解決するには裏返せばいいということで効果的だと思えたのがティール(進化型)的な経営であり、武井さんの提唱する自然経営だったのです。
このことが分かったときに自分のティールに対する思い入れの深さの理由がもう一段階深く読み解けた気がしました。
このことが分かるまでに自覚していた理由はこちら。
6.さいごに
ちなみに、私は20代の頃は個人と人間関係に意識が向いており、「人間関係がよりよくなるにはどうすればいいのか?」「親子で愛が循環するにはどうすればいいのか?」「自己実現を果たすにはどうすればいいのか?」そんな問いを常に持っていたように思います。
だからこそ、20代で出会ったコミュニティ・メンターはコーチング・カウンセリング・メンタリング、自己啓発、武道といった人間の成長や発達、人間関係にフォーカスしたものでした。
これは言い換えれば、同じ原体験の個人面にフォーカスが当たっていた、ということですね。
上記の4.で書いたような
といった課題を無意識レベルで感じていたからこそ、上記のような願望を持ち、解決するためのあり方とやり方についてひたすら学び実践してきたのだなぁと思います。
こう考えるとどれだけ原体験に影響されているんだ、と笑えてきますね。
以上が私がなぜティール(進化型)組織的経営を伝えることに情熱があるのか?原体験を紐解いてわかった理由でした。
長文最後まで読んでいただきありがとうございました。
7.ティール組織に関連するオススメHP&記事
(1)日本型ティール組織の先駆的実践者である武井浩三さんの実践知を体系化したプログラムDXO(ディクソー)について解説されている記事
(2)書籍「ティール組織」解説者の嘉村賢州さんが手がけ、講師もされているティール組織ラボ概要編(3H)
(3)私のティール組織関連の記事はこちらにまとめています。
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