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実は危うい関係?!成績へのこだわりと自己肯定感 〜リケジョな子育て Vol.5〜

noteマガジン『東工大飛び級ママの「リケジョな子育て」』/第5号です。
このnoteマガジンでは、発行人・福所しのぶが日経xwoman Terraceブログに投稿したオピニオンのうち、「子育て・教育」テーマのものをピックアップしてお届けしています。

今回は2022年7月6日の同名タイトルの投稿から、一部再編集してお届けします。

元の投稿は、日経xwomanに掲載された『有名進学校の教師ママ 生徒の家庭見て感じることは』という記事(下記リンク)を受けて、感じたことや気づきをシェアさせていただいたものです。

※以下の本文中、「参照記事」とあるのは上記リンクの記事を指します。


中学受験向けの塾通いを始めた頃、子供が小3のときの話です。
テストに向かう道すがら「成績悪かったらどうしよう…」と不安げな様子。それで、こう言って送り出しました。

『え?ママは成績なんて気にしないよ。というか、今回のミッションなんだった? ”家で勉強するときみたいに落ち着いて考えてみる”ことじゃなかった? 帰ってきたら、テストのとき深呼吸できたか教えてね。』

正直、成績がまったく気にならないかといえば嘘かもしれません。でも、子供に一番伝えたいのは「勉強は、新しいことを知ることだったり、できる!が増えていくこと。それが楽しいところなんだよ」ということ。

よく、ビジネスの面では「相手への貢献が先、お金は後からついてくる」といったりしますが、学習面も「興味や学習欲が先、成績は後からついてくる」だと思っています。

職場でも、成果ばかりを追い求める上司と、プロセスにも耳を傾けて相談に乗ってくれる上司だったら、どちらについていきたいでしょうか。

学習面も同じで、結果が出しやすいようサポートはするけれど、その一方で結果は手放して考える、そんな風にありたいと思っています。

そんなポリシーの私ですが、子供の教育をサポートする上でちょっと気になったのが上記の参照記事。進学校の先生が、生徒の家庭を見て感じることについて書かれていました。

その記事によれば、進学校には小学校時代から成績優秀な子が集まっていて、小学校のときのようにトップを走ることが難しいもの。さらには、一流大学や医学部を目指すといった「優秀であってほしい」という家庭の価値観も強いことが多いそう。そうすると、それ以外の道に目を向けることが難しかったり、あるいは、そんな自分を受け入れられずに、体調を崩してしまうこともあるというのです。

成績へのこだわりが、子供の「すべて」になり、体調に異変をきたすまで追い詰めてしまうとは…。

子供というのは、はっきり言われても、あるいは言葉にしていなくても、親の期待を感じ取り、それに応えたいと思うものです。それはもう、生存本能なのかもしれません。

我が家に関していえば、私の経歴自体が無言のうちにプレッシャーになってしまうこともあるかもしれないと自覚しています。だから、参照記事の内容は他人事ではない気がしました。

そして、仮に進学先で成績が維持できたとしても、だからといって「大丈夫、うちは関係ない」ということでもないような気もしています。

というのは、成績へのこだわりが子供の自己肯定感の土台の大部分を占めることになると後々問題になることもあるからです。

それは、実は私自身が直面してきたことでもあります。

自分は成績がよいからという条件つきの自己肯定感の土台しかないと、在学中に限らず、将来的に何らかの挫折感を味わったときにぽっきり折れてしまう可能性もあります。

あるいは、勉強で成績を上げていくことは、ある程度は本人の努力と比例するところもあります。成績を上げるということが成功体験のパターンとなっていると、自分ががんばってなんとかする以外の解決策を見つけにくくなることがあります。

努力すること自体はよいことですが、あまりに強烈な成功体験のために視野が狭くなってしまうのが問題、というわけです。

そして、成績にこだわる、ということは基本的には競争を意識せざるをえない状況でもあるので、必要以上に他者との関係が気になったり、承認欲求を手放しづらいということもあります。

参照記事では、挫折感から体調を崩してしまう子も、親が家庭の価値観を手放して「どんなあなたでも受け止める」と腹をくくると立ち直るケースも多いということも紹介されていました。

これはまさに、成績がよいからという条件つきの自己肯定感から、ありのままを受け止める無条件の自己肯定感を育む考えに親自身がシフトできた、ということなのではないでしょうか。

目標に向かって突っ走る自分もすばらしい。けれども時には、たとえゆるーくても、ただ目の前のことを楽しんでいる自分だって十分に価値がある。そう思えたら最強ですよね。

私もまだまだ子育てのまっただなかですが、子供の自己肯定感を意識しながら学習サポートしようと改めて決意するのでした。

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