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ロゴセラピーの良いところ:「価値」を3種類に分類する考え方はACTにも通じる

 こんにちは、すぱ郎です。

 先日ロゴセラピーについての記事を何気なしに書いて投稿したのですが、内容がほぼロゴセラピーへの批判というか文句のようなものになってしまったので、反省してロゴセラピーの良いところ(個人的に好きなところ)を紹介する記事を書いてみようと思いました。

 ロゴセラピーの良いと感じる所は色々とあるのですが、まず一番明確に言語化しやすいのは、表題にある「価値」を大きく分けて3種類に分類して考えているという特徴かなと思っています。これは自分がロゴセラピーの前にACTを少し学んでみたけれど、自身の「価値」の掘り下げが上手くいかず、一旦投げ出してしまった後にロゴセラピーに出会って考えを整理しやすくなったので、なおさらそう感じるのかもしれません。
 しかし、改めて読み返してみても個人的に納得感のある考え方だったので、今回はその紹介も兼ねてまとめてみたいと思います。

 いきなり本題というか最早結論ですが、ロゴセラピーでは「価値」を3種類に分けて捉えます。

ロゴセラピーにおける「価値」3種

 図で示したまんまですが、その3種類は「創造価値」「体験価値」「態度価値」の3つです。簡単にそれらの価値について説明してみます。
 
 まずは「創造価値」ですが、これは外部のモノや事に対して何かを生み出した時に自分の内側に感じられる価値の事です。
 例えば仕事で他者に貢献し感謝される、何か役に立ったりするなどの役目を果たすことで感じられる価値の事です。

 2つ目は「体験価値」ですが、これは「創造価値」とは反対に、外部から何かを受け取った時に生じる価値です。
 例えばとてもきれいな景色を眺めて心が洗われるような感覚を覚えたり、子供達が楽しく過ごしている様子を見て幸せな気持ちになったり。自分以外から何かを貰った時に感じられる価値の事をさします。

 そして3つ目の「態度価値」は、困難さや何かしらの制約がある状況下で、その状況に対して自分にとって意味のある態度を取った時に感じられる価値の事をさします。
 上記2つの価値に比べると少しややこしいですが、例えば非常に自分の活動や行動が制限された状況下で「創造価値」も「体験価値」も感じられない時でも、自分にとって重要だと思える(例えば人としての尊厳を保つ)事に関しては態度を崩さず、生き続ける事を態度で示すような事をさします。ロゴセラピーを考案したV.E.フランクル氏は、アウシュビッツにて極限まで追い込まれた状況でも人間としての尊厳を保つことを忘れないという態度を貫き続けた人をみたそうで、それが「態度価値」の源流になっているのかもしれません。
 アウシュビッツのような極限状況は中々出くわさないので、もう少し身近な例で言うと、「仕事に追われていても家族と過ごす時間は大切にする」という態度であったり、反対に「どんなに仕事で嫌な気持ちになっても、一つ一つの仕事に手を抜いたり顧客などの他者に対して手を抜いた関わりをしない」というような態度の事が、「態度価値」に含まれるのだと思います。

 個人的な感想として、「態度価値」はある程度自分が「どういう風に生きていきたいと考えているか」という事が整理できている状態でないと、中々上手く見定めることは出来ないと思います。

 なので、むしろ休職直後のどん底の時期にこんな事を考えても、かえって悪い方向に思考が硬直化してしまうかもしれません。

 ただ、以下は私見ですがこのロゴセラピーの面白いところはまさにこの「態度価値」にあると思っています。何故ならそれがロゴセラピーの考え方の核の一つである「人間は人生から問いかけられている存在である」という視点と密接につながると感じるからです。この視点は一見すんなりと受け入れにくい考え方ですが、それを拒絶せずに「そういうものかもしれない」と思える時期に「じゃあ自分は何を人生から問われているんだろう」という疑問と素朴に向き合うことが出来ると、この「態度価値」における自分なりの答えが見つかりやすくなると思います。

 そしてこの態度価値に関しては、完全に個人によって答えが異なるものなので、それぞれが答えを見つけるしかないものだと思っています。そうであるからこそ、自分なりの腑に落ちる答えのようなものを見つけることが出来たら、それが今後の自分の人生の一本の軸になりうる自身の価値の基礎になると思います。

 そして個人的には「体験価値」という言葉を知って意識するようになってから、日々の何気ない場面で感じるポジティブな感情を見落とすことが少なくなってその感情を味わう事の出来る機会が増えたと思います。
 
 余裕が無いとどうしてもネガティブな感情や要素に人は引き付けられがちですが、日々の中に存在する体験価値を上手く味わうと、特別な事をしなくてもコーピングとしてそれが機能しているなと感じます。

 ロゴセラピーについて良いところをまとめてみましたが、「価値」だけに絞って書いてみようと思っても結局2000字近くになったので、ロゴセラピーについて説明しようと思うとどうしても難しい言い回しが増えるなぁと感じました。
 ロゴセラピーのお勧めしたい部分はもっと他にも色々とあるので、また別の記事でまとめてみたいと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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