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休職した経験から心のセルフケアについて学び考えた事を投稿しています。自炊が趣味です。よろしくお願いします。 アイコンは「せのきた」様よりお借りしています(https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=23398312&area=1

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心のセルフケアとしての「料理」のススメ

 こんにちは、すぱ郎です。  今回は雑記的に私の趣味であり一番好きな家事でもある「炊事」、すなわち「料理」について感じている事をつらつらと書きたいと思います。  結論から言うと、料理はマインドフルネスとしてもコーピングとしてもとてもお勧めの「心のセルフケア」として使える活動の一つになると思っています。理由としては以下の4つになります。 ①単純作業の反復が多い ②五感を使って行う活動である ③自分や近しい人を労わる活動になる ④すぐに結果が出る  まず①についてですが、

    • 苦しい状況においてもセルフコンパッションを実践するには「利己」と「利他」のバランスが大切かもしれないという話。

      こんにちは、すぱ郎です。  セルフコンパッションとは読んで字のごとく「自分を思いやる」行為あるいは態度をさします。私自身が心のセルフケアにおいて、ある一定程度調子が戻ってからはこの言葉を強く意識して日々生活しています。特に仕事や家庭内において、自身の心身の状況をすぐに後回しにしてしまいがちだったので、今は自分自身の許容度を認識しつつ、適度に自分を労わったり仕事で無理をしないようにセーブしたりするといった事を心掛けています。  一方で、例えば休職直後の時期など調子が十分に戻り

      • 低空飛行な日常を乗り切るためには「グラウンディング」だけでは限界があるかもしれないと思った話

         こんにちは、すぱ郎です。  1ヶ月以上記事の更新をストップしていました。というのもオフラインで色々な出来事が重なり、ちょっと肉体的&精神的余裕が無くなっていたため考えた事をまとめてアウトプットする事が出来ませんでした。ようやく最近少し落ち着いてきたと同時に「何か書こうかな」という意欲が湧いてきたので、今自分が書きたいテーマとして「グラウンディング」を紹介してみる事にしました。  そんな感じでこの記事を書き始めた当初は「グラウンディングのススメ」という内容にしようと思ってい

        • 感情処理のススメ:はじめの一歩は自分の感情を否定しない事かもしれない

           こんにちは、すぱ郎です。  最近、感情処理についての本が面白いです。素人には内容が割と濃いので少しずつ読み進めていますが、普段意識したことのない自分自身の感情について無理の無い付き合い方を学べる点や、感情に行動や思考が支配されないように適度な距離をもって見つめる事の重要性などを改めて学べます。  著者の思考の背景には「交流分析」の考え方が多分に含まれているようです。交流分析については元々ほとんど知らなかったのですが、機会があれば勉強してみたいと思いました。  さて、タ

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        心のセルフケアとしての「料理」のススメ

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          急性期のセルフコンパッションの重要性と、その実践の困難さを考えてみる

           こんにちは、すぱ郎です。  昨日、X等で時折やりとりさせて頂いているくっぺ@復職の人さんとスペースにてお話しさせて頂く機会がありました。割と好き勝手に喋らせて頂いたのですが、「セルフコンパッション」をテーマに色々とお話をさせて頂きとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。そんなトーク中に出た話題で気になったものの一つに「急性期のセルフコンパッションって、多分とても大事だけど実際に取り組むのが難しそうだ」という話が出ました。  ここでいう急性期とは、精神状態の悪化に伴い休

          急性期のセルフコンパッションの重要性と、その実践の困難さを考えてみる

          感情(気分)と向き合うのか、思考(認知)と向き合うのか、行動と向き合うのか:どれも結構大事だよねという話

           こんにちは、すぱ郎です。  下記の本が最近とっても面白くて、時間をかけながら少しずつ読み進めています。  というのも、私は休職していた時期にリワークに通ってセルフケアの方法等を学んだりしていましたが、その時期の大部分において自分の「感情」についてはあまり重要視して取り組んできませんでした。    一方で、終盤で自身に大きな変化をもたらしたきっかけが偶然たどり着いた「自身の感情の受容」だったよなーという体験がありました。そこに辿り着く前と後で心持ちが大きく変わった事から、

          感情(気分)と向き合うのか、思考(認知)と向き合うのか、行動と向き合うのか:どれも結構大事だよねという話

          自立と自律、丁度良いポイントはどこにあるだろう:ジェフリー・ヤング氏の著書に触れて

           こんにちは、すぱ郎です。 今回もリワーク中に読んでいた本を読み返して、新たな気付きがあったのでその紹介の記事です。  スキーマ療法というとセルフワークブックに取り組まれる方が多いと思いますが、実はスキーマ療法の創始者であるジェフリーヤング氏が過去に出された一般向けの著書の訳本が出ています。それが下記の「自分を変えれば人生が変わる」という本です。  内容はスキーマ療法に近いものになっていますが、あくまで一般向けなのでスキーマそのものやスキーマ療法についての難しい解説はあり

          自立と自律、丁度良いポイントはどこにあるだろう:ジェフリー・ヤング氏の著書に触れて

          「底つき体験」って、要するに単なる生存バイアスだよねという話

           こんにちは、すぱ郎です。 ※今回は少しいつもより感情的で取り扱っている言葉も過激な内容にな  っていると思いますので、その辺りをあらかじめご承知おきください。  「底つき体験」という言葉を皆様はご存じでしょうか?私は割と最近知りました。  アルコールや薬物依存の方などに対して使用される事のある言葉ですが、症状の悪化などを原因として「人間関係や社会的地位を失う」といった極めて強い逆境に襲われる体験を「底つき体験」と呼ぶようです。以下引用します。  一応専門的な文献でもこ

          「底つき体験」って、要するに単なる生存バイアスだよねという話

          自分の価値の「抽象度」を意識してみる:ACTの「価値の階層性」について思った事

           こんにちは、すぱ郎です。  私は休職してリワークに通っていた頃に、とあるきっかけでACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)の考え方を知り、ほぼ独学ですがACTのワークに取り組んできました。  ACTにおいて自身の価値を見定める事は最も重要な取り組みの一つです。しかし私は、その中で「価値同士の衝突」の解決策が分からずに、悩み苦しんだ時期があります。  簡潔に書くと「仕事を頑張る」と「家庭を大切にする」の価値観を両立させる考え方が自分には浮かばなかったのです。  本

          自分の価値の「抽象度」を意識してみる:ACTの「価値の階層性」について思った事

          「他人は変えられないけど自分は変えられる」の言説は自責のためにあるわけではないよ、という話

           こんにちは、すぱ郎です。  最近休職していた時期、特にリワークに通っていた時期に読んだ本を読み直す機会を意図的に増やしています。  休職中に読むのと、復職してから読むのとでは、考える事や学ぶことがまた少し変わるように感じています。  最近は境界線(バウンダリー)について書かれた下記の本を読み直してみました。  内容についてはあまり詳しく触れませんが、その中で「自分の境界線を守るために何をするのか」という小節があります。まさに心のセルフケアだなぁと思いながら読み進めて頷け

          「他人は変えられないけど自分は変えられる」の言説は自責のためにあるわけではないよ、という話

          他者による「過剰共有」はセルフケアの大敵である:バウンダリーの視点から

           こんにちは、すぱ郎です。  今回は『境界線(バウンダリー)』の考え方から、復職してから他者との関わりの中で自分が特に注意している事の一つである「過剰共有」について記事にまとめたいと思います。  「過剰共有」とは、本来不要な情報まで他者と共有してしまう行為をさします。マイクロアグレッション(小さな侵害)の一種とされていて、一つ一つは比較的小さな出来事ですが、内容によっては自分の信念とでも呼ぶべぉ心の核に侵入し、ダメージを与えうるものとされています。  ではこの過剰共有の

          他者による「過剰共有」はセルフケアの大敵である:バウンダリーの視点から

          自分の中にある多面性や矛盾を受け入れると生きやすくなるかもしれない:レジリエンスにおける「自己複雑性理論」について

           こんにちは、すぱ郎です。  リワークに通っていた時に「レジリエンス」という言葉を知りました。色んな意味を含んでいる言葉なので一言で説明しづらいですが、メンタルヘルスにおいてはストレス状況下における「抵抗力」や「回復力」のような概念に近いのかなと思います。下記にwikiの記事を置いておきますので、興味のある方は一読ください。  さて、今回も長々としたタイトルですが言いたい事はタイトルまんまになります。  「自己複雑性理論」と聞くとなんだかとてもややこしそうですし、実際細か

          自分の中にある多面性や矛盾を受け入れると生きやすくなるかもしれない:レジリエンスにおける「自己複雑性理論」について

          早期不適応的スキーマから脱却するコツみたいなものについて考えてみた:ACTにおける「FEARからDAREへの転換」について

           ※今回の記事はACTやスキーマ療法に関する用語が多く出てきますので、記事内で紹介されている資料やネットサイトなどで用語を調べて頂いた方が読みやすいかもしれません。いくつか出典元を明示した引用はさせて頂くつもりですが、ACTについて全く知らない人はちょっと良く分からない内容になってるかもしれないので、その点ご了承ください。  こんにちは、すぱ郎です。今回は妙に長いタイトルですみません。  少し前にACTにおける「有効性(workability)」について触れた記事を投稿し

          早期不適応的スキーマから脱却するコツみたいなものについて考えてみた:ACTにおける「FEARからDAREへの転換」について

          「感謝」は心の健康状態のバロメーターになっている気がするという話

          こんにちは、すぱ郎です。 先日Xで何気なく下記のような呟きをしました。  その時は何となくそう感じて呟いただけでしたが、「これってつまりどういう事なんだろう」と自分の思考の深掘りをしたくなったので、今回の記事のテーマにしてまとめてみる事にしました。感謝が精神健康状態のバロメーターになるかどうかというのは、完全に主観的な意見です。人によってはピンと来ない方もいるのではないかと思います。    結論を先に言ってしまうと、「いつもだったら見過ごすような些細な事、小さなことにも感

          「感謝」は心の健康状態のバロメーターになっている気がするという話

          虚無感との付き合い方:ロゴセラピーの考え方「意味への意志」「発見的楽観主義」について

           こんにちは、すぱ郎です。  心理療法を独習するときは、その多くが「自分の心を変えたいorコントロールできるようになりたい」という願望を抱いて始める事が多いのではないでしょうか。実際は、気持ちや気分のコントロールはあくまで心理療法の活用法のほんの一部分で、実際の活動や行動場面にどう反映させるかが大事なんだよな、と過去の記事でも書いた通りです。  とはいえ、やっぱり自分の中の嫌な気分に心が支配されている状態は辛いじゃないですか。  私は過去に一番つらかった時期、心の中を埋め

          虚無感との付き合い方:ロゴセラピーの考え方「意味への意志」「発見的楽観主義」について

          【後編】不快と向き合う:ウィリングネスの実行を支える基礎の部分に必要なものの1つは「自尊感情」かもしれない

           こんにちは、すぱ郎です。  今回は前回の記事の続きとなっていますので、まだ読まれていない方は前編からご覧ください。  上記記事で書いたように、ACTの「ウィリングネス」の実行には「不快と向き合う」事が避けられないため中々難しいというのが私の印象です。  自分の調べた範囲で、ウィリングネスを高めるには2つの手段が重要と言われていました。それが下記の2点です。 ①価値の文脈化 ②創造的絶望の付加  ①価値の文脈化とは、価値を明確化して不快な体験と向き合う場面においても、

          【後編】不快と向き合う:ウィリングネスの実行を支える基礎の部分に必要なものの1つは「自尊感情」かもしれない