見出し画像

自分の価値の「抽象度」を意識してみる:ACTの「価値の階層性」について思った事

 こんにちは、すぱ郎です。

 私は休職してリワークに通っていた頃に、とあるきっかけでACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)の考え方を知り、ほぼ独学ですがACTのワークに取り組んできました。

 ACTにおいて自身の価値を見定める事は最も重要な取り組みの一つです。しかし私は、その中で「価値同士の衝突」の解決策が分からずに、悩み苦しんだ時期があります。
 簡潔に書くと「仕事を頑張る」と「家庭を大切にする」の価値観を両立させる考え方が自分には浮かばなかったのです。
 本来価値にも階層性があるものなので、自分なりの優先度を決めればよいという話だったのですが、当時の自分にとってはどちらかを上下に置くという事が、どちらかの価値を切り捨てる事につながると感じてしまって、それがどうしても出来なくて悩んだ時期がありました。
 今思うとそりゃまぁいいとこどりは出来ないよねっていう当たり前の話なのですが、当時は今よりもっともっと精神的に余裕が無く、視野も狭くなっていたので、本当に真剣に悩んでいました。この問題を解決しない事には、自分の人生は決して良くならないという確信めいた思いまで当時の自分には存在していました。
 そういう人が私以外にもいるかどうかは分からないのですが、当時の自分みたいにもし悩んでいる人がいたら、その解決の一助になると思い今回の記事を書いてみる事にしました。

 結論から言うと、「価値同士の衝突」を乗り越える方法は、その価値の「抽象度」を上げてみると階層性を持たせやすくなるんじゃないか、というのが今の自分の結論です。
 仕事と家庭、どっちが大事なのか。この対立図だと答えは中々でないと思います。世間の割合的にも半々ぐらいに分かれてしまう印象です。仕事にプライドを持っている人や責任感を強く持っている人であれば、なおさら気軽に選択する事が出来ないように思います。

 では、「人の役に立つ」「自分とその周りの人を大切にする」かどちらかだとどうでしょうか?

 このどちらかの選択肢であれば、どちらかを選ぶ事は先ほどの問いよりはしやすくなるのではないでしょうか。
 これは「仕事=人の役に立つこと」、「家庭=身の回りの人を大切にする事」と、自身の価値をもっと普遍性のあるものに言い換えた形になります。この場合、価値を「具体的にした」とも違う気がしていますので「抽象度を上げた」、の方がニュアンスとしては近いのかもしれないと思っています。

 こうなると、この両者のどちらかを選択する事が自分の価値を照らし合わせて判断しやすくなるのではないでしょうか。というか、言ってしまうと、この対立図だと後者の価値が前者を飲み込んでしまっているので、優先すべきは後者でその次が前者だと判断できます。

 これはどちらの価値が良いとか悪いとかそういう話ではなく、自分の中にある価値の掘り下げ方で見え方が変わるという話です。すなわち、価値同士が衝突して困ったような場面に遭遇した場合は、「その価値の抽象度を上げてみる」のが問題解決のきっかけになる手段の一つかもしれません。

 人間、意外と思っている事や考えている事の背後に潜んでいるものにはすぐに目を向けられなかったりします。「自分は本当は何を大切にしたいんだろう」という事を普段じっくり考える時間も意外と無かったりします。
でも、例えば何かきっかけがあってACTなどに取り組まれている人であれば、それは貴重な自分との対話の時間になると思いますので、このように自分の価値の根っこを探って、納得できる自分の価値の方向性を見つけ出せると良いなと思います。

以上です。最後まで読んで頂きありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?