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60歳台単身世帯の家計の状況やライフプランとは!

この記事では60歳台単身世帯の、家計の状況やライフプランに対する考え方についてお伝えします。

記事の元になっているのは、金融広報中央委員会が公表している2023年(令和5年)の「家計の金融行動に関する世論調査」です。

この調査では、様々な視点で数多くの調査が行われていて、年代別や単身世帯・2人以上世帯などに分けて結果が示されています。

資料を確認することで、60歳台単身世帯の方々の家計の状況や、ライフプランに対する考え方などについて、知ることができるのではないでしょうか。

なお、調査結果は75項目に分けて公表されていますが、この記事では、その中で主だった12項目の結果を、「家計の状況」と「ライフプランに対する考え方」の2つに分けてお伝えします。

※ 金融広報中央委員会事務局は日本銀行情報サービス局に置かれていて、中立・公正な立場から金融に関する広報活動を行うことを目的にしています。

※ 家計の金融行動に関する世論調査は、平成19年以降毎年行われていて、家計状況を把握するとともに、金融知識を身につけることの大切さを広報することなどを目的にしています。

※ 各項目の結果については、60歳台単身世帯だけでなく、比較をするため全世帯(20歳台~70歳台の単身世帯)の数値を併記しています。


60歳台単身世帯の家計の状況

1 60歳台単身世帯と全世帯平均の年間手取り収入(税引後)

660歳台単身世帯は、「収入はない」と「300万円未満」の割合が全世帯よりも高くなっています。

また、平均値も中央値よりも全世帯よりは低くなっています。

60歳台は、既に第一線を離れている方もいるためと考えられます。

平均値と中央値の例

5人の学生がテストを受け、結果が30点、40点、50点、80点、100点だったとした場合

平均値は、(30点+40点+50点+80点+100)÷5=60点。

中央値は、点数を小さい順(又は大きい順)に並べて真ん中に来る値。この場合は、真ん中に来る50点が中央値。

2 60歳台単身世帯と全世帯平均の年間手取り収入からの貯蓄割合(金融資産保有世帯)

年間手取り収入が低ければ、多くの貯蓄を行うのも厳しくなるので、「貯蓄しなかった」割合も高くなります。

また、年間手取り収入からの貯蓄割合の「平均」も、全世帯よりも低くなっています。

3 60歳台単身世帯と全世帯平均の金融資産保有額

60歳台単身世帯の金融資産保有額は、平均値も中央値も全世帯よりも高くなっています。

ただし、金融資産を保有していない世帯が33.3%、この数字はとても気にかかります。

4 60歳台単身世帯と全世帯平均の金融商品の選択基準

※ 収益性とは、利回りが良い・将来の値上がりが期待できるなど。
※ 安全性とは、元本が保証されている・取扱金融機関が信用できて安心だからなど。
※ 流動性とは、現金に換えやすい・少額でも預け入れや引き出しが自由にできるなど。

60歳台単身世帯の金融商品の選択基準では、収益性よりも安全性を求める割合が高いことが特徴としてあげられます。

老後を迎える人もいる世代であることを考えると、妥当な数字ではないでしょうか。

5 60歳台単身世帯と全世帯平均の金融資産の保有目的

人生の三大資金は、住宅・教育・老後と言われています。

60歳台単身世帯の場合、「老後の生活資金」や「病気や災害への備え」の割合が全世帯よりも高いことが特徴です。

6 60歳台単身世帯の借入金残高

60歳台単身世帯は借入金残高の「平均」が、全世帯と同程度になっています。

7 60歳台単身世帯の借入の目的(3つまでの複数回答)

60歳台単身世帯の借入の目的では、「日常の生活資金」の割合が最も高く、次に高いのが「住宅の取得または増改築資金」です。

この中で気になるのが住宅取得によるローンで、返済期間が長くなると老後の生活に大きな影響を及ぼす可能性もあります。

60歳台単身世帯のライフプランに対する考え方

8 60歳台単身世帯の生活設計策定の有無

60歳台単身世帯の生活設計策定の有無を全世帯と比較すると、「生活設計を立てている」が高く、「現在も今後も生活設計を立てるつもりはない」は低くなっています。

生活設計を立てておけば、絶対に安心の老後を過ごせるわけではありませんが、少なくとも「見える化」を図るためには有用です。

9 60歳台単身世帯の老後の生活についての考え方

60歳台単身世帯を全世帯と比較すると、僅かながら楽観的な見通しを立てている人が多いようです。

60歳台の方の中には既に第一線を離れ、老後生活に入っている人が多くなっているためかもしれません。

10 60歳台単身世帯の老後ひと月当たり最低生活費・年金支給時に最低準備しておく金融資産残高

60歳台単身世帯は、「老後ひと月当たり最低予想生活費」も「年金支給時に最低準備しておく金融資産残高」も全世帯よりも低くなっているのが特徴的です。

60歳台の方の中には、既に第一線を離れている人が多くなっているので、この金額はより実情に近いようにも思われます。

11 60歳台単身世帯の老後における生活資金源(3つまでの複数回答)

60歳台単身世帯の老後における生活資金源で、最も高いのは「公的年金」です。

また、この年代は「就業による収入」が全世帯よりも低く、「企業年金・個人年金・保険金」「金融資産の取り崩し」への依存割合が高くなっているのも特徴です。

12 60歳台単身世帯の経済的な豊かさ・心の豊かさの実感

経済的な豊かさ

心の豊かさ

60歳台単身世帯の経済的な豊かさ・心の豊かさの実感については、全世帯よりも若干ですが、悲観的な見方をしている人が多いようです。

まとめ

この記事では、金融広報中央委員会が調査し公表をしている2023年(令和5年)の「家計の金融行動に関する世論調査」から、60歳台単身世帯の方に関する統計資料のご紹介を行ってきました。

具体的には、公表されている75項目のうち主だった12項目を、家計の状況やライフプランに対する考え方の2つに分けてお伝えしています。

60歳台単身世帯の方々が、ご自身の家計の様子を確認し、将来のライフプランを考える上での参考になれば幸いです。

なお、「60歳台2人以上世帯の家計の状況やライフプランとは!」の記事も作成しています。

興味がある方は、ぜひ、お読みになってください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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