うるめいわしの梅煮

スーパーで、ずいぶん丸々としたいわしがいると思ったら、島根産のうるめいわしだった。残念ながら、頭と腹は落としてあって、うるんだ目は見られなかった。

いわしは大好きで、よく食べる魚のひとつだけれど、北海道でも、東京でも、生のうるめいわしは見たことがない。調べると、やはり暖かい海で回遊するという。また、いわしの中でも鮮度が落ちやすいので、鮮魚ではあまり出回らないらしい。

和食で食べたかったので、梅煮にしてみる。今年は梅干しを自家製したので、量を気にせずジャンジャン使える。

初めて食べたうるめいわしは、脂が少なく、身がしっかりしていて、うまみが強い。カツオのような雰囲気すらある。いわしらしいくさみが一切なく、ちょっと拍子抜けするくらい。梅はくさみ消しの仕事をする必要がなく、うまみと酸味で、なんだかとても端正な味に仕上がっていた。

食べながら、こんなに筋肉質で、脂肪のない身体になるには、どんなところで、どんな風に暮らしているんだろうか、と想像する。もう少し海が冷たくなって、少し脂を蓄えた頃に、またお目にかかりたい。そのときはぜひ、うるんだ目も見てみたい。