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神戸のパン

先日、神戸までドライブした。目的地はポートアイランドのIKEAだったのだけど、いろいろ寄り道していたら、お昼の時間になってしまった。

神戸は全国でも有数のパン屋の多い街だ。ちょうど岡本というパン屋が多く集まる辺りにいたので、「パン屋をリサーチして食べくらべしよう」と、恋人が言い出す。要は、時間がないから、パンを買って車の中で食べながら行こう、ということなのだけど「食べくらべ」という言葉には、間に合わせになってしまいそうな買い食いを、特別な楽しみに変える魔法がある。彼は本当にこういう小さな提案がうまい。

札幌にいた頃から、神戸のパン屋のことは、彼からよく聞いていた。近所の「ブーランジェリー・マルゼルブ」に行くたびに、彼が「神戸にも美味しいパン屋はたくさんあるけど、こういう洗練されたパン屋はあんまりないんだよね」と。いろいろ説明してくれたのだけど、あんまりイメージできなかった。なので、まずは「神戸のパン」の感じをつかむために、誰でも知ってるようなお店のものを食べくらべてみようということになった。

彼が選んだのは「ローゲンマイヤー」「ドンク」「ケルン」。「ドンク」は、全国展開しているので、知ってるし、食べたこともあるけれど、神戸発祥とは知らなかった。3店ならべてみると、「ローゲンマイヤー」と「ケルン」はドイツ語の店名。バゲットのイメージでフランス系のパンが多いんじゃないかという気がしていたけど、ドイツ系パンの流れがあるんだなと気づく。有名な「フロインドリーブ」もドイツ菓子だし。

最初は「ローゲンマイヤー」。店内には、全商品無添加であることが、大きく記されている。ハードパンもあるけれど、惣菜パンが多い。ここでは、カレーパンとあんバターサンドを購入。次は「ドンク」。店内はゆったりしているけれど、コロナ対策の什器などデパートの雰囲気。ここでは、一番人気と書かれていた、ゴマとチーズのパン。最後は「ケルン」。ここが一番庶民的な感じがする。食パンのバリエーションがすごい。ここも「無添加なのでお早目にお召し上がりください」の表示がある。ここは、食パンが印象的だったので、卵サンドを。三店舗回って、なんとなく彼が言っていた「神戸のパン」の雰囲気がわかるような気がしてきた。古くからのパン屋文化ゆえのスタイル、とでも言おうか。札幌の新しいパン屋文化の発展とは違うなと思う。

味を語れるほど、食べていないのだけど、個人的に気に入ったのは「ローゲンマイヤー」。うわ、美味しい!という圧倒的な感じではないのだけど、バランスがちょうどいい感じ。食べていると、よくできてるなあと感じる。ツボを押さえたつくりかたというか。これが神戸らしさ、いや、関西らしさなのか。神戸のパン、これから少しずつ食べてみよう。

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