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文学フリマ東京37に出店します

2023年の5月、「文学フリマ東京36」に訪れた。熱狂する大人たちが、とてもまぶしく見えた。こういう大人になりたいと思った。

それからわたしは、文学フリマから約5か月間の大小の出来事を言葉にした。それらを束ね、ZINEにすることは、自分には及ばない大きなことだと思い、遥か遠くを眺めている心地がしていた。しかし現実は逆だった。ぴたりと張り付き、わたしそのものと同化していた気持ちを、丁寧にめくり取るような作業だった。(うまくいったかはわからないし、うまくいくということがどういうことかもわからないが)

『世界の大きさを、彩りを、自分で決めないことにした』
価格:700円(税込)
出店場所:第一展示場 D07-08

11月11日、すこしでも手に取ってもらえたら、めちゃくちゃうれしいです!

以下、本書の「はじめに」をここにも掲載する。

気まぐれの妖精 ―「はじめに」のかわりに

2023年2月のことだった。心から行きたいと思う場所をYoutubeから眺めるだけの日々に、さすがにもう、うんざりしていた。(きっとあなたも)
 「行っちゃおっか。」
なぜだか不意に腹が決まったわたしは、長風呂をしていた湯舟の中で、フランス行きのチケットをおさえた。お湯はとっくにさめていた。
フランスに行く理由はこうだ。ライティングと編集を生業にしているわたしは、家族とともにアンティークショップを始める計画があった。(物書きをしながらお店屋さんになった!)

La Catteleya Antique & Brocante
Instagram ▼ @la_cattleya_antique

 
フランス現地での買い付けが旅の目的というわけだ。いつもは在仏の日本人の方に買い付けを代行してもらっているから、まあ、わたしがわざわざフランスに出向く必要は、本当はない。つまり、なんだか行きたくなってしまっただけなのである。
そんな単なるわたしの気まぐれだったはずなのに、旅から帰国してからも、その感情は姿かたちを変えてわたしに働きかけ続けている。

その様子を言葉にしたのが、本書『世界の大きさを、彩りを、自分で決めないことにした』である。あの時、たしかにわたしは、気まぐれの妖精に出くわした。だがあの時かけられた魔法は、間違いなく〝良い〟魔法だ。世界がいつもよりほんの少し、カラフルになるのだから。

本書をとおして、あなたの生活にも彩りを届けられることを願う。

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