北欧の晩秋 最後の荘園にて

画像1 「いつかどこかにドライブしない?たまに楽しいことをしないと気が滅入っちゃうよ」と、友人からお誘いを戴いた。彼女は一人で飲食店を切り盛りしている。月曜日まで金曜日までは朝から晩まで店に立ち、土曜日は仕込みのために店に立つ。私の知る限りでは、彼女は数か月間休暇を取っていない。私は、週末ブランチを提供しているバルト外海沿いのレストランを提案した。
画像2 この場所(Elfviks gård)は二年前の夏に訪れた。週末ブランチはLindingö島の荘園の一屋敷にて提供される。この荘園は島では最後に残ったものである。
画像3 ブランチのラインアップとしては、ホテル朝食定番のベーコン、ソーセージ、スクランブルエッグ、冷野菜、温野菜のサラダ、グリル野菜、チキン料理各種、モザレラチーズ各種、果物、ジュース各種、デザート三種等である。二年前と全く同じラインアップである、それが良い事なのか、悪い事なのかはわからない。
画像4 おそらく鮭の刺身のつもりのスモークサーモン、大盛のワサビとガリ。醤油も一応あった。
画像5 予約は4人以上でなければ受け付けていなかったので、私たちは飛び入りで行った。車が無いと行きにくい場所であることと、この時勢であるため、それほど混んでいるとは思わなかったがその予測は外れた。どのテーブルにも予約が入っていた。しかし、私たちは二階の奥に個室を確保することが出来た。
画像6 要所要所に飾られている肖像画が誰のものであるか分かれば興味深いとは思ったが、果たして分かったところでどうなるというものでもない。
画像7 この荘園自体は700年前から存続している。この屋敷はおそらく1775年に建てられたものであり、屋敷の持ち主は何回か替わっている。第二次世界大戦時、この屋敷においては信号偵察作戦が講じられていた。
画像8 螺旋階段には何故か惹かれる。フランス・ニースの古いホテルに泊まった時、非常口の扉を開いてみたことがある。扉の外は漆黒であったが、目を凝らしてみたら、子供一人が下りられそうな狭き螺旋階段が階下に続いていた。下りてみたかったがホテルの人に止められた。
画像9 屋敷であるため書斎などもあるのだが、そこでも食事をしている人達が居た。書斎の真ん中には大きな暖炉がありパチパチと炭が弾ける音が響いていた。
画像10 私達は満腹になり外に出た。出たところにはカフェがあり、屋外テーブルおよびグリーンハウスのテーブル席が設けられていた。温かいグリーンハウスの中で味わう芳醇なコーヒー、満腹でない時に挑戦してみることにする。
画像11 カフェは大きくはなかったが雰囲気は良かった。どこへも導いていない階段に多様種のカボチャ、このインテリアは自分のマンションにも応用してみたい。この階段は、あるいは以前使われていた屋根裏に繋がっていたのかもしれない。中央では、この荘園で収穫された産物が売られている。
画像12 日本から取材ロケ隊がいらした時にお土産探しに協力をさせて頂くこともある。女性の方は北欧風のキッチンタオル等を購入されていた。男性の方は木製のバターナイフ、チョコレートなどであろうか。スウェーデンのチョコレートは偏見なしに美味である。私がここで何かを購入するとしたら、正面中央のハチミツ、こけももジャム、ハーブティーあたりであろうか。いずれも一瓶千円弱。
画像13 こちらは清掃用具コーナー、手前の瓶はトイレ洗浄剤。箪笥のようなものは鉄製のかまどである。別荘などでは未だにこのタイプを使用しているところである。ちなみに私は、以前のマンションではガスコンロを使用していたが、現在は電磁調理器である。
画像14 またしてもキッチンタオル、手作り風の陶器は風情がある、既製品の陶器には多少飽きが来ているが、食洗器に入れられる点は便利である。同様の理由でプラスチックのまな板を使用しているが、まな板も木製のほうが好きである。
画像15 花屋の前にポツンと放置販売されていた7輪のバラの花。晩秋の寒空の下においても大輪の花を咲かせている。称賛の意味の撮影である。友人が鉢植えの花を一つ抱えて花屋の中に入った、名前を訊ねてみると言う。それは、私から見たら脆弱で(花びらの色に関して)決断力のないような花であったが、蓼食う虫も好き好き、である。
画像16 ところどころに箱などが置かれてはいるが、全体の印象としては垢抜けた花屋であった。正面にある花の名前が紫陽花であることは私でさえわかる。おそらくドライフラワーであろう。一本700円相当。その背後にあるメタルの花器がまた奇抜である。澄洋先生なら、この花器にどのように花を活けられるのであろうか。
画像17 花の名称はおそらくリュウカデンドロン Liu Charged Delon。(お花とアロマに詳しいaiさんからご教授頂きました)
画像18 花の名称はセルリア フロリダ Serruria florida、故ダイアナ妃のウエディングブーケであったそうである。(こちらもaiさんからご教授頂きました)
画像19 この時期、このような花輪を各家庭、お店等で頻繁に見掛ける。手前は蝋燭、アロマオイル、ボディオイル、香りの石鹸等。私は非常に香り物が好きで、家中に香水を振り撒いているが、香りのするクリーム等を受け付けない人は想像以上に多いので、人様に贈り物をさせて頂く時は気を付けるようにしている。
画像20 多様な花瓶を眺めていると(写真はほんの一部)、花は花瓶との調和を考慮して飾ってあげるべきだったのだ、と反省する。
画像21 友人は結局鉢植えの花を購入していた。あまりに沢山写真を撮っていたためか、お店のオーナーが私に名刺を下さった。興味のある方はInstagram@arrbrittingerでさらに写真が見られるかもしれない。
画像22 外では山羊、うさぎ等がゆったりと餌をくわえていた。我が家の近くでは馬、ポニー、うさぎ、水鳥は見掛けるがさすがに山羊は見掛けない。ところでこの山羊たちは、何かを髣髴させる。
画像23 先程見掛けたふかふかのチェアパッドである。
画像24 この敷地には、他にもアンティークショップ、山羊のチーズ屋、アート・ギャラリー、写真上の子供のレトロおもちゃ店もあったが、これ以上記事を重くしたくないため割愛をさせて頂く。
画像25 写真的に一番のお気に入りはこちらである。SOVRUMとは寝室という意味である。足元にはバレーボールに嘴が付いているような鶏が数羽転がっていた、メタボという語彙を思い出した。
画像26 ミニ遠足をお開きにする時が来た。友人はバルト外海に別れを告げていた。彼女が暫しの非日常を満喫してくれたのであれば悦ばしい。翌日からはハードな毎日が繰り返される。という私もこれから年末に掛けては仕事が怒涛のごとく追い上げて来る。弊記事を訪れて下さった方々も、ミニ遠足を見つけられて、ストレスが溜まりすぎる前に命の洗濯をされて頂きたい。ご訪問を頂き有難うございました。

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