〜トルコ・シリア地震〜トルコの防災の歴史《後編》 死者0の町、エルジンとは?
いつもお読みいただきありがとうございます。KOKUAの横山です。
今回は、〜トルコ・シリア地震〜日本から海外に出来る防災教育とは?の後編として、”トルコの防災の歴史や、建築基準”にフォーカスを当ててお届けします。
▼前編をまだお読みでない方は
ぜひ「防災教育」の記事からお読みいただけますと幸いです!
2023年2月6日に発生した、トルコ・シリア大地震。
両国合わせて死亡者は5万6000人以上、避難民250万人が現在も苦しい状況に立たされています。(5月6日時点)
そして今回、被害の大半は建物の倒壊というデータも。
いったいなぜ、トルコでは倒壊被害が多かったのでしょうか?
実は日本以上の厳しさ!?
トルコの耐震基準法
違法建築が多い。
古い建築物が多い。
などの理由が挙げられますが、調べてみるとトルコは過去の災害の教訓から、厳しい建築基準法があったことがわかりました。
しかも、1975年時点に改正された法律は、日本と同レベルもしくは、それ以上の耐震基準値!
せっかく制定された法律でしたが、1999年に発生した大地震の時から、耐震基準に満たない建築物による被害が課題となっていたことがわかります。
そして今回の地震後には、BBCニュースには以下のような記事も。
「行政処分免除」によって見逃されてきた建築物が今回被害にあったとなれば、国として違法建築を徹底的に排除していく必要性を感じます。
トルコ南部 死者0の町 エルジンとは?
トルコに蔓延する違法建築ですが、トルコ・シリア地震について調べていく中で、「死者0の町 エルジン」というBBCニュースの記事を発見しました。
多くの死者を出したトルコ南部・震源地から近い町の中で「エルジン」だけは、死者0かつ、倒壊家屋も少なかったそう。
大きな理由のひとつとして、エルジン市長のウッケシュ・エルマソール氏は、違法建築を決して許さず、罰金など厳しい取り締まりを行なっていたとのこと。
平屋が多く、盆地の地盤が硬かったこともあげられますが、建築基準を順守した建物が多いことで、被害の減少につながっている例ではないかと考えられます。
日本も長い時間をかけて、建築基準法が浸透していったように、トルコ政府も根気強く違法建築と戦うことで、今後起こるであろう災害を予防する一助になると伝わるニュースですね。
▼動画本編はこちら
<事例>:建物は倒壊せず、死傷者もなし……トルコ南部エルジンはなぜ被害が少なかったのか
さいごに
トルコ・シリア地震をきっかけに、現地の防災対策について調べる中で、個人で解決できるソフト面だけでなく、国や政府に関わるハード面の重要性を改めて感じました。
大災害による被害を繰り返さないためにも、過去の先人の学びを行動に移す仕組み作りを国を超えてしていく必要がありますね。
今回は、前後編に分けてトルコの防災の歴史と教育について考察してみました。
引き続きnoteでは、日本の防災教育について慶應大学や筑波大学で研究・活動されている上田さんからみた、防災教育を広めるためのアイデアについてもお届け予定です。
ぜひお楽しみにお待ちください!
▼トルコ・シリア大地震に関するnoteはこちら
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