本棚を見れば性格がわかる。のは本当?


突然ですが、

本の紹介させてください。


というほど私も本を持っていないのだけど、過去にテレビで又吉さんが人の本棚見れば大体その人の性格わかるんよな~みたいなこと話していて。それがすごく色濃く残っているのです。


さてわたしの数少ないお気に入り5冊はこちら。

キッチン/吉本ばなな 

自分をいかして生きる/西村佳哲 

自分の小さな「箱」から脱出する方法 

デザインの輪郭/深澤直人 

第2図書係補佐/又吉直樹


忘れられない作品と言われたら、まずこちら。

「キッチン」吉本ばなな

姉も元カレも好きだと言っていた作品。あまりに有名すぎてあえて遠ざけていたのだけど、ふと20代後半になって読んでみた。すると作品を通して、心の奥にしまってた自分の弱さとか何かを信じる人の強さを感じて、ボロボロと泣き崩れてしまった。「キッチン」のあとに掲載されている「ムーンライトシャドゥ」という作品が特に好き。

一番好きな箇所は、主人公の彼の弟が言うセリフ。

「確かにワタシはまだ若いですし、セーラー服を着ていないと泣きそうなくらい頼りにならないですけど、困った時は人類皆きょうだいでしょ」

たくましい。そう感じて出た言葉だとしても、壮絶な経験をしたあとに私はそうやって他人に声をかけてあげられるだろうか。難しいし、時間がかかるだろうけど、いつの日にかさらっとそんな言葉を言える人になりたいとも思った。


自分をいかして生きる/西村佳哲

画像1

馬喰町のstar netで遭遇した、まさかの出会い。思わず装丁にも惹かれて購入した。

「仕事とは」「働くとは」

だれもが当たり前に毎日大部分を占めている仕事についてインタビューを交えながら書いてある。

西村さんはすごく頭のいい人だなと思う。(上から目線ですみません。)とにかく自分が言語化できない言葉がそのままそれ!それ!というようにページにひしめきあっている。自己啓発の類ではなく、すんなり吸収できる。

転職サイトや広告は気づいたら目に飛びこんでくるような日々。たくさんの道があるけど、踏み出せない。職業をあらかじめ決めてそれに向かうことが正解なのか?そもそもいい仕事って何か?いつも考えずにはいられない。

周りと比べなくても自分で自分を信じて決めてコツコツやること、周りの意見も素直に受け止めること。そしてインタビューを受けた方々はとにかく自分に嘘がなく、今をどう生きるか、それだけにフォーカスしていて気持ちいいなと思った。自分の仕事観が揺らぐと、読み返したくなる一冊。


自分の小さな「箱」から脱出する方法/アービンジャー・インスティチュート

画像2

これはミニマリスト、佐々木典士さんのおすすめ本で手に取った。

親友と雑談しているときに、まさか二人ともこの本を熟読したタイミングでめちゃくちゃ盛り上がったという思い出もある。


会話力や人間関係の本には、人の話を聞くこと、いつでも笑顔でいること、相手の趣味嗜好を把握しておくこと等たくさんのアクションが書いてあって、その日だけはやる気になるけど翌日はすっかり忘れてしまったり。やっぱりこの人と合わないなって思うと行動を変えるなんてもってのほか。

でも「箱」を知ったことで確実に苦手な人とのやりとりが変わった。

相手は変えられないというより、「箱」の気付きによって苦手な上司も苦手な親戚集まりもなんだかラクになった。自分をうまく解放できるようになった気がする。


デザインの輪郭/深澤直人

画像3

ふとワンセンテンスを読んで心がぐっと掴まれたり、自分の気持ちがダイレクトに表現されているのを目の当たりにすることが本の醍醐味だと思う。

この本はそんな出会いでした。

ふつうというのは、そういった日常のあたりまえの感性に触れることだと思うんです。

どうってことない一文だけど、そういうことを大きい声出して周囲の人と分かち合えないというか、当たり前すぎて今更なに言ってるんだろうって思われる恐さがあった。こんな風に有名な工業デザイナーがさらっと言ってくれるとそうだよね、と本の前で頷いてしまった。「デザイン」という言葉が持つ意味が多岐に広がりすぎて、きっと本人たちも収拾がつかないんだろう。引き算の美学や、何かを見つめる静けさを本から学んだ。


ただ数年経って同じところを読んでも響かない。数年経た今はこちらがお気に入り。

日常では、生きるためにやっていないというころ、それが複雑です。単純というのは、生活の要素が少ないということです。その少ない要素を繰り返していれば生きていける。

仕事ばかりで何かにすがりたくなったとき、すごく温かかった。私は人間の本質に立ち戻るのが好きみたいです。


第2図書係補佐/又吉直樹

画像4

冒頭でも出てきた、又吉さん。アメトークの読書芸人が好きで、そこから影響された私は一時期膨大な量の本を読んでいた。自分の趣味だとカテゴリや著者が偏ってしまうから人からお勧めされると読む気になる。大ヒットした作品「花火」「人間」は未読なのに、いつ買ったんだろう。これはなぜか本棚にずっとあって、さらっとシュールなエッセイが読めるところがお気に入り。

作品紹介はたった数行、なのにあふれるほどのエピソード。お笑い芸人だからなのか、テンポの良い会話。あと同級生や家族がみんなおもしろすぎる。それは彼の着眼点なのか...?

ちなみにここで紹介されている本はほとんど読んでない。だが巻末で対談されていた中村文則「銃」は読んだ。全体的にダークでだけど、心がえぐられた、という表現がまさしくぴったりだった。面白かったというだけでは済まない人間の脆さみたいなものを突き付けられたような。ここに書いてなかったら出会わなかった。だから本のおすすめはいつも聞いてしまうクセがついた。



いつまでも読み返したくなる本。それはいつまでも大切に着たい服や、いつまでもそばにいる大切な友のような存在。

これからもよろしくお願いします。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?