大会と共に育まれるもの
大会を開催して6年になる。大会当初は自分たち自身も、その暮らしや環境がこんな風に良くも悪くも大きく変化するとは思ってもなかった。そういう点ではたった6年だが、まだまだ時代は穏やかで、自分たちもそれなりに若かったのかもしれない。
そんな大会の歩みと共に、その傍にあった子供たちの姿。まだ6年間といえども、年に1度を基本としている他の大会とは違い、私たちの大会、集いの場は春と秋の年2回、それはまるで地域のお祭りのように、その暮らしの隣にDA MONDEがあり、大会とともに成長している子供たちがそこにはいた。そしてそれを見守る私たち大人の姿。
そんな風景を歳を重ね、世の中の激流に戸惑い、変化しながらも、これからも大切にしたいと願うからこそ、あの場所で集えることを失くしてしまわないように、新しい提案とともに「レースという行為から森で楽しむレジャー」へ成長させたい。大人も子供も、家族でも仲間とでも、トレイルランニングを通じ森のすぐ隣で、みんなが楽しめる空間づくりをあの森の中にしていきたい。春と秋年に2回、ここ新城・奥三河に素敵な集いの場があり、その場所を通じ、子供も大人も成長し続けたい。そんなことを願って止まない。
エキスパートのランナーからすれば競技性のないフリーランという形式の「Run for Joy」という企画は企画そのものであったり、例えば一人で走ることは少し退屈かもしれない。けれども自身が愛して止まないトレイルランニング、森の中を走る喜びという行為を、たまにはエキスパートでない誰かと、もしくは普段走ることのない人の目線や感覚に耳を傾けながら、自分の走る喜びをまだそれを知らない友人や家族といった大切な誰かと少し共有できる場に、または研ぎ澄ました自分の感覚の追求ではなく、研ぎ澄まされてない新しい誰かの感覚を共有してみる、是非そんな一日にして欲しいと思う。
大会を通じ、僕ら「人」ができるおもてなしはあまり豪華なものではないし、そこには限界がある。けれど豊かな愛知県民の森が、ただそこにはあり、走れる人もあまり走れない人も、誰でも平等に受け入れてくれる。そんなこれまで慣れ親しんだいつもの場所で、いつもように、ゆっくりと穏やかに集ってくれる人を迎え入れ、それぞれの空間や距離感、価値観で過ごせる一日の手伝いができ、そのきっかけを提案できたらと思う。
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