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【トレーナーが選ぶ】筋トレ種目の選び方

「筋トレってなにから始めたらいいかわからん・・・」

「頑張ってるけど続かないし体は変わらない・・・」


こんにちは、シズヤです。

筋トレをこれから始める人、いざ始めてみたけどよくわからない人

そんな方にNSCA-CPTの資格(National Strength and Conditioning Association 認定パーソナルトレーナー)

を持ったパーソナルトレーナーの私がオススメの種目の選び方を紹介します。



トレーニングの3原理5原則


まず初めに、大前提に筋トレは「どの種目を選ぶか」よりも

トレーニングの3原理5原則に従って行う」がことが大切です。


トレーニングの3原理


  • 過負荷の原理

  • 可逆性の原理

  • 特異性の原理


トレーニングの5原則


  • 全面性の原則

  • 漸進性(ぜんしんせい)の原則

  • 反復性の原則

  • 個別性の原則

  • 意識性の原則


過負荷の原理


筋肉を鍛えるには日常生活よりも大きな負荷を与える必要があります。

体は日常動作の負荷に慣れているため、筋肉はそれ以上大きくなる必要がないからです。

散歩をしてても足が太くならないのはそのためですね。


可逆性の原理


いくらマッチョになっても、筋トレを辞めたら体は元に戻ります。

体型や筋力を維持するには、継続していく必要があるのです。

戻らなかったら楽なんですけどね。


特異性の原理


トレーニングはやり方で効果が変わります。

自分が目指すのはマッチョなのか、力持ちなのか、疲れにくい体なのか

それによって、筋肥大、筋力、筋持久力と鍛え方が変わってくるのです。

筋肥大なら、8~15回を限界の目安に

筋力なら、1~8回を目安に

筋持久力なら、20回以上を目安にすると良いです。

ただし、これは目安であり、実際は種目やフォームによって異なります。

8回未満や20回以上なら筋肥大に効果は無い、というわけではありません。

あくまでも、一つの基準として、ということです。


漸進性の原則


筋肉を鍛えるには、同じ負荷で続けるのではなく、徐々に負荷を高める必要があります。

一気に増やすとケガしてしまったり、筋トレの機会損失に繋がります。

1キロ、2キロずつなど、少しずつ段階を得て増やしていきましょう。


全面性の原則


腕を太くしたい、胸を厚くしたい、お尻を大きくしたいなど、それぞれ理想形があると思います。

しかし偏ったメニューは体のバランスを崩し、ケガなどに繋がります。

脚を鍛えず上半身ばかり鍛えて脚が細く見える人のことを「チキンレッグ」とバカにしたような呼び方もありますが・・・。

脚も鍛えた方が踏ん張りが効いてベンチプレスが強くなった!など

最低限でもいいので鍛えた方がメリットが大きいですね。


意識性の原則


そのトレーニングがどんな意味があって、どんな目的でどこを鍛えてるのか。

それをしっかり理解し意識することで効果が大きく出るのです。

例:インクラインダンベルプレスは大胸筋上部メインに三角筋前部、上腕三頭筋にも効果的な種目で、筋肥大目的で3セット10回行う。可動域はできるだけ広くとったほうが大胸筋上部がしっかりストレッチされるから意識して行う。


個別性の原則


体は人それぞれ違います。年齢、性別、骨格、脂肪量や筋肉量、普段の生活強度など、その人にあったメニューで組んだり負荷設定を行う必要があります。

大谷翔平選手と同じメニューをしても、大谷翔平選手のようにはなれません。


反復性の原則


「この前ジムに行ったのに痩せてなかった・・・。2時間も頑張ったのに・・・」

トレーニングは数回やっただけでは効果ありません。

反復して行うことで効果は出ます。継続して習慣にしてしまえばこっちのものです。


3原理5原則はトレーニングの基本です。

そして種目にも基本の種目が存在しています。

それは、体の代表的な6つの動作に合わせて分類されます。



代表的な6つの動作


  • Vertical Press (バーティカルプレス)

  • Horizontal Press (ホリゾンタルプレス)

  • Vertical Row (バーティカルロウ)

  • Horizontal Row (ホリゾンタルロウ)

  • Quad Dominant (クアッドドミナント)

  • Hip Hinge (ヒップヒンジ)


バーティカルプレス


背骨に対して縦方向に(平行かそれに近い)プレス動作を行う種目群です。

例:オーバーヘッドプレス、ミリタリープレス、ダンベルショルダープレス、ショルダープレスマシン など


ホリゾンタルプレス


背骨に対して横方向に(垂直かそれに近い)プレス動作を行う種目群です。

例:ベンチプレス、インクラインベンチプレス、デクラインベンチプレス、ダンベルプレス、チェストプレスマシン など


バーティカルロウ


背骨に対して縦方向に(平行かそれに近い)ロウイング動作を行う種目群です。プル系とも呼びます。

例:懸垂、加重懸垂、懸垂アシストマシン、ラットプルダウン など


ホリゾンタルロウ


背骨に対して横方向に(垂直かそれに近い)ロウイング動作を行う種目群です。ロウイング系とも呼びます。

例:ベントオーバーロウ、ダンベルロウ、Tバーロウ、チェストサポートロウ、ケーブルロウ など


クアッドドミナント


大腿四頭筋優位に動作する種目群です。スクワット系とも呼びます。

例:ハイバースクワット、ロウバースクワット、フロントスクワット、レッグプレスマシン など


ヒップヒンジ


股関節の伸展動作(股関節を曲げた状態から直立姿勢になる動作)の種目群です。

例:デッドリフト、ルーマニアンデッドリフト、スティフレッグデッドリフト


この基本の6種類の動作を含むトレーニングをメニューに入れることが種目選びで基本となってきます。

これらは体の大筋群を使うことができ、重い重量にも比較的に挑戦しやすく、2つ以上の関節が動作する「多関節種目」であるため、効率と効果が良い種目たちです。

腕を太くしたいからダンベルカールをする、ベンチプレスだと胸に効かないからダンベルフライをする、肩の横の張り出しを狙いたいからサイドレイズをする、腹筋を割りたいからクランチをする・・・

これらの種目は6つの動作の種目たちのそれぞれの「補助種目」であります。

もちろん効果がある種目ですが、動かす関節が1つの「単関節種目」は、動かす関節が2つ以上の「多関節種目」よりも優先順位では低い種目です。

それらよりもまずは優先順位が高い多関節種目をやっていきましょう。



バーベルのフリーウェイトを積極的に取り入れる

フリーウェイトが良いのか、その中でもバーベルかダンベルか、マシンが良いのか。

この論争はいつまでも決着がつくことはないのではと感じます。

バーベル、ダンベル、マシンのメリットデメリットは相補関係、つまりそれぞれを補う形となっているからです。

バーベルのメリットはバーベルにしかないし、ダンベルのメリットはダンベルにしかない。

逆にそれらのデメリットを補うのがマシンのメリットである。

では、なぜバーベルのフリーウェイトを取り入れることを筆者が推奨しているのか。

それは、骨格の影響を受けにくく、適切なフォーム習得をすることで効率と効果が最大化されるからです。


フリーウェイトとマシンのどちらが筋肥大と筋力増加に優れているか

実は、フリーウェイトとマシンのどちらが筋肥大と筋力増加に優れているかの研究結果が発表されています。この論文は統計手法の中で最高の信頼度があるメタアナリシスという手法が使われているため、エビデンスとして信頼できるものであると思います。

【参考文献】((Kyle A Heidel(2021)Machines and free weight exercises: a systematic review and meta-analysis comparing changes in muscle size, strength, and powerJ Sports Med Phys Fitness. 2021 Oct 5.))


研究結果では、フリーウェイトもマシンも筋力増加には有意差が無く、どちらも効果があるとされています

しかし、筋肥大の効果は有意差が無いと判断されましたが、人によって効果が変わる可能性があるとされました。

これはおそらく骨格の違いが影響されていると思います。

  • 身長160cm、胴が長く四肢が短い人

  • 身長190cm、胴が長く四肢が短い人

  • 身長160cm、胴が短く四肢が長い人

  • 身長190cm、胴が短く四肢が長い人

極端な例ですが、これだけ骨格に差がある人たちを1つの同じマシンで同じ効果が得られるかは、いくらマシンの性能が良くてもわからないと思います。

それなら、

・身近なパーソナルトレーナーさんにパーソナルトレーニングの受けてフォームのことを聞いてみる

・自分で書籍や動画コンテンツで学習する

などしてフリーウェイトのフォームを習得した方が良いのでは無いかと考えます。


また、フリーウェイトはマシンと違って自分で体を支える必要があります。

その際にバランスを取るために多くの筋繊維が動員されます。

これは、細かい筋肉を集中して鍛えることができるマシンと違って非常に効率が良いです。


バーベルは高重量に挑戦しやすい

バーベルはラックに置いて重量をセットし、エクササイズを行います。

ダンベルと違って、自分で地面からスタート位置に持ってくる必要はありません。

それにダンベルで5回以下の高重量で動作を行うには、ダンベルのサイズの問題で可動域が制限されたり、フォームがブレたり、怪我のリスクが高くなります。

バーベルであれば高重量であっても、フォームのブレをある程度抑えることができるのため、ダンベルよりも高重量に挑戦しやすいのです。


マシンが悪いわけではない


散々フリーウェイトを推しましたが、私はマシンも使ってトレーニングをします。

現実問題、ジムでフリーウェイトコーナーがいつも空いてるわけでは無いですよね。

パワーラックが空くのを待つなら、私はマシンを使ってトレーニングします。

筋肉にとっても刺激が変わるのは良いことですし、待つ時間がもったいないです。

ガチガチにこだわらず、バランスよく柔軟に対応していけると、筋トレも楽しく取り組めるのではないでしょうか?



まとめ


  • トレーニングの3原理5原則を意識すること

  • 代表的な6つの動作を取り入れること

  • バーベルのフリーウェイトを積極的に取り入れること


今回はパーソナルトレーナーの目線から筋トレ種目の選び方を紹介しました。

筋トレは継続することが大事です。この記事を参考にして自分に合った種目を選び、

充実した筋トレライフを楽しんでください!


それではまた!


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