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バウンダリーの実践:自分のバウンダリーを知ろう!

バウンダリーをうまく使いこなせるようになると、人間関係のストレスも軽くなるというお話を今までしてきました。

バウンダリーを実践できるようになるために、自分のバウンダリーがどこにあるのか、探してみるところから始めましょう。

因みにこれからやるのはバウンダリーの基礎編です。自分のバウンダリーが分かれば、すぐに使いこなせるものではありません。

例えば、自分の人生や仕事で「ブレずに進む」と決めても、ブレそうになることもあれば、気が付いていたらブレていたなんてことは普通にある事。

それでも大丈夫です。一流の社長やアスリートでさえも局面でブレないことは難しいです。バウンダリーも上手くできる時と出来ない時と行ったり来たりです。ブレたとしても、バランスを取り戻せば大丈夫。

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では、これから4つ質問を出します。あなただけの答えを見つけられるよう、時間をかけて考えてみましょう。紙とペン(またはスマホ)を用意して思いついたことを書くとより効果的です。

最初の質問:あなたが人間関係で大切にしているもの、人間関係に引き寄せたいものは何ですか?


私がコーチングでフォローしているジェニファー・ホフマンさんが推奨しているのが下記のアファメーション :(英語本文)

私の人生のすべての人が、私を愛し、尊敬し、尊重している。そして、私の人生のすべては、愛、平和、喜びが源です。

このメッセージとてもパワフルで私は好きです。理想の人間関係となったら私も、思いやり、寄り添い、尊重、安心、信頼からなる人間関係を求めます。あなたが人間関係で大切にしているものは何ですか?


ここをしっかりと押さえたら、あなたのバウンダリーを知る旅に出ましょう。
用意はいいですか?


🏠自分の心を家に例えると🏠

住んでいる家はプライベートな空間なので、ドアには鍵がかかっていますよね。

誰かがあなたの家に入りたい場合はまずチャイムを鳴らします。チャイムも鳴らさないで入ろうとする人は、間違いなくあなたにとって危険な人です。

そんな不届き者が入って来れないよう私たちはドアにカギをかけて大切な自分の空間を守ります。

設問2. (関係性を作るのに)あなたの家に入れるのに最低限守ってもらわなければ困るマナー、もしくはマナー違反は何ですか?

例:
・暴力を振う
・自分を利用するためだけに近づいてくる
・性的嫌がらせをしてくる
・批判しか言わない
・脅してくる


この最初の設問で出た条件は、あなたにとってすぐにでも関係性を終わらした方がいい、あなたの心身を病ませる人たちの特徴です。

ここでしっかりとバウンダリーを作っていないと、セクハラ、DV、ネグレクト、共依存など、あなたの力が奪われコントロールされてしまう状況になりかねないので、自分が人間関係で求める最低限のマナーをはっきりとしておきましょう。

そしてこの条件に当てはまる人がいたら、すぐにその人のもとを離れましょう。もっと自分を大切にしてください。その人にコントロールされてるがために、本来の自分を忘れています。

本当のあなたは優しさと強さを持ち合わせた、愛されるべき人です。

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続いて次の質問。

設問3. チャイムが鳴ったら、玄関でお話をしたい人(できるなら家に上げたくない人)はどんな人ですか?

仕事や付き合いで無下にできない人達のカテゴリーです。きちんとチャイムを鳴らす最低限の常識は持ち合わせても、下手すると人の領域にずかずかと入ってこようとする人達。その人たちの条件を挙げてみてください。

例:
・いつも決めつけで話をする人
・その人の都合を押し付けてくる
・ことあるごとにマウンティングを取られる
・都合の良い時だけ呼ばれる

こういった人たちは一緒にいて疲れる人たちです。こういったエネルギーバンパイアの人達はバウンダリーを張らないとあなたの領域に悪気なく入ってこようとします。

無下にできなくても、『これ以上は私が大切にしている領域です。入るのであれば、設問1で書いた条件が必要になります。』と敬意を持ってはっきり知らせることが大切です。

一番簡単な方法は「今忙しいので残念ですが、私には難しいです。他の人にあたってみてください」と笑顔でできないことを伝えることです。

こういうエネルギーバンパイアは、自分が相手の領域で好き放題出来ないことを悟ると、その人にそれ以上まとわりつくことはありません。

ここでは自分のバウンダリー基準をはっきり持つことが大切です。さもないと自分の優しさや愛を枯渇させてしまい、大切な人たちや自分の時間など、エネルギーをかけるべき大切なものにエネルギーをかけられません。

本来愛情をかけるべきものに愛情をかけれず、迷惑な人にエネルギーをかけるのでは本末転倒です。

そして、ここからは他人ではなく自分の友人や恋人、
家族など親しい人たちを対象にしたバウンダリーです。


家の中に入れた相手には是非くつろいでもらいたいもの。家族や家族同然に親しい人は居住スペースまで上がってもらい、必要ならその日泊まっていく?と声をかけれるほど信頼関係もしっかりしています。

一方で家に上げるほど関係も良く、信頼もあるけれども自分の居住スペースを見せれるほどでもない。応接間やリビングでもてなすのがちょうどいい関係性の人たちもいます。

設問4. あなたにとって両者を隔てる、前者にあって後者に無いものは何ですか?

設問2と3は、自分にとっての「大丈夫(YES)」と「ダメ(NO)」をはっきりさせることが大切でしたが、この設問ではNOの手前のグレーゾーンの線引きに変わります。

普段親しい人や友人のやっていることが、どの時点からあなたにとってストレスになるか、どのタイミングからあなたの心の余裕は無くなるかを自分で理解するのがポイントです。

例:
・頼らってもらいたいと思うけど、頼られっぱなしなら応接間で話すのがちょうどいい。
・親切でありたいけれど、それを当たり前のように思われるならば応接間どまりがちょうどいい。
・予約やお店のリサーチなど苦じゃないけど、忙しい時は代わってやってくれる相手だと居住スペースに通せる。

この領域はグレーゾーンなので状況によりけりですし、その都度境界線が変わることもあります。バウンダリーを引く、もしくは引き直すとき、もしバウンダリーの引きどころが分からなくなったら是非以下の方法を試してみてください。

もし大切な友人が同じ立場にいたらあなたはその友人になんて言いますか?

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例として、私がバウンダリーを意識するきっかけとなった出来事を紹介したいと思います。

私には大学時代から仲のいい友人がいます。数年前から友人は自分の会社を始めたのですが、企業したてならではの不安やストレスに悩んでいました。私もフリーランスになり始めのころは同じ思いをしたので、よく相談にのっていました。

でも次第にそれが友人の中で当たり前になってしまい、相談にのらないと不満な態度を取られるようになりました。

なんか違うと感じながらも友人をサポートしていたのですが、違和感が続く中、ある日友人から「スタッフ募集に禁煙者のみと書くべき?」と聞かれました。

ー これは社長である友人が自分で決めるべきことでは?

自分で判断すること、自分で責任を取ることを放棄したその態度に疑問を覚えてしまいました。

ちょうどそのタイミングでバウンダリーのことを知ったのでバウンダリーを意識してみると、私がバウンダリーを引いてなかったために関係性が悪くなったのに気が付きました。

その前までは友人なんだから全部オッケー(家に入ったなら何でもオッケー)だと思っていました。でも、居住スペースにいてもらうためには守ってもらいたいものがあること、そしてそれを友人に提示することが出来て無かったと気づいたのです。

 バウンダリーを考える時のヒント

バウンダリーを知ったおかげで、私にとってgive and takeが一番親しい関係性に必要だったこと。giveだけだとさすがに親しくてもストレスになると分かったら、とてもすっきりしました。
(それまでは言葉にできなかったので、友人に伝えることもできず苦しんでいました)

それまで「なんなら泊まっていく?」と言えるくらい仲いい友人だったのですが、もしtakeだけが続くなら居住スペースまで上げれない。寂しいけれど、我慢して付き合うしかできないなら、応接間でおしゃべりするくらいが逆に自然でヘルシーに関係性を保てると分かったのは私にとって大きな収穫でした。

因みに「大切な友人がその立場だったらなんて声をかけるか」の例でいうと、もし私の大切な友人が一方的に頼られていたら、「そのままストレスを抱えてもサポートしてあげなよ」と言うかどうか。その答えがバウンダリーを引くべき基点を示してくれます。

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以上、あなたにとってのバウンダリーは何だったでしょうか?

最後に思い出してほしいのが、バウンダリーを持つことは相手を拒絶することでも、関係を断つことでもありません。バウンダリーは自分を守り、人間関係を健全なものにするのに効果的なスキルです。

あなたがどれだけ自分を大切にしているか、それによってバウンダリーの基準も変わっていきます。自分を大切して、自己肯定を高めるととバウンダリーの質も良くなります。

バウンダリーは自分の成長で変わっていくものだし、その都度違う場面で新しい発見があります。この紙で書いたことも変わっていくので、その都度更新してみてください。^^


自分自身のバウンダリーが何か、はっきりさせたところで今度はバウンダリーの伝え方です。

続く。


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