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人には人生を変えるきっかけがある②

前編に続いて、今度はゲストのおふたりの人生の歩みについて。
これまた興味深すぎて、「そんな巡り合あわせがあるんだ!」と感動を覚えました✨
人の人生の変遷をうかがえるのは本当に貴重なことだし、それを聴くことによって、登壇者のみなさんの今の活動に対して、より敬意が深まりました!

前編が気になる方はこちらから。


麹の学校代表:なかじさんの場合


なかじさんは特に面白い道の歩き方をしているなぁと感じました。
もともと大学ではインダストリアルデザイン、陶器づくりを主に学ばれたようです。ただし、陶器作りを生業にすると活動する場所を決めなくてはならず、その前に世界を見ようと思い、旅したときに、外国人たちが国家や民謡を当たり前のように歌う様子を目の当たりにし、衝撃を受けたそうです。

「自分は日本の民謡なんて知らない…日本文化のことを語れるほど知らない」
ということがショックだったそうです。
また、海外で日本の伝統芸能を披露するプロ集団【鼓童】の公演を見て、すごく感動し、「自分もやってみたい!」と強く思い、本当に入団し、2年間活動したそうです。
ただ、最後、舞台にあがるための試験には落ちてしまい、地元千葉に戻ると、そこでまた民謡を通じて酒蔵との出会いが…。

実際に日本酒作りの現場を見た際に、米と麹と水で発酵していく様を「まさに命のはじまり」そのものだと、とても心が揺さぶられ、発酵を探求し始め、日本酒作りの道へ。
8年ほど携わり、その間にライフイベントとして結婚や子どもの誕生を機に、今度は、家族と過ごす時間が持てるようにしたいと思ったのもあり、自宅で身の回りの道具でできる麹作りを伝える活動を始め、世界どこにいても学べるようオンラインの麹の学校を設立しました。

https://www.kojiacademy.com/

麹を自分で作れる=日本食を支える調味料をすべて自分で作れることになります。日本の食文化を継承することにも繋がります。それ以前に、発酵という命の営みを目の前で見ることができます
かつて日本人が当たり前にやっていた自分で麹を作ることや発酵に関わることで日々感動体験、小さな幸せを感じることができ、まさに発酵は人生を変えることができるチカラを持っていると感じた」そうです。


常滑焼の窯元代表:鯉江さんの場合

元々家業が愛知県常滑市の常滑焼の窯元だったそうです。小さい頃から、周りに職人さんたちがいて、賑やかな環境で育ったとのこと。
ただ、業界には暗黙のルール、構造が長年存在し、それがクリエイティブを阻害している実態もあったようです。

その構造というのは、窯元と問屋の関係性にありました。
問屋は、消費者に買ってもらえる商品が欲しい。
窯元は、問屋から「◯◯が何個欲しい、いくらで」と指定して発注するような仕組みがあるとのこと。この仕組みは昔から当たり前なので、基本は問屋の言いなりのような関係らしいです。

なので、窯元の職人たちは、本当に作りたい作品を作れず、それによってデザインや機能性などもなかなか拡がっていかないような環境にあったようです。

作れるものが絞られる=消費者の選択肢も狭まります。

鯉江さんは、家業をすぐには継がず、東京で商社マンとして、仕事をする中で流通の仕組みを知り、マーケティングを学んだそうです。そして、地元に帰り、ダイレクトマーケティングの考えを導入することにしました。

窯元の職人が作りたいものを作る。
消費者に直接、提示し、選んでもらう。
その傾向から、窯元は今顧客から何が求められているのかを知ることができる。

この仕組みは業界にとっては御法度のようなもので、始める際にはお父様も関係各所に頭を下げてまわったとのこと。

あるべき姿を作り出していくこと

お二人に共通するのは、本来こんなふうだったらいいなを実現するために行動を起こしていることかと思いました。

なかじさんの場合は、日本にもともと根付いていた食文化の継承や、消費者という役割だけでなく、生産者としての営みを復活させること。
かつて、当たり前に手作りしてきたものを自分で作る喜び、発酵を通じて目にすることができる小さな感動体。麹作りを伝えることで、食から始まる幸せの土台を築いていくきっかけ作りをされています。

鯉江さんの場合は、業界の流通の仕組みを変えることで、本来クリエイティブであるはずの職人さんたちの環境改善につなげ、消費者の選択肢を増やすこと。
ダイレクトマーケティングの導入で、ニーズを把握し、作品作りに活かしていくこと。
常滑焼という伝統文化を絶やさぬよう継続できる仕組みづくりをされています。

これらの行動も本気で信念を持っているからこそ、なせることだと感じました。
わたしもすごく刺激を受けました!
ありがとうございます😊


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