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【株式投資の名著】ウォール街のランダム・ウォーカーの要約とインデックス投資について


はじめに

バートン・G・マルキールの『ウォール街のランダム・ウォーカー』は、約50年にわたって影響を与え続けている投資の名著です。この本は10回以上の改訂を重ね、150万部以上を売り上げています。マルキールの主張する中心テーマは、長期的な富の築き方としてインデックス投資が信頼できる戦略であるということです。


インデックス投資のすすめ

インデックス投資の一貫した推奨

『ウォール街のランダム・ウォーカー』全体を通じて、マルキールはインデックス投資の推奨を一貫して行っています。彼は、個別株での高いリターンを狙うことは可能であるものの、大多数の投資家にとっては市場の動きを正確に予測することは難しいと述べています。その代わりに、広範な市場インデックスを追跡するインデックスファンドに投資することが、リスクを抑えつつ財産を増やす信頼できる方法であるとしています。

インデックス投資のメリット

  1. リスク分散:

    • インデックスファンドは、多くの銘柄に分散投資されるため、特定の銘柄に依存せずリスクを分散できます。

  2. 低コスト:

    • インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて運用コストが低いため、手数料が少なく済みます。

  3. シンプルな運用:

    • 市場全体に投資するため、個別銘柄の選択やタイミングを計る必要がありません。

  4. 長期的な安定性:

    • 歴史的に見て、インデックスファンドは長期的に堅実なリターンを提供してきました。

テクニカル分析とファンダメンタル分析の限界

テクニカル分析

テクニカル分析は、株価チャートを用いて未来の価格動向を予測する手法ですが、マルキールはこれを「砂上の楼閣」と呼びます。過去のデータを分析しても、一貫した規則性はなく、コイン投げと同様に予測は難しいとしています。

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析は、企業の財務状況や業績を基に株価の適正価値を評価する手法ですが、これも完璧ではありません。未来の成長を正確に予測することは困難であり、不完全なデータに依存しているため、必ずしも信頼できる結果が得られるわけではありません。

バブルの歴史

本書では、オランダのチューリップバブルから現代の仮想通貨バブルまで、多くのバブルの歴史が紹介されています。バブルの歴史を学ぶことで、投資家は「もっと儲かるかもしれない」という誘惑に負けないことの重要性を理解できます。インデックス投資は派手な利益を約束しませんが、バブルの誘惑に揺らぐことなく堅実な運用を続けることが大切です。

プロでもインデックス投資にはかなわない

プロの投資信託のパフォーマンスは、インデックスファンドに比べて必ずしも優れているわけではありません。平均的な投資信託は、インデックスファンドを上回ることができないというデータがあります。これは、長期的に見れば、プロであっても市場を予測して常に勝ち続けることは難しいということを示しています。

財産の健康管理のための10か条

本書では、個人投資家が投資において守るべき財産管理の原則が10か条紹介されています。

  1. 元手を蓄える:

    • 継続的な貯蓄計画を立て、早期から始めることが大切です。

  2. 現金と保険で万一に備える:

    • 不測の事態に備えて現金や保険を用意しておくことを推奨します。

  3. 現預金でもインフレヘッジ:

    • 長期的に見て現金の目減りを防ぐため、利回りの高い銀行を利用します。

  4. 節税対策と年金制度の活用:

    • 税金対策を行い、年金制度を積極的に活用します。

  5. 運用目標をはっきりさせる:

    • 自分のリスク許容度を明確にし、それに基づいた運用方法を選びます。

  6. マイホームの活用:

    • マイホームの利点を活かし、資産形成に役立てます。

  7. 債券市場に注目:

    • 安定的な投資対象として債券を検討します。

  8. 金や書画骨董を趣味として楽しむ:

    • これらを投資対象としてではなく、趣味として楽しみます。

  9. 投資にかかるコストに目を配る:

    • コストを抑えることがリターンを増やす鍵となります。

  10. 分散投資が大原則:

  • リスク分散のために多様な資産に投資します。

まとめ

『ウォール街のランダム・ウォーカー』は、相場が予測不可能であることを強調し、多くの銘柄に分散投資するインデックスファンドの重要であると主張しています。
バブルの歴史やプロの投資成績を通じて、インデックス投資の有用性を再確認することができました。また、投資のマインドセットとして、長期的な視野を持ち、継続的な学びの姿勢が大事であるということを改めて感じました。


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