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僕のafter.311 《15》人生のターニングポイントにおける決断方法②

二足のわらじを履き続けることへの限界を感じた僕は、
1、 復興支援活動はそこそこにしてこのまま広告代理店の仕事をしていく
2、 今の仕事を辞めて南相馬に飛び込む

この2つの選択肢の間で揺れていた。メリットデメリットや、将来性など様々な角度で理論的に比較していくと、どこからどう考えても1の今の仕事を続けていくのが良いのは間違いない。しかし、それならばなぜ僕はこんなにも揺れているのか。頭じゃなくて心に聞いてみることにした。すると割と簡単に自分の本音が見えてきた。

僕はやりたいのだ。故郷のために復興支援を。
僕はワクワクしてしまっているのだ。問題だらけの環境を。
必要とされるのが嬉しいのだ。
今の仕事は震災時にそうだったように、あってもなくても生活は困らない。けれど、生きるために本当に困っている人、苦しんでいる人の力になれる、それができることに喜びもやりがいも感じるのだ。
この気持ちを整理しようと考えた時、僕はふと中学校時代のことを思い出した。

中学3年生の7月、北泉の海水浴場がオープンする直前の時期、僕らは期末テストの最中だった。期末テストの時は学校が早く終わる。「テストが終わったら海に行こう」と友達たちと約束をしていた。中学校から自転車で40分かけて北泉の海に向かった。暑い日だった。夢中で泳いでいると、いつの間にか足がつかなくなっていて離岸流に流されていることに気づいた。岸に向かって泳出いくと後ろからくる波に飲まれて海中で洗濯機のようにグルグルグルグルと回され、必死に海上に顔を出すとまた波が来てグルグルグル。意識が遠くなってきたところに助け舟がやってきた。それは一緒に遊びにきた友人たちだった。アホなことに彼らも一緒に流されていた。幸い、ゴムボートを持っていたので、僕はそれにつかまり九死に一生を得た。1、2時間漂流して何とか岸にたどり着くことができた。地元のサーファーに助けられた友達もいた。岸についた時は助かった実感は全くなかったんだけど、それは後から急にやってきた。家に帰って家族とご飯を食べていた時、この時間がなくなっていたかもしれないんだと気づいて泣けてきた。いつ死が自分に訪れるかわからない。
いつそのときがやってきてもいいように、『後悔しない』人生を歩もうと心に決めたんだ。そのことを思い出した。

僕は『後悔しない』人生を歩みたい。今回のケースで『後悔しない』選択肢とはどちらだろうかと考えた。


人生のターニングポイントにおける決断方法②
『後悔しないこと』

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