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結婚と夫婦別姓について

今月の3月12日は結婚記念日でした。今年で7回目となります。1週間の日数は7日体の細胞がすべて入れ替わるのは7年天王星の軌道は7年で次の星座に移ります。ドラゴンボールは7つ集めるし、白雪姫の小人だって7人。王家七武海に七福神、七人の侍など、7というのは割り切れないし中途半端だけどなんか区切りが良いような不思議な数字。
そんな7年目を迎えて結婚について改めて考えてみました。


結婚とは何か

『結婚』って聞くと、教会で式を挙げて披露宴して母親に手紙読んでといういわゆる儀式をイメージしますよね。もう少し広げてイメージすると、夫婦の暮らし、いわゆる結婚生活が浮かびます。
そもそも結婚とは何かを考えると、神話にまで行き着きます。聖書で言えばアダムとイブ、古事記で言えばイザナギとイザナミ、ギリシャ神話で言えばゼウスとヘラ、この世界の始まりは夫婦でできているのです。哲学どころか文字がなかった時代から、男と女がいて結婚という概念は存在していたことがわかります。結婚とは『男』と『女』がつがいになって新たに家族を形成することという概念といえるでしょうか。もう1つ、結婚という言葉を辞書で引いてみるとこんな説明がありました。

「男女の間で夫婦関係を生じさせる法律行為」

結婚に関する法律が生まれた起源はいつなのかわかりませんが、世界最古の書物、聖書には結婚に関する記述があるので道徳上戒律上の結婚の定義はあったのだと思われます。
結婚の定義だとか謂れ、逸話などを拾っていくと枚挙に暇がないので、とりあえずこの辺で。


家制度の根幹

以前『武士の起源を解き明かす』という本を読んで、気づいたことがありました。この本では武士の作られ方について男と女の関係性から述べていたのですが、有名な武士を例に挙げてまとめてみます。

平将門や平清盛ら平氏と源頼朝や足利尊氏ら源氏は両方とも系譜を辿ると天皇に行き着きます。つまり元々は高貴な血筋だったわけです。その彼らが野蛮な武士になった背景を紐解くには文献にもほとんど残っていない女系を辿る必要があります。都で食い詰めた貴族たちは地方へ出向し、そこにいる豪族と婚姻関係を結び土着。落ちぶれ貴族は食い扶持を、豪族は権威を、お互いにwin-winの関係でした。武士の武士たる所以である武力を元々雅な貴族は持っていません。その能力は女系である豪族からきたとこの本では書いてあります。
つまり『男性は家を、女性は能力を』引き継ぐというわけです。母親の血筋がその子の特性や能力を強く引き出すのではないかという仮説です。証明はしてません。誰かしている人がいるかもしれませんが。
事実、子どもは女性の体内で育ちます。父よりも母の性質を引き継いでいると言われても何ら不思議はありません。

一方、男が相続させる家とは何か。武士でいうところの家系譜、土地(財産)、そして苗字です。
そのままでは腹の足しにもならない『家格』だけしかない落ちぶれ貴族にとって武力という実用的な能力は非常に重要なもの。武力を中心にした家を作るためには母の一族が重要でした。そのため、女系優位、女性中心の社会だったと考えます。


現代における夫婦別姓の妥当性

平安時代までは妻問婚や夜這い婚という形で、家はむしろ女系の方にありました。それが男系に移ったのは武士社会になってからです。女は結婚したら『家に入る』という慣習が出来上がりました。これは鎌倉時代から長く、現代まで続きます。我が主君である相馬家と同じくらいですね。
武士が家を守る必要があったのは、それが食い扶持に直結していたからです。働きに応じて土地をもらい、その土地を管理して収益を上げる。それを家単位で行っていました。なので、子孫に継がせる重要なものは『家』になるわけです。そのため男性優位社会になったのだと僕は考えます。


さて、日本人の結婚観の根底にあった『家制度』を現代に当てはめたとき、1つ疑問が湧き上がります。男系特有の子孫に継がせるような資産や家柄、または家業を持っている人、もしくは継がせたいと考えている人が現代においてどれだけいるのだろうか、と。
現代多くの会社が採っているシステムとして株式会社があります。株式会社の社長だからといってその地位を息子に継がせるというのは、大企業であればあるほど少なくなってきています。継がせる家業も資産もない上、サラリーマンが大半で核家族化している今日では、夫婦別姓で何の不都合もないんじゃないかと思います。


家から個へ

そもそも夫婦同姓の背景には家制度がありました。家族の一員である証に同じ姓を名乗ったのです。姓について紐解くとまた長くなるのでその辺は割愛しますが、名前なんてものは色気ない表現をしてしまうと、ただ人間をカテゴライズするためのもの。AとかBとか記号と一緒だった識別符号に、伝統だとか系譜だとか職業だとか様々な歴史とストーリーが肉付けされて今に引き継がれているのです。
元々は姓と苗字は違うものでしたが今では同じ意味合いで使われています。明治維新によって苗字義務令が出され、平民も苗字を名乗ることが義務付けられました。武士以外の多くの平民はこのとき初めて自分の苗字をつけます(例外はあります)。なので、伝統だとか系譜だとか言っても、所詮明治以降の話。たかが150年程度の『家カテゴライズ制度』なのです。
前述したように、家制度は実質崩壊しているので、夫婦別姓は本質的には今の世の中に合っているはず。しかし、法律や手続きが追いついていないので国会あたりで喧々諤々しているというわけです。夫婦別姓はうんたらかんたら言っていないで早く立法化しちゃえばいいのに。
令和の時代は『家』より『個』。貴族社会から武士社会へと変わったときに結婚の形や男女の関係が変わったように、令和の時代も結婚の形や男女のあり方の変革のタイミングになるのではないかと考えています。LGBTなどはもはや男女ですらない新しい結婚の形です。まさに、令和の時代の新しい結婚観の象徴的な存在ではないでしょうか。

ありがとうございます!これを励みに執筆活動頑張ります!