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「言葉にできるは武器になる」は善良なタイトル詐欺だ。



今回はこちらの本についてです。
読み始めてすぐ、私は「これがタイトル詐欺だ」と思いました。
なぜなら、「言葉が意見を伝える道具ならば、まず、意見を育てる必要があるのではないか?」と書かれていたからだ。

「え、文章術の本じゃないの?」となった。
違った。
いや、正確には最後の章は「言葉にするプロセス」ということで言葉について書かれていた。でもそこまではずっと「意見を育てる」ことについて書かれていた。

考えたこともなかったが、当たり前のことでもある。
自分の思いや考えが深まっていて、それを自分自身が把握していないと言葉にできない。

その当たり前ながら非常に重要な前提にこの本は気づかせてくれた。

私は、思いをうまく言葉に表せないことがコンプレックスだった。
でも、本を読み進めるうちに、私は考えの整理ができていない状況で話し始めていることに気がついた。

タイトルにある「善良な」は、外向きの言葉ばかり気にしている私たちに言葉の本質を教えてくれるからだ。もし、「内なる言葉」などといったタイトルだったら、文章術や会話術を求めてる人には届きにくくなるだろう。

自分の中で考えるときに使っている言葉、筆者曰く「内なる言葉」に意識を向けることで意見を深めることができるという。


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