ヤサシイヒト

「嘘でしょ?」

って私の言葉を

真面目に否定しないでよ

「そんな訳ねーだろ」

って いつもの笑顔で

笑い飛ばしてよ

どんなに 軽く見えても


私は
そうして欲しかった


君の

「信じて」って

いつもより 低い 声

余計 不安になった


君の

「またな」って

いつもと 同じ 声

余計 寂しくなった


顔は 瞳は

見ること 出来なかった


怖かった


いつになるか 分からない

「また」の日を

待つのが。


もう、決めたのに


顔を 見たら

「離れたくない」

なんて

言ってしまいそうだったから


「バイバイって嫌い」

って言ってた私に

いつもみたいに

ふざけて 手を振りながら

「バイバイ」

って言って

泣きそうになる私を

笑って見送って欲しかった


そうしてくれたら

今日は

笑顔で 手を振れたのに

笑顔で 君を見れたのに

笑顔で…

思い出に出来たのに



最後に 優しいなんて

「さよなら」を 君から聞くより


痛かった

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