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【子育て】ヒゲ息子のホラー

このnoteでも子育ての可愛い記録をたくさん見かける。
だが若いママさんパパさん、よく聞いて欲しい。

可愛い時期は一瞬だ。

そのうち、ヒゲが生えて声が変わって、部屋には男臭が漂う。
あの時の可愛いボクがいなくなっていくのだ。
昔はヒゲ息子だって可愛かった。

訓練すれば自分にも蜘蛛の糸が出せるはず、と何度もスパイダーマンの練習をしたり、バズ・ライトイヤーになった気分で「To infinity and beyond!」ってソファーから飛び降りて骨折するしで、まあやんちゃだけど可愛かった。

今はお腹が空くと謎の『バター醤油玉ねぎがけご飯』を自分で作って食べる。夢がない。

ある日は、台所で納豆を立ち食いするヒゲ息子に遭遇し、目が合った。

冷蔵庫に納豆ぐらいしかなかったから、「あるものを腹に入れた」、ただそれだけのことらしいのだが、その姿はまるでホラーだった。

脱ぎっぱなしの靴下はいつまで経っても同じ場所にある。

ダメ男を作っているのは女、つまり母親だと聞いた。
何でもやってあげるからいけないというのだ。
だから私は一度だけ注意勧告をして様子を見る。

すると案の定、そのうち履く靴下がなくなり、「ちょっとお母さん!」と逆ギレされる。

いやいやいや。
ちょっとは君だ。

自分のことは自分でやるように言ったら、上靴は持って帰らなくなった。

なんだか余計にダメンズを作っている気がしてならない。

しかし、ヒゲ息子にはいいところもある。
友達をとても大切にするのだ。

「じゃあお母さん、◯◯と遊んでくるわ。」とウキウキして向かうは自分の部屋。

オンラインゲームだ。
ややこしい。

かと思えば、片道2時間かけて自転車の旅に出る。
オフラインだ。
大きな街に行くいうのでショッピング?と思いきや、「自転車で出かけることが目的だ」と誇らしげにいう。

いや、雨降ってるし。
しかも1日止まないし。

「それも青春のうち。」

というので放っておくと、夜7時過ぎても帰ってこない。さすがに心配になる。

きけば、メンバーの1人の自転車のチェーンが外れ、みんなでそれを直していたのだそうだ。

ビショビショになりながら、「あー、楽しかったー。」と大満足で帰宅したヒゲ息子を見て、アホになって全力でやりたいことをやる彼がなんだか羨ましかった。

男は単純だ。
そして、とても素直である。

可愛い時期は一瞬で終わってしまうが、唯一あの時と変わらないのは、いい意味で、やっぱりアホはアホだってことだ。

「ハロー、リトルガール。」

と、先日ヒゲ息子に呼ばれて思った。
きっとこれからは母である私が可愛がられていく番なんだなと。

うん、それ悪くない。




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