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【北米エンタメニュースまとめ】「君どう」北米展開担ったGKIDS、NYで日本ホラーの上映会、出版社が変える米子供向け漫画市場、世界が涙したドラゴンボール作者・鳥山明氏死去

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


「君たちはどう生きるか」北米展開に寄与したGKIDSインタビュー


みごとアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」。作品そのものの力はもちろん、過去に北米でのジブリブランド確立してきたことで全米での配給が可能になったことも、映画大国・米国での受賞につながったといえます。そんな「君たちはどう生きるか」の北米躍進を後押ししたのがディストリビューターのGKIDS。アカデミー賞ノミネートにあわせて、GKIDSのインタビューが各紙に掲載されました。


日本ホラー映画、NYで上映会

黒澤明監督から中田秀夫監督まで幅広い監督の日本のホラー映画がニューヨークで上映会開催です。個人的にはコジラが入っているのが面白かったです。アニメを通じて日本文化に興味が高まっているところでこうしたイベントで幅広い日本カルチャーに関心が広がればうれしいです。


不足している子供向け漫画、米出版社が変えつつある

米国で漫画の人気が高まっていますが、こちらの記事によるとまだ子供向け(性的表現や暴力表現が年齢層になっているもの)が少ないとのこと。それを米出版社が変えつつあるというものです。画像にもあるように日本からはカービィやスプラトゥーンの漫画が選ばれています。

北米市場は日本よりもそれぞれの作品に年齢制限が設定され、日本の週刊少年ジャンプなどで連載されている作品はおおむね性表現と暴力表現によりR16などになりやすく子供に見せるのは不適切とされます。子供たちもマンガを読みたいと思っているのは特に図書館員は気が付いているとのことで、需要はあるのにきちんとした共有が不足しているそうです。

一方で供給側の出版社としては子供向け漫画はそれぞれの国のカルチャーに基づいたコメディが多いため、なかなか翻訳してそのまま面白さを維持するのは難しいそうです。

なかなか難しい需給ギャップですが、うまく埋められれば大きな市場が広がりそうです。

なお米国で「子供向け漫画」とされるのは以下のような作品です。「ドラゴンクエストーダイの大冒険」が入っているのがうれしい。


VizMedia、「カグラバチ」紙の英語版出版へ

ジャンプ+ができたことで、少なくとも英語圏については週刊少年ジャンプ掲載作品を中心に日本語圏と英語圏で同時に読めるようになりました。ただまだ紙の単行本の出版にはラグがあります。日本で単行本で完結していても英語版は出版が途中で止まっていることも。その中で「カグラバチ」は英語圏人気を受けてか、早々に紙の英語版の出版が決まりました。かなり早いと思います。うまく売れてくれるといいなー。調子に乗って単行本出版増えたら、コミコンとかに作者が参加してほしいです。


世界が涙したドラゴンボール作者・鳥山明氏死去


私も言葉がありませんでした。おそらく日本漫画・アニメが世界でプレゼンスを高めることに寄与した偉大なクリエイター、ドラゴンボール作者の鳥山明氏がお亡くなりになりました。さんざん報道されていますが、世界中にファンを抱え悲しんでいます。商業的な成功はもちろんですが、英語圏やフランス語の記事などは、クリエイターとしてたたえ、いかに芸術的なインパクトを残したかを指摘していてすごく勉強になりました。個人的には新しいドラゴンボールのアニメの制作にも関与されておりまだまだ鳥山ワールドを楽しめると思っていたところだったのでショッキングでした。

これを書いている人は子供のころに「アラレちゃん音頭」を踊り、初めてお小遣いで買った漫画の単行本は「ドラゴンボール7巻」でした。親には「人が死んだらドラゴンボールで復活させる」といっており、かなり心配されたそうです。あのかっこいい絵柄が好きで、遊んでいないのにゲーム「ドラゴンクエスト」の展示会に行きました。

お亡くなりになったことはつらいのですが、これをきっかけに世界中の人がいかにドラゴンボールで楽しんだのかというのが発信され改めてその影響力を実感しました。

「読書はかっこいい」英国のZ世代は書店・図書館へ

日本で閉店が相次ぐ書店への支援策が話題になっていたので、ほかの国はどうなのかな?と思ったところこうした記事が流れてきました。Z世代によって読書クラブなどが立ち上がり、紙の本が幅広い世代に売れているそうです。

それぞれの国は人口構造や商習慣、人々のカルチャーが違うので一概にある国で成功した方法が日本に当てはまるとはいえませんが、「デジタルからアナログへ」というのは音楽市場で起きているので、活字市場でも起きてくれるかなと思っています。


追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。


個人的にはクランチロール・アニメアワードのとらえ方が興味深いものでした。確かにクリエイターに圧倒的に日本人が多いことを考えると日本で会場を設けて開催してくれると、日本人クリエイターを登壇させやすい。メディアなども各国からこれにあわせて来日し、日本の漫画文化について取材してもらうきっかけにもなります。漫画でもこういう賞があれば確かに面白いですね。

すごく壮大な話なのですが、上述のアカデミー賞ももともとは、米国の映画芸術科学アカデミーによる賞で、映画大国の米国でみなが評価されようと思って世界中からクリエイターが集まっているのですから、アニメや漫画で日本が「世界中のクリエイターが目指す賞」を作れても面白いのではないかなと思います。(現状はアカデミー賞の長編アニメーション賞がその役割をになっているようにも思えますが)


今週はここまでー。引き続きよろしくお願いします。


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