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【北米漫画市場まとめ】米中堅出版社が労働組合結成、富樫先生のツイッター開設が北米でも話題に

北米漫画市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


米出版社のSeven Seas、労働組合を結成

日本の漫画の翻訳出版も手掛ける米出版社のSevenSeasが労働組合を結成したというお話です。もともと日本の漫画など趣味性の高いコンテンツの翻訳は、ファンたちの活動から商業化したという経緯もあり、どうしても「好きな人、やりたい人の熱意任せ」というところがあります。翻訳代金なども低く抑えられており、たびたび英語圏では問題になってきていました。そうした待遇改善を求めて労働組合が結成されたようです。翻訳者を中心にフリーランスが多いですが、こうした動きがほかの出版社にも広がって待遇改善が進めばいいなと思います。幸い、会社側も交渉に応じるようです。


冨樫義博先生のツイッターアカウント開設、北米でも話題に

日本のネットを騒がせた「Hunter×Hunter」の冨樫義博氏のツイッターアカウント開設ですが、海を越えて英語圏もにぎわせました。「HUNTER×HUNTER」「Togashi」がアメリカのツイッターのトレンドにも浮上したという話題です。

すでに多くのフォロワーを獲得した富樫先生ですが、海外のファンも多いことでしょう。死ぬまでに完結を見たいという思いは国が変わっても共通なようです。

中国BILIBILI、幕張メッセでフェスを開催

北米ではないのですが、海外企業の動きとして大きかったので。漫画の海外市場やというと、米国やフランス、最近はWebtoonで韓国が注目されていますが、中国は中国で大きな市場。そこで大きな力を持ち、日本のアニメの配信なども手掛けるBILIBILIの日本での動きですBILIBILIは数年前から日本のアニメイベントにブースなどを出していました。一段の日本市場での存在感を高めようと狙いなのかもしれません。


「映画 呪術廻戦」、海外上映を拡大


日本では映画館での公開が終わった「映画 呪術廻戦」ですが、海外ではまだまだ広がっています。すでに北米などの映画館で公開されましたが、さらにスウェーデンなどの映画館でも上映が決まったとのこと。
日本のアニメの海外での上映は、これまで映画館よりもイベントや時間違ってから映画館でというパターンが多かったですが、鬼滅の刃や僕のヒーローアカデミアあたりから日本での上映から時間をおかずに海外の映画館で見られるようにするという動きが広がっているように思えます。ハリウッド映画以外のいろいろな映画を映画館で見られるようになったように、日本のアニメもいろいろな国で楽しまれるとうれしいです。

海外サイトの作成した、中学生向けマンガリスト

北米などの図書館では一部で日本のマンガの翻訳版(場所によっては日本語版)を蔵書として置いています。そうした図書館員がお薦めの日本の漫画リストを時折公開しています。こちらは「BOOKRIOT」というサイトのライターが公開したリスト。「美少女戦士セーラームーン」や「ハイキュー!!」など「なぜその作品がお薦めなのか」の文言とともに紹介されています。日本の漫画がどのように受け入れられているのか興味がある方はぜひ。


今週はここまでです。引き続きよろしくお願いします。

追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

記事としては「ジャンプ+」の読み切り強化が非常に読みごたえがありました。日本の漫画を海外にアピールするときに実はネックになるのは「長い」「いつ終わるかわからない」というのがあります。出版社も売れ続けるかわからない作品の翻訳権を獲得しにくいですし、書店にも売り込みにくい。その点をクリアするのが短編および短編を集めた単行本です。メディア展開でいまはいくらでも世界を広げることができることを考えると、もっと面白い短編が世の中に増えてほしいと思います。
その中でのジャンプ+の強さはさすがです。別の漫画スキの方とお話ししたとき「かつては別の漫画雑誌に載っていたような短編も全部ジャンプ+で公開されている」とご指摘されていました。「週刊少年ジャンプ」は雑誌の色があるかもしれませんがジャンプ+はその色が薄い分、ほかの雑誌の色にあう作品も取り込みやすいのかもしれませんし、皆が見ているプラットフォームだと認知されるほど漫画家側も持ち込みやすくなります。ジャンプ+一強で終わらないようにほかのプラットフォームにも頑張ってほしいです。


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