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【北米エンタメニュースまとめ】「SHOGUN」真田広之さん特集記事、「ダンジョン飯」九井先生インタビュー、ハーベイ賞「葬送のフリーレン」「光が死んだ夏」などがノミネート、「Crunchyroll」有料会員1500万人突破

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。


「SHOGUN」真田広之さん特集記事 ハリウッドの日本文化への敬意

大ヒット作となったドラマ「SHOGUN 将軍」。背景には主演もつとめた真田広之さんが、制作時に日本文化へのリスペクトをスタッフに浸透させたという背景があります。これをみて、かつて映画で日本文化を知ったように、日本文化を知る人が増えてくれるとうれしい。


セブンイレブン、「たまごサンド」を米国で販売

「旅行でしったものを帰国後も楽しむことで文化への親しみを醸成する」というのは、私たち自身も日々やっていること。それはとくに食にかかわる分野で有効です。ということで訪日客に人気のセブンイレブンのたまごサンドが、米国市場に上陸します。ぜひエンタメ作品にも「たまごサンド」をどんどん登場させましょう。


「Crunchyroll」有料会員1500万人突破

破竹の勢い、とはこのことで、ソニーグループの海外アニメ配信プラットフォームのCrunchyrollの有料会員数が1500万人を突破しました。もちろん日本アニメの豊富なラインナップがあってのこと。まだまだ「日本アニメ」に関心を持つ層は開拓できるのだなと確信させるデータです。


そしてこのCrunchyrollは最近グッズ販売に注力しており、「ライセンサー」としての存在感も高めています。世界で10億ドル以上のライセンス商品をすでに販売したとの推計も。現在はおもに少年漫画中心に男性ファン向けグッズを取り扱っていますが今後女性のアニメファンコミュニティ向けグッズにも注力するとのこと。

参考に、以下の記事は「Crunchyrollで見るべきアニメ」とされている一覧です。


「ダンジョン飯」九井諒子先生インタビュー 海外ファンの「解釈」にも返答

「ダンジョン飯」の九井先生インタビューです。もちろん創作についての部分の回答も面白いのですが、「ライオスは自閉スペクトラム症ではないのか」とか「センシのパンチラはファンサービスなのか」とか海外ファンの独自解釈にもちゃんと答えていただいているのが面白いです。


ハーベイ賞「葬送のフリーレン」「光が死んだ夏」などをノミネート

アイズナー賞と並ぶアメリカの漫画賞「ハーベイ賞」のノミネート作品が発表されました。日本の漫画からは、「Best Manga」のカテゴリーに「光が死んだ夏」「葬送のフリーレン」、伊藤潤二先生の短編集「SOICHI」がノミネートされています。

ほかのカテゴリーのリストはこちら。


BOOK BAR、ニューヨークで人気に

食事をしながら本が楽しめるBOOK BARがニューヨークで人気を集めているようです。昔の日本のラーメン店のように、飲食しながら漫画が楽しめる場所があっても楽しいかもしれません。


NYCC、「ビジネスデイ」を設定し、開催期間を5日間に延長

北米、特に東海岸でアニメ・漫画ビジネスが盛り上がっている証左のひとつといえるニュースです。東海岸で大きなコミコン「New York Comic Con」というのがあります。アメコミと日本のアニメ・漫画、韓国のWebtoonをミックスしたIPを楽しめるコミコンで、NYCの大きな会場で4日間で行われます。それが今年は1日さらに追加し、「Retailer Day」として業界関係者向けの専門プログラムを用意する日を設けるとのことです。パネルやワークショップが中心とのこと。すでにNYCCは「Industry Summit」というのも立ち上げているので、NYCCはファンによるファンのためのイベントというよりも企業がIPをアピールし、業界事情を学ぶ場となっていくのかもしれません。



Scholastic’s Graphixはなぜ「MANGA」市場に参入するのか?共同創業者インタビュー


Scholastic’s Graphixという北米で、多くのヒットグラフィックノベルを出している出版社があります。(代表作はDogMan、Heartstopperなど)その出版社が昨年、漫画の出版に参入すると発表して話題になりました。その背景を共同創業者に聞いたインタビュー記事です。第一作目は手塚治虫先生の「ユニコ」を原案とした作品とのこと。面白いことに、図書館員や親と話して、Kids向けの漫画が少ない(昔の漫画は暴力表現などで見せられないと考えているのでしょう)ことから、新規に参入する必要性を実感したとのことです。「グラフィックノベルを読んでいる子供にも漫画を読んでほしい」という意欲は市場拡大につながりそうで期待したい。それに加えてアート性の高さから、漫画ファンにも訴求できるとみているとのこと。あえて大人のファンにリーチすることは考えていないそうです。


「WEBTOON」最高責任者に聞く世界戦略と現地NYの活況レポート

WEBTOON Entertainmentの上場を受けて、WEBTOON EntertainmentのCOO/CFOと、「LINE Digital Frontier」の社長インタビュー記事です。株価はややさえないですが、北米でWebtoonにアクセスできるプラットフォームとしてぜひ伸びて行ってほしいです。それだけ日本のクリエイターが世界市場にアクセスできる機会も増えるので。


日本のアニメやゲームなどのイベント需要、東南アジアで一段と拡大

シンガポールのイベント会社SOZOの社長によると、東南アジアで日本のアニメ・ゲームなどのイベント需要は一段と拡大しているとのこと。SOZOは「アニメ・フェスティバル・アジア(AFA)」を主催しています。シンガポール開催ですが、マレーシアやインドネシアからも訪れる人がいるイベントに成長しています。


US版メルカリ、米利用者が日本のメルカリにアクセスできるように アニメグッズの取引活発に

メルカリのUS版が、米国のアカウントを持つユーザーが日本のメルカリにアクセスできるようになりました。米国では入手が難しい日本の商品を入手してもらうためということなのですが、その中のひとつがアニメ系グッズになったようです。なおメルカリはロサンゼルスに実店舗も持っているので、日本のライセンサーはここと組んだリアルのイベントもありかもしれません。日本の漫画・アニメグッズのコレクションを持ち寄り自慢する会とかやってほしい。


「アサシンクリード シャドウズ」から始まった“弥助問題”を考える

歴史好きとして横目で見ながら議論を追っていました。「正解」はまだ正直わからないのですが「フィクションで歴史的事実、宗教、文化などを扱うときにどういう態度が必要か」というのを考えさせてくれました。


TCAF、『とんがり帽子のアトリエ』白浜鴎先生インタビュー

アニメ化が待っている『とんがり帽子のアトリエ』の白浜鴎先生のインタビューです。トロント・コミック・アート・フェスティバルは北米でも伝統ある大きなコミコンのひとつ。今年は白浜先生をゲストに招待されていました。サイン会などもあったようです。白浜先生はある程度海外で翻訳されることを想定して描かれていたとのことですが、きっと期待を超えて人気になっているのだと思います。実は単行本が出たころから、日英の漫画の翻訳者の方々の間で絵柄もアーティスティックということで評判が高く、いい翻訳がついてきちんと北米市場で売られていったとみています。日本の漫画はどうしてもアニメ化きっかけに人気が顕在化して漫画が売れるというルートが王道なのですがこちらの作品のようにアニメ化の前に日本以外のファンに受け入れられ人気になるというケースも出てきています。

「サイン入りグッズの転売問題」にどう対応するかー2つのコミコンのアプローチ

https://www.comicsbeat.com/a-tale-of-two-cons-how-otakon-and-otakuthon-handled-funko-pop-signing-and-scalping/

scalperって何だろうと思って読み始めたのですが、ようするにコミコンのサイン会とかで手に入るグッズを、サインなしで転売する人に対して、サイン会の受付方式をどうするかコミコンが工夫しているという記事でした。絶対サインを入れさせるコミコンか、サイン会そのものを有料化してリセールで利益が出ないようにするか。まあコミコンが多くの人や企業を集める場になったからこその苦悩というのもありますが、転売絶対ダメ。転売絶対ダメ。滅びよ。

追加
この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

夏コミC104に2日間で26万人はすごい規模ですね。

こちらのカップリング表記研究家のタルトさんの集計の速報値をみると、二次創作のスペースは減少しているとのこと。しかも「オリジナル」=一時創作のカップリング数がもっとも多くなったとのことです。二次創作はそれぞれのカップリングごとのイベントに分散しているのでしょうかね。

また資金調達で「GANMA!」の運営元のコミックスマートさんが元気なのはうれしいです。資金供給側の金融機関およびVCという業界は常に次の資金の投入先、成長が見込めそうなところを探しているもの。コンテンツ業界はぜひ積極的にアピールしてお金を引き出してほしいです。


今週はここまでー。引き続きよろしくお願いいたします。

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