見出し画像

【北米エンタメニュースまとめ】KADOKAWAが「タテスクコミック」の英語版配信、ディズニーが講談社と 戦略的協業を拡大、AnimeNYC開催

日々の北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。拾い切れていないものもあるのでぜひリクエストお待ちしております。感想も歓迎です。

ANNのCEOインタビュー「独立性を維持」

KADOKAWAが買収した北米のアニメ・漫画ニュースサイト「アニメ・ニュース・ネットワーク」(ANN)。買収後、編集体制がどうなるのかをCEOにインタビューした記事です。多くの読者が買収後の編集の独立性に懸念を示しているという質問に対し、懸念があることに理解を示しつつも「我々の仕事は、ANNの編集体制が(経営から)独立していると証明すること」と説明しています。現在のコラムなども見直さず、現行のままでいくそうです。


KADOKAWA、縦スクロール型コミック「タテスクコミック」の英語版を世界展開開始

そのKADOKAWAですが、国内で配信している「タテスクコミック」の作品の英語版で世界展開を開始とのこと。縦スクロールといえば「Webtoon」で韓国企業が世界展開で先行していますが、読者の増加を見越してか縦読み漫画市場に積極的に参入していく姿勢とみえます。

KADOKAWAは前述のANN買収だけでなく、電子書籍ストア「BOOK☆WALKER Global」を通じて通常の漫画やライトノベルの英語版の配信を手掛けています。英語圏を含めた海外市場の開拓では集英社の動きが目立ちますが、特にラノベを抱えるKADOKAWAの動きの見逃せません。


WOWWOW、米Crunchyrollなどとオリジナルアニメ制作へ

WOWWOWのアニメ制作のニュースです。WOWWOWのアニメ制作も珍しいですが、Crunchyrollが入っており、座組から北米含む世界市場を狙っているとのことです。発表資料に「映画、ゲーム、グッズ化などの多角展開やファンとのコミュニケーションの場を創出する体験型コミュニティ施策」とあるのはすこし珍しいです。アニメ制作だけでなく、映画化、ゲーム化そしてグッズ販売に広げるだけでなく、体験型コミュニティは気になります。


フィギュアやプラモデルの開発・販売の壽屋、業績堅調

フィギュアやプラモデルの開発・販売を手掛ける壽屋の業績が堅調というニュース。こちらの背景には、アジア圏でのプラモデルの人気、北米でのフィギュアの売上高の好調があります。

実は北米ではプラモデルも人気で、全米のKINOKUNIYAで売り場が作られています。バンダイナムコが中心になって数年前からガンプラにアピールをしてきたこともありますが、新型コロナウイルスの感染拡大で家にこもる人が増えたことが追い風になりました。それぞれのファンは家に飾ったフィギュアやプラモデルをSNSに掲載し「自慢」のひとつにしています。(家が広いのは羨ましい!!)


AnimeNYC開催! 目玉は「進撃の巨人」の諌山先生

11月、NYCで「AnimeNYC」が開催されました。多くの出版社が来年にかけての出版計画などを発表し、アニメ会社もパネルを開催しました。ただやっぱり漫画ニュース的に大きかったのは「進撃の巨人」の諌山創先生の登壇したパネルでしょう。

作品を完結させての思いなどファンにかなり率直に語っています。日本でも諌山先生がファンの前で直接話す機会は少ないので、貴重な機会になったのだと思います。

もちろん海外のコミコンといえばファンのコスプレも

こちらのギャラリーからは、今の北米のアニメ・漫画ファンの動向がうかがえます。

米津玄師、タイムズスクエア巨大広告やMVでニューヨークをジャック

そしてこのAnimeNYCにあわせて、NYCのタイムズスクエアに米津玄師を起用したSpotify巨大街頭広告が掲載されました。アニメ「チェンソーマン」のOP、「KICK BACK」にフォーカスした広告です。日本の音楽を世界市場にどう打ち出すかを考えるときに、こうしたアニメと一緒に打ち出すというのは戦略として有効そうです。

米学校図書館員が選ぶ「2022年の漫画TOP10」

北米で漫画が手に入るのは書店だけではありません。文字が多く、様々なテーマを描く日本の漫画は米国の図書館員らも注目しています。こちらの記事は学校図書館員向けのジャーナルによる「2022年の漫画TOP10」を選んだ記事です。「逃げ上手の若君」「アオのハコ」「僕らの色彩」「私は壁になりたい」などが選出されています。それぞれの作品について、どこを評価したかも指摘されており、日本の漫画が受けいれられている理由の一端が見えます。


ハムレット超えの劇場新記録…舞台版「となりのトトロ」がイギリスで大ブレイクしているワケ

北米ではないのですが、日本のアニメ・漫画の英語圏での受容として注目されているのが「となりのトトロ」の英国での舞台化です。こちらの記事は10月に初演を迎えた舞台が大ヒットしていることを伝えています。チケットはすでに完売で現地メディアからも好意的な評価とのこと。(というか、英国でヒットとなれば北米も来るのではないでしょうか?)

世界のマーケターが日本のアニメに注目する理由

日本のアニメがグローバルなプラットフォームでヒットしていることを受けて、マーケターがアニメに注目しているという記事です。確かにこの流れは来ているなと思ったのが、文中でも紹介されている「BLEACH」とコカ・コーラのコラボで、日本では当たり前なのですがこちらのコラボ製品は北米でも売られています。(もちろんめちゃくちゃ高い)

また、「ONEPIECE」の最新映画「ONEPIECE FILM RED]の北米公開時は、現地のチェーン店とのコラボも行われました。もちろんハイブランドとアニメとのコラボはこれまでも行われてきましたが、日本で行われているような「普通の商品とアニメのコラボ」が海外市場でも広がっていくと面白いなと思います。


ディズニー、講談社と アニメ作品の配信を含む戦略的協業の拡大を発表

https://twitter.com/DisneyPlusJP/status/1597776213946552322

ディズニーと講談社のアニメの配信を含む戦略的提携の発表です。ツイッターのコメントをみると賛否両論のようですが、ディズニーとしては配信プラットフォーム間の競争を勝ち抜くため、講談社としては海外進出を強化するためというところでしょうか?「アニメの配信」では、「鬼滅の刃」がとった「全方位戦略」がひとつの勝ちパターンになっていますが、プラットフォームとしては独占したいのでしょう。IP保有者側の戦略がこれから分かれてきそうです。


サンクスギビング・デーのパレードに孫悟空が登場



11月、NYCで行われたサンクスギビング・デーのパレード。いろいろなコンテンツに混ざって、「ドラゴンボール」から孫悟空のバルーンが登場しました。


追加

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

韓国のBL Webtoonのドラマ化が気になります。完全にBLがコンテンツのジャンルとして定着してきているのがうれしいです。

今週はここまでー。引き続きよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?