【北米エンタメニュースまとめ】映画「ONE PIECE FILM RED」が北米で上映へ、世界に広がる韓国ウェブトゥーンが取る多様な戦略、「Crunchyroll Expo」オーストラリアで開催

北米エンタメ市場のニュースなどのまとめです。皆様の視点を広げる助けになれば。感想も歓迎です。

目次

映画「ONE PIECE FILM RED」、11月に北米やオーストラリアで公開へ

https://www.animenewsnetwork.com/news/2022-09-12/crunchyroll-screens-one-piece-film-red-in-u.s-canada-australia-n.z-in-november/.189588

日本で大ヒットとなった映画「ONE PIECE FILM RED」。当然海外進出も視野にいれており、11月には北米やオーストリアで公開となるそうです。

東映アニメーションは米国での宣伝にも力を入れており、スポーツのイベントのCMタイムにルフィが登場しました!(普段あまり聞けないふき替えなので是非聞いてみてください)

あと、Adoさんの歌はふき替えになるのでしょうか?それともそのまま?(字幕をつけるにしても歌の翻訳はすごく難しそう)ふき替え版を観たいです。

ネットフリックス、広告付きプランを11月にも導入へ

配信サービス大手のネットフリックスが11月にも米国などで広告付きプランを始める見通しです。ネットフリックスは最近日本のマンガ原作のアニメの配信も力を入れています。これまでは有料会員登録のみで、ネットフリックス独占で配信されるとなかなか口コミなどで広がりにくかったのですが、広告付きプランの登場で会員費が抑えられれば、よりお多くの人に作品が届くことになりそうです。


世界に広がる韓国ウェブトゥーンが取る、多様な戦略

ここ数年、世界を席巻している韓国発のウェブトゥーン。韓国で韓国語で始まったこのメディア形態による各国進出の戦略をまとめた記事です。
この戦略には大きくわけて2種類。ひとつはKakao Entertainmentの取るローカライズ。「梨泰院クラス」を日本で「六本木クラス」とするなど、各国で徹底的に受け入れられるようにローカル化していくというものです。

もうひとつは、Naverがとるローカルで新しいクリエイターを発掘し、翻訳して発信していくという戦略です。それぞれの現地の読者が受け入れる新しいコンテンツを提供していくことがウェブトゥーン市場の拡大につながると考えているそうです。

日本の漫画・アニメ市場のグローバル化は長く続いていますが、どうしても「日本で出たものを現地語に翻訳して提供していく」という方法が中心です。もちろんこうした戦略は日本文化の発信につながるというメリットもありますが、急速に広がったウェブトゥーンの戦略に学ぶところもありそうです。

「Crunchyroll Expo」オーストラリアで開催


https://twitter.com/crx_aus/status/1571405578160996352


以前こちらの記事でCrunchyrollの戦略をまとめたとき「米国以外でイベントである『Crunchyroll Expo』を将来やるのではないか」と指摘しました。少し先のことかと思っていましたが実は18日までの週末にオーストラリアで開催されていました。
オーストラリアはもちろん英語圏でCrunchyrollのサービスの提供国です。コスプレ大会もあり盛り上がったようですね。

8月の米国の大人向けグラフィック・ノベルの販売状況

恒例の8月の米国の大人向けグラフィック・ノベルの販売状況です。DCコミックスの「THE SANDMAN」が入っていますが、それ以外はほとんどが日本の漫画の翻訳版。「米国で日本の漫画の翻訳版が売れている」のは事実のようです。


「Bleach」新作アニメの海外配信はどこで?

10月が近づき、新作アニメの放送・配信が近づいています。ファンの期待の高い作品のひとつが「Bleach 千年決戦編」。国内ではすでに先行上映が行われ、10月から放送・配信が決まっています。
Bleachは古典作品の中でも海外、特に北米人気の高い作品のひとつ。ということで英語圏では「いったいどこが同時配信をするのか」と話題になっているのですが9月下旬になってもまだ決まっていないとのこと。北米の出版社、VizMediaはトレイラーなどを流しているので同時配信がないということはないと思うのですが。

なお少し前には、Disney+が独占配信するのではないかとの噂も流れました。
もし、万が一にも同時配信がない(パッケージ販売のみもしくは遅れての配信)となればファンの嘆きは大きくなりそうです。

テクノロジー


LGエレクトロニックス、NFTプラットフォームを立ち上げへ

もういくつ目になるかもわかりません。LGエレクトロニクスがNFTプラットフォームを立ち上げました。NFTのトレーディングのプラットフォームというとOpenSeaの知名度が高く取引量も多いですが、セキュリティ面で問題があるという指摘も。ということで、次の覇権を狙って新規参入が相次いでいるとのだとみられます。
まだ米国のみのサービスで、LGのスマートTV上ということですが、今後の広がりが期待できます。


MoMA が所有のアートコレクション 約100億円相当を NFT 購入資金として売却か

https://hypebeast.com/jp/2022/9/70-million-usd-moma-art-collection-expected-to-be-sold-in-order-to-fund-nft-purchases-picass-bacon-rousseau-renoir-sothebys

NFTが一段と「アート」としての側面を強めそうです。米国の現代アートのミュージアムのひとつ、MoMAが現行のコレクションを一部売却し、NFTを購入するとの動きが伝わっています。


エピックゲームズ、NFTゲームの販売を開始


18日まで開かれていた東京ゲームショウでもNFT関連のゲームが出展されていましたが、ゲームにNFTを取り入れる動きはグローバルで広がっています。こちらは米大手ゲーム会社のエピックゲームズがNFTゲームの提供を始めたという記事です。

フィジカル+デジタルの「フィジタル」という考え方

テクノロジーの進化とともに、物理的な体験とデジタル上の体験は徐々に融合されつつあります。その中で注目されている単語が「フィジタル」。フィジカルとデジタルを組み合わせた造語で、物理的なモノや体験をデジタルのものと組み合わせることです。ブランド企業にとっては、店舗などでの実体験とオンライン上の体験をシームレスにつないだ体験を可能にすることを意味します。もともと単語としては2007年頃に登場したようですが、20年に新型コロナウイルスの感染拡大で実体験が難しくなり多くの人の活動がオンラインに移ったことから改めて注目されているようです。その目的は、ブランド企業が実体験とオンライン上の体験をシームレスな方法でつなぎ、ブランドを支持するコミュニティとより意味のある関係を築くことを可能にするものです。もちろん消費者にある程度のテクノロジーの理解を求めるなど難点もありますが、NFTなどトークンという新しいデジタルへのアクセスをブランド企業が手にしたことで一段と「フィジタル」が進む可能性が出てきています。


追記

この企画を始めるきっかけになった菊池健さんのマンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです


なんといっても「マンガ家育成住居「多摩トキワソウ団地」の総居室数を50室以上に拡大」が興味深いものでした。トキワ荘プロジェクトは出版社以外の団体が手がける漫画家育成プロジェクトとしては老舗の1つだと思っています。住居というインフラの提供で漫画家の輩出を支援してきましたが、そこが具体的なコンテンツの制作に踏み込むというのは一歩進んだ感じがします。と同時に、漫画家育成の観点からもウェブトゥーンというのはチャンスだと思われているのだなとも実感しました。

今週はここまで。引き続きよろしくお願いします。

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