俳句同人「リブラ」(俳句同人誌『天秤』刊行)

同人がそれぞれ自由に俳句についての書き物を投稿していきます。毎週金曜日。 木内縉太 …

俳句同人「リブラ」(俳句同人誌『天秤』刊行)

同人がそれぞれ自由に俳句についての書き物を投稿していきます。毎週金曜日。 木内縉太 塚本櫻𩵋 山本たくみ 内野義悠 髙田祥聖

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天秤創刊号 電子版

俳句同人誌 天秤 創刊号 Libra vol.1

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    • どのくらい作り(れ)ますか考。その2。【金曜日記事】

                       内野義悠   前回のこのコーナーでは、最近よく考えることの一つである『作句量』をテーマに書いてきました。  その中で近頃の自分の寡作化やその要因についても考察してみたところ、「(意識的無意識的に)自句に厳しくなった」ということが言えそうだ、というところまでが前回のお話でした。 今回はそのつづきです。 さて、少しずつ俳句のルールのようなものを知り、先人や句友の優れた作品にたくさん触れていくうちに、ぼくは初学の頃ほど簡単には自句を愛せなく

      • 【金曜日記事】忘れました。

        わすれました! やっと仕事おわった・・・で爆睡。祥聖さんの「記事大丈夫?」というメッセージで起きました。 どんだけ忙しくても担当の記事は落としちゃダメですよね。 次からは気を付けます。 12連勤6日目の朝、職員室より愛をこめて。

        • 山本たくみの皆もすなるエッセイを(3)【金曜日記事】

          前回までのあらすじ 俳句の沼にハマってしまった山本であった。 前回記事はこちら⇩ 今回はわたしが俳句結社に入った経緯を書こうと思います。夏井いつきを組長とする俳句集団いつき組はいわゆる「俳句結社」ではなく、「広場」に例えられるコミュニティのようなものです。「俳句って楽しい!」と思えば勝手に名乗ってよいもので、わたしはそこで俳句を続けているわけですが、新たに2023年3月、西村麒麟主宰の「麒麟俳句会」に入会することとなります。いまTwitter(現X)を見ている限りでも、いつ

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        • 金曜日記事まとめ
          7本
        • 同人の自己紹介&自選十句
          5本

        記事

          髙田祥聖の、かたむ句!③【号外記事】

          句敵の句が口に出て春一番 「こいつは私の孫。君の幼なじみであり、ライバルである。……えーと? 名前はなんて言ったかな?  そうだそうだ!思い出したぞ!グリーンという名前だ」 日本を代表するゲームソフトと言っても過言ではないゲーム「ポケットモンスター」。これは、その初代博士であるオーキド博士の台詞である。発売当時、まだ十代であったわたしはこの台詞に怒りとも悲しみとも言えない複雑な感情を覚えた。 「レッド(初代ポケモンの主人公の名前)とグリーンは仲良しかもしれないのに、どうし

          髙田祥聖の、かたむ句!③【号外記事】

          ゾンビ(十句) 木内縉太

          深更、ぼんやりとゾンビ映画を見てをれば 春の沼あぶく押しわけ出るあぶく 剪毛期丘の向かうゆトラック来 振り向けばかげろふに彳つゾンビかな 春昼やゾンビの涎垂れ靡き 悉ク活動屍鈍足朧月 どこまでも霞を転げ走りなり ショッピングモールが舞台なること多し 服・雑誌・風船・犬猫・飴・活動屍 蝶の昼ゾンビとなりて汝を忘る 汝もゾンビ我もゾンビや野に遊ぶ 春の夜のゾンビ映画の馬鹿々々し

          髙田祥聖の、かたむ句!②【金曜日記事】

          月見草の明るさの明方は深し 第一回リブラ句会後の飲み会で「俳句とはなにか」という話が出た。記念すべき第一回は参加者が全員三十代以下の男子だったということもあり、「俳句とは……、俳句です」なんて言ったりして、酔っ払いさもありなんという様相であった。笑いもありつつ、それでも 、みんな一様に真摯で、すごく、楽しかった。 俳句とはなにか。その質問に対して「誰かが、わたしが、明日すこしでも生きやすくなる、生きやすくなる、ようにするちからがあるもの」とわたしは答えた。「誰かが」と言った

          髙田祥聖の、かたむ句!②【金曜日記事】

          どのくらい作り(れ)ますか考。その1。【金曜日記事】 

           内野義悠  前回はこの場を借りて、日頃考えていた俳句のテーマのひとつである「飛ぶか、飛ばぬか」について語らせてもらいました。 おかげさまでぼわっとしていた考えが何となくまとまるきっかけとなったところもあったので、ぼくの回のこのコーナーは、この先も「いつも何気なく考えていること」を書いていく場にしたいと思います。 作句論というほどたいそうなものではないし、それを書けるほどの俳句や論文の技量もありませんが、同じような考えや悩みを持っている句友さんが一人でも共感してくれたら

          どのくらい作り(れ)ますか考。その1。【金曜日記事】 

          魚眼レンズ② JimHall 【金曜日記事】

          最近読んだ本がないので俳句をつくりながらジャズの話をします。 幼少期に母親に聞かされたディズニーのジャズアレンジのCDがきっかけで、ジャズを聞くと心躍るように育ちました。小学生からはじめた楽器はかっこいいロックバンドの影響でしたが、高校を卒業するころにはソウルやファンク特有の同じフレーズがエンドレスする快感に酔って、そこからスティービー・ワンダー、グローヴァー・ワシントン・ジュニア、ボビー・コールドウェル、ジョージ・ベンソンと聞き漁りました。……このように並べて書いてみると入

          【第一回】俳句+one きつネつき

          今回から始まる新たな企画「俳句+one」では、俳人として活躍する傍ら他ジャンルでも精力的に活動している方とインタビュー形式の鼎談をして、その様子を記事にして連載していきます! 桜魚(以下・魚):記念すべき初回は俳句系Vtuberとして活動されている「きつネつき」さんに来ていただきました。今回は急なお願いにもかかわらずご快諾いただきありがとうございます! ※ Vtuber ブイチューバーとは? Virtual YouTuber (バーチャルユーチューバー)の略称で、コンピュ

          山本たくみの皆もすなるエッセイを(2)【金曜日記事】

          花粉症のところご覧いただきましてありがとうございます。山本たくみです。 前回の記事はこちら↓ 前回は私が俳句を始めた話でした。投稿俳人として誰とも関わることなく結果の【並】とか【人】とかを見ては一喜一憂するだけの孤独な俳句ライフが1年半以上続きました。そんな私が俳句沼にハマっていく過程を今回はお送りします。 沼① Twitter(現X)開設ある日ふと思いつきました。Twitterの俳句アカウント作ったら面白いのではないかと。で、2020年10月、作りました。そして驚きまし

          山本たくみの皆もすなるエッセイを(2)【金曜日記事】

          脳内闘魚(十句) 木内縉太 【金曜日記事】

          塚本櫻𩵋が闘魚を飼ひはじめしと聞けば、我も脳内に想像の闘魚を飼ひはじむ 我が脳の溝深き場所闘魚棲む 我が闘魚に名前はあらず君と称ぶ ひるがへる闘魚にノイズ混じりたる 言の葉が餌となり降れる闘魚かな 水槽は棺闘魚を遊ばしむ 夜気の窓閉めて闘魚を恃みとす 夜通しの麻雀果てし闘魚かな 傷つけ合はん汝も吾も闘魚ならば 口淫のかなしき夜の闘魚かな 考へてゐて眼前の闘魚消ゆ

          脳内闘魚(十句) 木内縉太 【金曜日記事】

          髙田祥聖の、かたむ句!①【金曜日記事】

          君の清貧に菊咲けば菊の花たべてゐるか 俳句同人リブラによるラジオ「リブラジ」の第一回を終えて、この原稿を書いている。録音があるので、それを聞きながら書いているのだが、自分たちのおしゃべりに、拙さゆえの気恥ずかしさと「わたしたちにはなにかできるんじゃないか」という熱量を感じている。 わたしたちは俳句という大樹のもとに集まり、その花を見、葉擦れを聞き、実を食べ、幹に凭れて眠る。四六時中俳句のことだけを考えていたいのだが、俳句だけでは食べていけない。その現実にときに打ちのめされな

          髙田祥聖の、かたむ句!①【金曜日記事】

          湖面1

          塚本櫻𩵋 自由律100句 七月二日の火球は隕石だつた 星空を意識しない眼のあるあいだ トンネルに時報重なりやがて 縁石から落ちたら高尚の子 燃やすまでも茸に元気の子 土偶をみることに時間 あのあたりというときのあのはけつらくす 切らせても脱法のサンポール 全員が麻薬をきらせている 品出しによりかかっているバイト 二十三時間営業一日最大四六四九円 短いペットボトルを選べよ 広義として何か言いたげだ 玄関はいつも筑波に面するのか 太くつかむ大根 友に選書はなるべく小さき本を 病

          飛ぶか、飛ばぬか考。【金曜日記事】

                            内野義悠  日頃から俳句を作るときに、いつもぼんやりと考えていることがあります。 「どうして同じ俳句という定型詩のジャンルなのに、これほどまでに詠まれ方の幅、受け取られ方の幅が広い(或いは狭い)のだろう?」ということです。  今回リブラという俳句同人誌に誘ってもらって、その思いをより深くしました。これは超結社での同人誌に於いてはかなりの強みかと思うのですが、リブラのメンバー五人は、見事にその句風や目指す俳句のかたちが異なっていたからで

          飛ぶか、飛ばぬか考。【金曜日記事】

          魚眼レンズ① 雑談&木下夕爾【金曜日記事】

          リブラで書く場所ができたことがうれしいという話 すこし正直な話をしたい。 我々は全員が別の結社に所属し、関係のある俳人も別々だ。そのような五人が集まって同じ場所に週替わりで「何か書く」ことにしたのはもちろん狙いがある。 お互いのフォロワーを共有するということはそれだけ目に留まる機会が増え、あまり関わりのない同人にも親近感をおぼえていただける、この場所はそういう意味で大きなチャンスなのだ。そしてこれをお読みになっている、例えばたくみ君のお友達や義悠さんのお友達、僕にかかわりが

          魚眼レンズ① 雑談&木下夕爾【金曜日記事】