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心理的安全性って本当に大切なの?

ここ数年「良い(生産性の高い・イノベーティブな)チームを作るには心理的安全性が大切」と色んな所で言及されるようになりました。

Liboraのチームでも心理的安全性を大切な要因と捉え、各人がリスクを恐れずに行動を取れるように気をつけています。
しかし、今回はこの 心理的安全性 がチームにとって本当に大切な要素なのかについて、あえて疑問を呈してみたいと思います。


心理的安全性が浸透した背景

心理的安全性自体は、ハーバード大学のエイミー・エドモンソンが1999年のジャーナルに寄稿した
「Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams」
と言うペーパーで登場します。
つまり、20年以上前から提唱されていた言葉です。

なぜ、心理的安全性がここまで日本で浸透したかと言うと、
Googleが2015年に出したre:Work内の調査で心理的安全性に言及したからだと思います。

これは、下記で定義されるGoogleにおける効果的なチームを可能としている要因を調査したものになります。

『効果的なチームを定義する4つの観点』
1. マネージャーによるチームの評価
2. チームリーダーによるチームの評価
3. チームメンバーによるチームの評価
4. 四半期ごとの売上ノルマに対する成績
※ 引用:Google re:Work

この調査の中で 心理的安全性 は効果的なチームを作るのに最も重要な要素として位置付けられた事で、
現在の「心理的安全性が重要」と言う流れができていると思います。


ではなぜ反旗を翻すのか

あのGoogleの研究で心理的安全性が一番重要と言われている。
であれば、わざわざ疑問を呈する記事を書く必要がないのでは?と思うかもしれません。

ですが、私は「心理的安全性が大事」だと言う事に対して疑問を持つ事なく受け入れてしまう事は危険ではないかと考えています。
なぜならre:Work内でも以下のように記述されているからです。

上記の変数が、Google のチームの効果性に大きな影響を与えていなかったことは事実ですが、どの組織でも同じであるとは限りません。
※ 引用:Google re:Work

つまり、GoogleもGoogle内では重要であると出ているが、一般的にも重要であるとは限らない。と言っているのです。

Googleの社員の方が、何かしらの指標で測った時に平均的に優秀な人材で構成されているであろう事は疑いようがないと思います。
つまり、Googleで重要視された要素が自社のチームでも重要と安易に捉えるのは意味がない可能性があるのです。


働く場所とチーム人数

もう一点、re:Work内で改めて注目しておきたい箇所があります。
それは 効果的なチームにそれほど影響していない変数 に関する記述です。

この中に、コロナの影響もあり再度注目されている「働き場所」と「チームの人数」に関する記述があります。
この2変数に関しては、Googleのチームにおいて重要な変数として扱われていません。
(他にも6変数列挙されています)

しかし、例えば働き場所に関しては、賛否両論あるものの、
「自由に働けるリモートワークの方が効率的に働ける。パフォーマンスが出せる。」
と言う主張を度々耳にします。

また、チーム人数に関しては、re:Work内でもとりわけ議論されていますが、
多くの文献で少人数でチームを組む事の効果が示されており、近年提唱されている意見とは異なっています。


良いチームのあり方は自分たちで見つけるもの

このように、
「xxxで生産性の高いチームになった」「oooでイノベーティブなチームを産み出すことができる」
という話は多数あり、GoogleやAmazon等の世界的な企業が発信するとどうしても自社でも取り入れたくなるものです。

もちろん「巨人の肩の上に立つ」という言葉に表されるように、
自分たちではできない規模の調査や研究からヒントを得て、改善していく事は重要な事です。

一方で個人が一人一人違うように、その集合体であるチームもチーム毎に違う性質を持つため、
自分たちにあった方法を改めて考え、その上で効果的なチームを目指すのが大切なのではないでしょうか。

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Liboraでは、個人がチームの事を考え、行動できるためのサービスの開発に取り組んでいます。
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