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第6回。アンバー&ブルー。「トップガン・マーヴェリック」を色から語る。

前作の「トップガン」が大好きな私。
好きだからこそ、続編が制作されると聞いた時は喜びよりも残念な気持ちの方が勝っていました。

だって、あの、若くて命知らずでセクシーなピートのイメージが強いトム・クルーズが、若きトップガンたちの教官だなんて。
しかも、かつての凄腕教官VS個性派ぞろいの生徒が対立しながらも最後は1つの目標を達成するっていうストーリーっぽいけど
そんなの、日本のドラマでも何回も繰り広げられるド定番だし
何もあの名作をそんなありきたりな内容で続けなくても・・・。

とか
具体的なことは何も知らないクセに
続編に対して感じるのはどうもネガティブな印象ばかり。
でしたが・・・

今月初め、フォローしているジェーンさんの記事を読んで
突然「これは観に行かなければ後悔するのかも。」と、心が180度方向転換し
翌日には劇場チケット買って大スクリーンで鑑賞していました。

ちなみにジェーンさんの「トップガン・マーヴェリック」の感想記事はコチラ↓

で、鑑賞した感想ですが・・・

良かった(ToT)
この映画を見逃さなくて本当に良かった(ToT)!!

ジェーンさん、劇場鑑賞を勧めて下さって有難う!!
そして鑑賞する前の私
何も知らないくせにイメージだけで随分エラそうなこと言ってたこと
ちょっと反省しなさい!

さて、ここからが映画の感想文となるのですが
まだまだ絶賛上映中だし
それに、ストーリーや映像についてはもう既に沢山の素晴らしいレビューが上がっているので
私は今回鑑賞してみて改めて気付いた
「トップガン」シリーズにおける色彩の巧妙を中心に
ネタバレ最低限でお話してみようかと思います。
でも、多少内容に触れますので
まっさらな気持ちで映画を楽しみたい方は
どうぞここまでにして映画館へGOして下さいね。

色の役割。補色とは。

色には同系色、反対色など、その色味や明るさに応じた関係性があります。
そして、お互いの色味を引き立たせる関係性を補色といい
その辺は私は解説するにはまだ未熟者なので
以下のサイトなどを参考にして頂ければと思います。

この色のサークルの
反対側にある色との関係性を「補色」と言います。
そしてこのサークルを見ると
ブルー系の反対側にイエローやオレンジ系の色があるのが分かりますよね。

この補色の関係
私、トップガンでとても効果的に使われていると思うのです。
この色彩感が前作から変わっていなかったこと
そこにすごく感激しました。

トップガンに見るアンバーの世界

アンバーとは琥珀色のこと。

初代トップガンの好きなところを挙げろ、と言われたら。
1つだけ、にはとても絞れないけれど
でも、確実に「オープニングのカッコよさ」は候補に入れると思います。

のっけからのスリリングな航空アクション
それも魅力なのですが
私の心に残っているのは朝焼けに染まる空母
そして戦闘機を送り出し迎え入れる男たちのシルエット。

実はストーリー自体は大雑把にしか覚えていませんでしたが
このオープニングの独特の色彩を
私はずっと忘れられずにいて
この記憶こそが「トップガン、大好き!」に繋がっていると思っています。

この色彩に
「デンジャー・ゾーン」のBGMがハマってるんですよね。
新作マーベリックが
前作のこの素晴らしさをちゃんと組み込んでくれていることに
上演開始直後、私は感激して涙ぐんでいました。

アンバー。
黄色とオレンジが混ざり合った色。

この色味はオープニングだけでなく
様々なシーンで出てきます。
黄色っぽいアンバー、オレンジっぽいアンバーとグラデーションはありますが。
賭けに負けて腕立て伏せするシーンとか
ビーチで束の間のレクリエーションタイムとか
新たにアンバーの記憶として残りそうですよね。

トップガンに見るブルーの世界

空が舞台のストーリーなので
そりゃもちろん、青(=空の色)も度々スクリーンを染めます。

大空の抜けるような青
同じ空でも大気圏では濃紺
大海原のコバルトブルー
雪に覆われた山脈の藍色

青にも色々あるものだと
映画を観ながら思っていました。

ちなみに今回のマーヴェリック
個人的に青のシーンの中で好きなのはクライマックスの山岳地帯でのバトル。
ハラハラドキドキで胸がギューッと痛くなりつつも
雪の白と空の青のコントラストの美しさに目を奪われました。
また、ペニーと束の間のクルージングを楽しんだ
平和な日差しに煌めく海の青さも何だか印象に残っています。

アンバー&ブルー。美しき補色効果。

先述した通り
ブルー系とイエロー系は反対色であり
お互いの色味を引き立たせる補色の関係にあります。
そしてトップガンでは前作も、そして今回のマーヴェリックも
多くのシーンをアンバートーン、ブルートーンで描くことで
お互いのシーンをより強く印象づけることに成功しているのではないかと思います。
例えば

離陸・着陸のアンバー
戦闘シーンのブルー

訓練シーンのブルー
訓練以外の訓練生たちのシーンのアンバー

などなど。

あくまでも私的には、ですが
これが正反対の色味で映し出されていなかったら
トップガンシリーズ
これ程胸には残らなかったかもしれません。

お互いの色彩がお互いのシーンを引き立てる。
「色」はこの映画の大きな見どころ。
これからトップガンを観られる方は
是非この色彩の対比もお楽しみ頂きたいです。

最後に。

トップガンの色についてレビューして来ましたが
ホントはストーリーやキャスト、映像についても語りたいこといっぱいで。
でも冒頭にお伝えした通り、それらについては多くの素晴らしいレビューがありますしネタバレにも繋がるので
最後に簡潔に、箇条書きで呟いてこの記事終わろうと思います。

・続編が前作の完成度を上回る、数少ない作品の1つ。
・前作へのオマージュ感もありつつ、ちゃんと進化してる。
・トム・クルーズってこんなにカッコよかったっけ?
・ルースターが父親そっくりに育ってて泣けた。
・前作からいましたよ、的に登場したペニーに戸惑った。
・アイスマン・・・(泣)

あぁ、止まらない。
また観たくなってきた。

トップガンファンの皆さま
ホントぜひ!これは絶対、多少無理してでも劇場で観るべき作品です!


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