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高校国語のやりなおし「羅生門」③

前回は、レトリックについてでした。
今回も新しいレトリックの紹介です。

雨は、羅生門をつつんで、遠くから、ざあっと云う音をあつめて来る。夕闇は次第に空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜につき出した甍(いらか)の先に、重たくうす暗い雲を支えている。

この文章に使われているレトリックは何でしょうか?二つあります。
これも知っておくと、ものすご~く国語の読解力が上がります。
正解は、スクロールしてくださいネ






一つは「擬人法」。「雨は~集めてくる」「屋根が~雲を支えている」
です。擬人法は比喩の一種で、「人を擬(まね)する」ことを指します。
模擬試験は、試験のまね。擬人は、人のまね。
命のないものが、命のある人間のように行動しているかのように表すこと。

二つ目は「心象風景」。超重要概念です。
簡単に言うと、「心」と「風景」がリンクすること。
「心象」とは「心の象(かたち)」。
雨は一般に、暗い、悲しい、不安な心情を象徴します。
「下人」の暗い心情が、風景と関連しているのです。

そこでわたくしは授業中にある実験を行いました。
「夏休みに、宿題をすべて終わらせました、あなたはどこへおでかけ?」
「夏休みに、宿題が一つも終わってません、あなたはどこへおでかけ?」
という二種類のお題を与えて作文させると、やはり想定通りの結果がでやすかったです。

映画やドラマでもよくつかわれる技法ですから覚えておいて損はないです。

失恋した帰り道は、雨が降ってないといけないんです。
魔王を倒したあとは、空が晴れていないといけないんです。

逆用すれば、天気から心情を類推するという高等テクニックも習得できますね。

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