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高校国語のやりなおし「羅生門」②

前回は冒頭の一文について分析しました。

今回は「修辞技法」(レトリック)について紹介します。
そもそもレトリックとは「リベラルアーツ(自由七科)」の一つ、
「修辞学」に該当する重要な学問です。
学校の先生が様々な表現技法を教えてくださるのはそういうわけだからです。
言葉を工夫し、表現方法を獲得することは、あなたが世界に対峙して交渉するための、自由を手に入れる技術なのです。

それでは本題に入ります。

広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗りのはげた、大きな円柱に、きりぎりすが一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。

この文章からレトリックを見つけることができるでしょうか。
正解はスクロールしてください。
国語の先生とか学生さんならすぐわかることでしょう。





正解は「市女笠」と「揉烏帽子」です。
これは比喩の一種です。
比喩で最も有名なのは直喩、暗喩です。
これは人の特徴を取り上げて、その人そのものを指す、という
「提喩(ていゆ・シネクドキ)」です。

市女笠をかぶっている女性を指して、「市女笠」というわけですね。
今の文学でもお笑いでもよく使われています。
「そこの赤シャツ」とか、「おい青スーツ」とか。

というわけで、わかっていただけましたか?
「そこのスマホさん。」

「メガネ」にしようか思いましたが、必ずしもかけてらっしゃるとは限らないので、やめておきました。また、人を揶揄する意図はございませんのでご了承ください。

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