司書の娘

読んだ本の感想などを綴っていきたいです。 ぼちぼち、ゆっくりと。

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最近の記事

【読書感想文】春日武彦『屋根裏に誰かいるんですよ。』(河出文庫)

精神科医の著者が何らかの精神疾患のある方々が共通して抱く妄想に着目し、書かれた本です。 「幻の同居人」はなぜ屋根裏に住んでいるのか。どうして床下ではないのか。 日本家屋の特徴やそこから見える景色、妄想の傾向、過去の書物などからその理由を紐解いていきます。 屋根裏は、薄暗くて、埃っぽくって、あまり入る機会がないけれど、入る時には少しドキドキする人が多いのではないでしょうか。子どもの頃に読んだお話の中では、屋根裏には隠し扉や階段があって、何だか秘密基地のようなイメージがあった

    • 【読書感想文】小川糸『ライオンのおやつ』(ポプラ文庫)

      本屋さんで見かけて、タイトルが気になって購入した本です。 予備知識なく読んでしまい、号泣して大変でした。家でよかった……。 【ものがたり】 男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、ある日医師から余命を告げられる。最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつ

      • 【読書感想文】郡司芽久『キリンのひづめ、ヒトの指』

        キリンが大好きでキリン博士になった郡司さん。キリンへの愛は前作で存分に語っていらっしゃいましたが、今回はヒトを含む全ての動物への愛が溢れています。ダダ漏れです。 こういうガチの専門家が真面目に、あたたかさとちょっとのユーモアを交えて書いた本が割と好きです。「へ〜 そういうことだったのかぁ」とか「なるほどねぇ」なんてことから「ん? なにそれ?」「どういうこと??」ということまで色々あるけど、自分の知らないことを知れるのが楽しく、ワクワクします。 今回の『キリンのひづめ、ヒト

        • 【読書感想文】きなこ『毎日が嵐のような、でも、そうにかなる日々』

          Twitterやnoteでたくさんのフォロワーさんがいらっしゃるきなこさんのご著書です。 私もきなこさんの記事を楽しみにしているフォロワーの一人です。 それが、本になる!ということで早速購入して拝読しました。 本になるにあたって、かなりの手を加えたとのこと。 いつものきなこさんの文章よりは、かしこまった印象を受けましたが、暖かさやお子さんや周囲を想う気持ちはそのままでした。 心疾患を抱えた次女ちゃん、発達障害のある長男くん、おっとりとしているけど実は芯の強い長女さん。きな

        【読書感想文】春日武彦『屋根裏に誰かいるんですよ。』(河出文庫)

          【読書感想文】宇田智子『増補 本屋になりたい この島の本を売る』(ちくま文庫)

          大型書店員から沖縄の古本屋さんになった方が本屋さんの日常を綴った本です。 ちくまプリマー新書として7年前に出版されたものに、加筆・修正をして増補版として出版されたものを、本屋さんで見つけて読みました。 最近、本屋さんや出版社の方が書かれた本が気になるようで、よく手に取ります。 いろんな本が読みたいから、本屋さんのSNSなどをよく見るようになったので、知る機会が多いこともあるけど、本に関わることがしたい気持ちもあるのかなぁと。 作者の宇田さんは、大型書店で働きながらもなんだ

          【読書感想文】宇田智子『増補 本屋になりたい この島の本を売る』(ちくま文庫)

          自己紹介

          両親は図書館司書として出会い、私が生まれました。 だから「司書の娘」。 毎晩、本の読み聞かせをしてくれ、毎月「こどものとも」や「かがくのとも」が届く家で育ちました。 本に関する仕事はしてませんが、立派な活字中毒で、暇さえあれば何かを読んでいます。 せっかく読んだこと、もっと自分のものにしていくにはどうしたらいいのかなぁと考え、アウトプットもしていこうと思い立ちました。 思いつきなので、ゆっくりぼちぼちと続けていけるようにしたいです。 拙い文章ではありますが、よろしくお願い

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