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【読書感想文】宇田智子『増補 本屋になりたい この島の本を売る』(ちくま文庫)

大型書店員から沖縄の古本屋さんになった方が本屋さんの日常を綴った本です。
ちくまプリマー新書として7年前に出版されたものに、加筆・修正をして増補版として出版されたものを、本屋さんで見つけて読みました。

最近、本屋さんや出版社の方が書かれた本が気になるようで、よく手に取ります。
いろんな本が読みたいから、本屋さんのSNSなどをよく見るようになったので、知る機会が多いこともあるけど、本に関わることがしたい気持ちもあるのかなぁと。

作者の宇田さんは、大型書店で働きながらもなんだか息苦しさを感じ、ちょうど閉店する古本屋さんがあることを知って一念発起。引き継ぐ形で古本屋を始めます。縁もゆかりもない土地で個人商店を開くというのは、なかなか大変そうだし、都市部でも存続が厳しいことが多い古本屋なら尚更かと。

右も左もわからない古本屋で、周囲の人の助けを借りながら、自分なりのお店を作っていく。自由であるからこその大変さ、不安、喜び。そして、お店を維持していくことが次第に地域を作っていくことにもつながっていく過程が、淡々と描かれています。

このところ新刊書店に行くことが多かったのですが、久しぶりに古本屋さんにいきたいな。あの独特の雰囲気と少し埃っぽい空気が懐かしく思い出されました。

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