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気づいたら、子どもが私の夢を叶えてくれていた

子どもに算数を教えていたときのこと。

算数が得意だった子どもが、宿題で苦戦するようになり、
なんかつまずいているなぁ・・・と感じながら、
でも大丈夫かな?と様子を見守っていたところ、
子ども本人の努力だけではどうにもならなくなっていた。

確認すると、分数と小数、筆算のかけ算でつまずいていた。

分数は、子どもの好きなピザを切り分ける図を書いたところで
子どもは喜んで飛びついてきて説明を聞いてくれた後、
豆腐を切り分ける図を書き、理解できたことを教えてくれた。

分数を小数に変換するところでも、子どもは頭を抱えた。
子どもの書いた図をそのまま使って説明を続けた。
ひとつの豆腐を10個にわけて、そのうちの1個が1/10
小さい四角のひとつに色を塗った。
分数を小数にするためには、割り算をつかって、1÷10=0.1
だから、1/10と0.1は同じ。
0.1のかたまりが5個だと、といいながら、
追加で小さい四角4つに色を塗り、0.1×5=0.5
だから、5/10と1/2と0.5は同じ。

3桁×2桁の筆算のかけ算は、2桁目で混乱。
筆算中、消しゴムは使わない。
かけ算した答えの1の位は、動かない数だから、はっきり大きく書く、
10の位は、次のかけ算の後に足すから、薄く小さく書く。
そう教えると、子どもは、
「足し算した後の1の位は、動かない数だから、大きく書く」
と、つぶやきながら筆算ができるようになった。

間違えて不機嫌になりながら、
理解できて嬉しそうに笑いながら、
時々、足踏みをしながらも、
ひとつひとつ階段を上るように、
子どもは問題を解いていった。

楽しいな

教えながら、
子どもの理解できた時の笑顔を見ながら、
そう思った。

そして、小学校の卒業文集の将来の夢に、
先生になりたい、と書いたことを思い出した。

いろいろな事情で自分は先生になる道を選ばなかった。
そのこと自体は後悔していないし、いつの間にか忘れていた。

先生になりたかったのは、
教える楽しさを仕事にしたかったから、だったなぁ・・・
と思ったところで、気がついた。

いま、こうして子どもに勉強を教えていて、
子どもも喜んでいて、自分も楽しいと思っている。

いつのまにか子どもが自分自身も忘れていた夢を
叶えてくれていた。

勉強の他にも子どもに教えることは、たくさんあるけれど、
教えたことが、すぐに目に見える形になることはあまりない。
だから、子どもが笑顔で、
「わかったー!」
と言った後、ちゃんと次の問題を解ける姿を見て、
教えたことが伝わった実感を持てるからこそ、
特別に楽しいと感じるのかもしれない。

もうしばらく、子どもに勉強が教えられるように、
がんばってみよう。

そして、勉強以外のことも、楽しく教えられるように、
子どもも楽しく学んで身につけられるように、
がんばってみよう。

せっかく子どもが叶えてくれたこの夢が少しでも長く続くように。

<感謝の気持ち>
椿-TSUBAKI- 様、夢が叶っていたんだと気づいたときに感じた気持ち、そのままの柔らかな雰囲気の素敵なイラストありがとうございます。

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