中国・キューバの軍事関係概論

 アメリカの裏庭、キューバに中国が軍事基地や諜報拠点を設立している疑惑がニュースを騒がしています。本稿ではキューバでの中国企業による投資などの情報を纏めて、軍事協定の可能性に肉薄したいと思います。

 中国とキューバは1995年から2000年代にかけてあらゆる、貿易に関する協定を結びます。中国はキューバに対して、家電などの電化製品や船舶、半導体やバイオテクノロジーなどのハイテク製品、鋼材、紡績品、車およびそのパーツなどを輸出しています。2016年9月24日、当時の李克強首相がキューバに訪問した際に、エネルギー産業と投資協力の枠組みを協議し策定しました。2018年には一帯一路に関する合意覚書が結ばれました。
 そして、各種インフラの建設や輸出もなされます。サンディアゴ・デ・クーバに中国交建の第三航務工程局有限公司が請け負った港湾が建設。鉄道も輸出されます。

軍事協定に関して

 軍事に関しては確実な事は言えません。中国の軍需企業も下請け会社や合弁企業などを用い様々な分野の産業と協力したりしているので、トラクターなどのインフラ整備用の工事車両、救急車などに何かしらのパーツが組み込まれ輸出されている事は確実に言えそうです。中国最大の軍事企業のプレスリリースを見ると、キューバへの製品輸出に言及があります。

 2011年と2015年に中国海軍は艦艇をキューバに派遣しています。2011年は病院船。2015年はミサイル駆逐艦を伴い中国海軍はキューバに寄港します。


 中国がキューバにアメリカをにらんだ軍事基地を作ろうとしているかは確実な事は言えませんが、キューバに中国の軍事関係者が出入りし何かしらのコネクションを築いている事は確かだと言えそうです。


その他参考
中国商務部国際貿易経済協力研究院
対外投資合作国別指南 キューバ2021年

http://www.mofcom.gov.cn/dl/gbdqzn/upload/guba.pdf


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