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やる気スイッチを入れるには

今回は、「やる気は"スイッチ"ではなく"エンジン"だった…世界最先端の研究が導き出した「最初の5秒」の重要性」という記事をご紹介します。

発達にでこぼこのある子は、やる気スイッチが行方不明になることが多々あります。

宿題や部屋の片付けなど、やらなくてはいけない事は山のようにあるはずなのに、スマホで動画をずっと見ていたりゲームしていたりと、やりたい事の方を優先させているように見えたりします。

周囲から見る限り、”やりたい事を優先させているように見える”この状態、実は、本人が精神的に落ち着くための行動を取っているだけの場合があります。

というのも、やらなくてはいけない事が山のようにあることは本人も自覚はしているのです。宿題が出ている事も、片付けを指示された事も覚えてはいるのです。

でも、宿題も片付けも工程が多ければ多いほど、どこから手を付ければ良いのか分からなかったり、手順に曖昧な部分があったりすると、やりたくてもやれない状態に陥ってしまうのです。

宿題も片付けも、早くやらなければ叱られると身に染みて分かっていますが、やれない状態に一度陥ってしまうと、そこから自力で抜け出すのはもの凄く大変です。沼地にハマったようなもので、抜け出そうとすればするほど深みにハマります。

なかなか抜け出せない事に内心焦りますが、沼地にハマった状態で出来ることと言ったら、動画を見ることだったりゲームすること(つまり、受け取るだけだったりその場で作業するだけのモノ)だったりするわけです。

こうして、やらなくてはいけない事をやらずにやりたい事をやっている(ように見える)状態が出来上がるわけですが、そんな本人のやる気スイッチを入れるにはどうすれば良いのでしょう。

上記記事にあるように、最初にエイッと5秒だけ頑張って動くというのが出来れば良いのですが、それが出来るのは”普通の人”でもごく一部。

ほとんどの人がやらなきゃなと思いつつも、ギリギリまで後回しにしてしまっていますよね。

発達にでこぼこのある子にとっても”頑張って動く”というのは高いハードルなので、このハードルを本人が簡単に出来るところまで下げます。

そのためには、まず最初に本人が抱えているやらなくてはならない事をリスト化しましょう。

宿題があるのであれば、どれだけの種類・量があるのか、宿題をするのに必要な道具は何なのか、本人が簡単に出来そうな内容なのか、宿題をする環境は整っているか、などなど事細かく把握して本人がやる事を書き出していきます。

◯宿題をする環境を整える(机を片付ける、片付いている場所に移動するなど)
◯宿題を机の上に出す
◯宿題に必要な筆記用具を準備する
◯簡単な問題を1問解く×4個
◯少し難しい問題を1問解く×2個
◯丸付けをする
◯出来た宿題と筆記用具を片付ける

宿題一つでこんなにも書き出す事があるのかと思ったそこのあなた。

発達にでこぼこのある子が抱えている困りごとが少し窺い知れたのではないでしょうか。

本人が全部やるとなると「無理。出来ない」になりがちですが、こうして細かく分けていくと、本人が出来る事もあれば出来ない事もあり、出来るけど大変という事も混ざっているはずです。

リスト化する時は、本人には出来ないと明らかに分かっている事は入れず、ちょっと頑張れば出来そうな事を数個に、簡単に出来ると分かっている事を多めにして全部で10個以内にしてくださいね。

例え簡単に出来る事ばかりでも、やることリストがいっぱいあると、やる気スイッチが入らないどころか隠れて出て来なくなったりします。

リストが出来たら、その中から本人が出来そうな事を一つだけで良いのでやってもらいましょう。

“宿題を机に出す”だけなら始めやすいのではないでしょうか。

この”始めやすい超簡単な事をする”という部分が、上記記事の”頑張って5秒だけ動く”のと同じ効果をもたらします。

そのままやる気スイッチが入る場合もありますし、やる気スイッチが入らなくても簡単に出来る事を一つ一つやっていって、これも出来たね、あれも出来たねとリストを消していくのを繰り返していたら半分くらい進められていたとなる可能性もあります。

本人があまり頑張らなくても出来る事をやっていくのが大事で、ちょっと頑張れば出来る事は、やる気スイッチが入ったら自分からやるようになったりもします。

ちょっと頑張れば出来る事も回数を重ねるごとに慣れていき、頑張らなくても出来る事に変化したりと、出来る事を繰り返す事で出来る事はどんどん増えていきます。

今は出来ない事でも、出来る事を積み重ねていけば、ちょっと頑張れば出来るようになる可能性だってあります。

なので、出来ないところがあっても責めないでくださいね。出来たところだけで十分だと認めて誉めてあげてください。

出来ていないところではなく、出来ているところに注目すると、本人のやる気スイッチの入りやすさにも繋がるのではないかと思います。

コツコツと時間をかけて本人の出来る事を増やしていく中で、サポートする側もやる気スイッチが入らない時があるかもしれません。

そんな時は無理をせず、最低限で良いので出来る事だけをやって乗り切ってくださいね。頑張り過ぎないの大事です。


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