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だんだん嫌いになっていく

週一回、老々介護のお手伝いに実家に行く。
ほぼ全盲の父と扁平足で足が不自由になった母。
その母がリハビリを兼ねて、ディサービスに行く日に私が父の面倒を見る。

父は起きている時、介護ベットの手すりを掴んで起き上がっては寝転ぶ。
その度に起こしてくれ、起こしてくれと呼ぶ。
最初は言うことを聞いて起こしてあげるのだけど、父親の身体は重たく、エアコンの温度設定が高い部屋ではすぐ汗が噴き出る。
1時間に何回も寝て起きてを繰り返すので、ついに「ジッと寝転んでラジオ聴いていれば!」と声を荒げてしまう。
おまけに起き上がるたびに、ラジオのイヤホンが外れて、落ちた落ちたと騒ぐ父。

10時に一緒にコーヒーを飲む。
一口飲んだかと思えば寝転んで、起き上がったかと思えば寝転ぶ。
そして時々、寝転んだまま飲もうとしてベッドの上にぶちまける。

最近は10時に寝てたら、起こさずに私一人で飲むようになった。

当然、お昼ご飯もそう。
お茶腕からかき込んでいるかと思えば置いて寝転んで、また起き上がって茶碗を手にする。
そして寝転んだまま食べようとする。
汁物もお構いなしに。

訪看の日に看護師に聞いてみた。
「高齢者は座る筋力もなくなりますしね。でもすぐ起き上がる筋力あってすごいですね」
と笑ったままアドバイスにもならなかった。

実父なのに、だんだん嫌になっていく。
冷たい私が今日も実家に通う。


#今日の振り返り

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たにがわ きなこ
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