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青春物語

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携帯のない時代の青春物語です。 初めて本気で人を好きになった片想いのお話です。 1話〜57話ですが毎日少しずつUPしてたので案外短いです。
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#思い出の曲

大人の女って感じしない?/青春物語26

「じゃあさ、永尾さんの好きなタイプってどんな子?」 隣にいた天野ちゃんがおもむろに聞いた…

空気みたいな存在なんて歳取ってから感じられればいい/青春物語25

「ねぇ永尾さんが歌うみたいだよ」 お菓子をほおばってる私を見て天野ちゃんが言った。 そのう…

一緒に来たことが話題になってるよ/青春物語24

いつの間にかカラオケ大会になっていた。 101号室にて、購入したばかりのカラオケセットで毎晩…

揺るぎない愛なんてものはないんだよ/青春物語20

「だから自然消滅したんだよ」 静かに彼は言った。 「えっ、なんで!」 「シッ。声が大きい」…

俺たちも自然消滅したよ/青春物語19

冬がそこまで来ていた。 「ねぇ桜田ちゃん、今夜飲みに行かない?」 社内の食堂で同じ経理課…

あっけない別れだった/青春物語18

相変わらず二人は黙っていた。 もうすぐ私の家だった。 カーラジオのDJは次の曲は[秋の気配]だ…

たぶん別れ話だろう/青春物語17

社員旅行以来、永尾さんへの気持ちが大きくなっていった。 彼も毎日、私を何かしら気に掛けてくれていた。 好きになってはいけないと思えば思うほど気持ちは募っていった。 そんなある日、久しぶりに健太郎先輩から電話があった。 「今度の日曜、空いてる?」 「うん、空いてるよ」 「じゃあさ、いつもの駅まで来てよ。俺、夜勤明けになるからさ」 「無理しなくていいよ。また今度で」 「午後からでいい?話したいこともあるからさ」 「話?なんの話?」 「会ってから…」 彼の話は想像できた。 たぶん

さよならは別れの言葉じゃなくて/青春物語6

「小林さん、[夢の途中]はいったよ」 いつのまにか歌のリクエストをしていた小林さんにマスタ…

小さなスナックで/青春物語5

「おい永尾。【福】行くか?」 帰り支度を始めた稲村さんが給湯室から戻った彼に声を掛けた。 …