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狼の神性から古代の闇をみる

日本にはかつて狼がいました。
オオカミです。
オオカミの語源は大神(おおかみ)とするように、日本では古くから狼信仰が存在していました。
ヤマトタケルは、狗(ヤマイヌ)に導かれ東征しました。狗とは狼のことです。
日本書紀にも民俗史の中でも、狼の信仰を感じるところがあります。

一方、キリスト教の文化圏では、狼は邪悪な獣として扱われることが多いです。
七つの大罪では、憤怒を象徴する動物です。
人間が狼に変身する人狼の記述が古代よりあり、狼を忌み嫌いました。

この違いは何でしょう。
思想でしょうか、霊体でしょうか。
いや、単なる生活環境の違いだと気づいた時があります。
西欧は牧畜文化です。牧畜してる羊などを襲ってくる狼は害獣です。自分たちの生活を脅かす忌み嫌う存在です。
日本は農耕文化です。農作物を食べてしまう鹿が害獣となります。その鹿を食べる狼は大神の存在です。
たった、それだけ。

人はただ、実益があるかないかで神性を感じてしまうのでしょう。
支配層にとっては、実益がある悪魔は大神として崇拝してしまう関係性です。
支配される庶民からみれば悪魔は害獣になるということです。
悪魔はたまたま忌み嫌う関係になっただけで、悪魔そのものが悪ではないのかもしれません。

しかし見方が変わって、農耕には害獣であるはずの鹿を神の使いであるとする信仰もあります。
春日明神は神鹿に変じて登場し、人々に恵みをもたらすとされ、奈良公園では鹿と共存してます。
ジブリ映画の「もののけ姫」では、シシ神は鹿、サンの山狗は狼
山岳信仰などでは鹿や狼を神性を宿すものとしてきながら、同時に人に脅威で穢れの動物ともしました。

ふと気づいたことがあります。
蘇我氏は、馬子、蝦夷、入鹿と親子3代が続きます。蝦夷は「えみし」(毛人)で動物の毛皮です。
穢れの獣を表した名前が続きます。
古代史の研究では、3人は架空で、1人の人物である学説もあります。穢れの人物と汚名で名付けた歴史にした可能性もあります。
暗殺を企てた鎌足の子は、藤原不比等です。
「不比等」、他と等しく比べられない大人物。
名前で歴史を改ざんした尻尾が見えるような感じもします。
狼が尻尾を立てるように、尻尾が目立ちます。
オチがついたので終わります。


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