市役所で働いてみてわかった「市役所公務員の年収」の現実
この記事の目的は、市役所の受験を検討している人に対して、市役所職員のリアルな年収の事例を伝えることで、「思ってたよりも(年収)低いな」といったミスマッチを減らしたり、逆に、「思っていたよりも良い年収だ。是非受験したい」といったモチベーションに寄与しようとするものです。
なお、市役所職員の年収は、各市の条例で計算方法が明記されていると思うので、実は誰でも概算が可能です(ただし、条例は職位や職種ごとに俸給表示が異なりかなり読みにくいです。)。
また、一般会計の毎年度決算から、人件費と職員総数を照らせば、平均年収の概算も不可能ではありません(ただしこちらも相当面倒くさいし、職種による違いまで概算できるかは不明です。)。
また、どこの市役所に務めるかで年収に多少の差は出る可能性があります。地域手当の割合が異なったり、時間外労働が多い自治体などが平均年収が高くなる傾向にあります。
しかしながら、相当な財政難の市役所等でない限りは、国家公務員の給与水準を参考にどこの市役所も同じような年収体系になると思います。
それでは、以下、参考にしてください。
① 1~2年目の年収について
私の実体験に基づくリアルな数字を言います。
1年次(23歳) 年収↓
380万円
2年次(24歳) 年収↓
400万円
でした。少ないと思うか、多いと思うかは人それぞれでしょうか。
一人暮らしですと、ある程度の余裕があります。安い車を維持しながら、趣味を楽しむ程度の生活は送れると思います。しかし、家族がいて、それを一馬力で食べさせていこうとすると正直大変だと思います。そんな収入です。
ちなみに、私の場合は、大学を中退し、22歳のときに高卒で入庁しましたので、大学新卒で入庁した職員と比較して年収が低いです。
なお、市役所の年収は、条例から読み取れるように、原則、年功序列です。そのため、入庁から年度を重ね、階級が上がるごとに、一定ずつ昇給します。また、職位が上がれば(主任→係長、など。)そのタイミングで大きく年収が上がります。
したがって、新卒入庁から3年目くらいの年収が大底です。入庁して数年では、給与があまりモチベーションにはなりにくいでしょう。
勿論、扶養家族の有無、子の有無によって、手当が出たりするため、ここでも年収に差が出ます。こちらは、多くの場合は条例等に記載があるものと思います。
さらに、市役所の年収は、残業と休日出勤の量によって大きく変動します。そして、残業と休日出勤の量は、課ごと担当ごとで更に変動します。
筆者が実体験として、残業や休日出勤をどれくらいこなしたか、については、別の記事で書いていますのでそちらを参照してください。
追記:3年目の年収
450万円でした。年度を重ねるごとに年収が上がっていきますが、同時に、業務量も増え、時間外勤務が増えます。
② 20代で年収○○○万円台に到達する人も
普通の係員から主任に役職が上がり、残業や休日出勤が多い。そんな場合は、20代で年収600万〜700万円台に到達する人もいます。あくまで感覚的な話ですが、入庁6年目以降の20代で、月の残業が50時間〜80時間を平均して超えていると、このくらいの額面に到達するのではと思います。
一般的な20代の職員なら、400万〜500万円程度の人が多いでしょう。
月の残業が50時間〜80時間を平均して超えていく担当ラインは、殆どの市役所に存在します。労働時間にいとめをつけない人でしたら、激務覚悟で手を上げて移動を希望すれば、年収を上げることができるかもしれません。
(余談ですが、筆者が昨年いた担当ラインもこのくらいの労働量でした。その時の状況については、別記事でまとめています。)
③ 正規職員として20年も勤めれば、年収○○○万円程度ならほぼ到達可能
正規職員として20年も勤めれば、多くの人が係長級まで登れます。
先程書いたとおり係長級までは残業や休日出勤の量で年収が大きく変わりますが、その平均を加味するなどしたら、正規職員として20年も勤めれば、年収700万円程度ならほぼ到達可能と言えるのではないかと思います。
さらに、時間外勤務の量に応じて、次の項目で示すように、1000万円を超えてくる人もいると思います。
④ 市役所で年収1000万円を超える例(30代も該当あり)
大胆な表題ですが、例はいくつもあります。
(例1)年間残業1000時間超えの30代係長
新しい制度設計に関わった庁内エース級の係長などがこの年収に到達することがあります。
市役所は、原則、残業代はやった時間の分だけきっちり出ます。なので、月80~100時間近い残業を年間を通じてこなすと、30代の係長で年収1000万円に到達することがあります。
逆に、課長補佐級などの管理職になると、いくら残業をやっても残業代がほぼ出なくなりますので、同じだけ残業しても年収が落ちるケースがあります。(ちなみに、40代課長補佐級で750〜850万円くらいだと思います。各市条例を参考にしてください。)。
(例2)部長、局長、副市長等
市役所生え抜きの普通の職員が登れる最高階級は副市長になります(市長は選挙で選ばれますからね。)。この副市長を筆頭に、局長や部長クラスまでが、年収1000万円に乗るかどうかのラインかと思います。しかし、その下の課長級ですと、多くの場合、1000万円には届かないと思います(条例をなどを参考に、850~950万円程度でしょう。)。
まとめ
どれだけ長く務めたか。どれだけ多く残業したか。どれだけ高い職位まで出世したか。大きくわけてこの3つの要素で年収が決まります。
市役所の給与については条例等にも記載があるので、読んでみてください。
(市役所受験生の皆さんへ)
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