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ブランドは細部に宿る

先日Instagramでも投稿したのですが、もう少し広げて話したいなと思うので、noteに書いてみます。

ちなみにInstagramのアカウントはこちら↓
https://www.instagram.com/leveil.lingerie/


大袈裟なタイトルになってしまいましたが、内容はちょっとした気づき程度のことです。

前置きとして……
11/5~11/25まで、フランスの老舗ナイトウェアブランドMarjolaineの、
秋冬物のお取寄せを特別価格で承っていました。
お蔭様で好評のうちにセールを終了することができ、オーダーくださった皆様には心より御礼申し上げます。


消耗品も美しく

11月初旬にオーダーしてくださっていた分のお品物がフランスより届き、前々からご紹介したい事があったので、ちょうど良いタイミングだなと思いInstagramに投稿してみました。

何が良いタイミングかというと、トップに掲載した写真にも写っていますが、Marjolaineの輸送用の段ボール箱をご紹介したいなと思っていたからなんです。

画像1

ご覧ください!

この綺麗な段ボール箱を!

外側は何の変哲も無い普通の茶色い箱。

でも、蓋を開けると……

こんなに綺麗なレースの柄が❤︎

画像2

しかも底まで美しい。

これほど綺麗な、それでいて「普通の段ボール箱」は他に見たことがありません。

最初に小包を受取った時は本当に衝撃的で、単純に箱が美しいのはもちろん、こういう部分にMarjolaineというブランドの魅力が集約されているような気がしていました。
今回はお取寄せを大々的に承りましたが、これは!という素敵なランジェリーがあれば当店在庫商品としての買付けも行っていまして、以前から納品の際に使用されている段ボール箱があまりに美しく、この感動をお伝えしたいなと思っていたんです。


一工夫で綺麗に

もっと手間や費用をかけてデコラティブにすることはできますし、実際にそういった高価な箱を使用しているブランドもあるかと思います。
それはそれで一つの価値観として良いと思うんです。

では何がMarjolaineは違うのか。

私がさすがだな一味違うなと思う点は、無駄や過剰ということでは決してなくて、「ちょっとした手間で美しく」というところ。

レース柄をプリントするだけのシンプルデザインで、過剰な装飾は無し。
捨てる物にプリントするのはインクの無駄と言えばそうですが、そのくらいは許容範囲なのかなと思います。

いたって普通の段ボール箱なのに、こんなに綺麗。

そのポイントはやっぱり美しいレース柄のプリント。


画像3

こちらも以前InstagramでUPした写真ですが、Chantal Thomassの化粧箱。

箱自体もそこまで経費をかけたものではなく、それでいて特別感を演出できるデザインなのですが、何より素敵なのは薄葉紙がレース柄なこと。
この薄葉紙も決して高価ではなく、プリントするという「一工夫で綺麗に」「ちょっとした手間で美しく」という好例かなと思います。

※一昨年末デザイナーのChantal Thomassが自身のブランドを退任し、そのタイミングで全ての面で経費削減なのか、エシカル?サスティナブル?路線への変更なのか、すっかり様変わりしてしまいました……。
もちろん化粧箱の仕様も変わってしまい、今はもうレース柄はありません。

どちらのブランドもこのレース柄があることで、箱を開いた時に、+αのサプライズなときめきが生まれます。
しかも「ちょっと良いな」程度のものではなくて、こんな細かな部分までとっても綺麗でとっても嬉しい♥となるんです。

たかがレース柄のプリント、
されどレース柄のプリント。

レース柄が有るのと無いのでは大違い。

ランジェリー本体が美しい・綺麗・可愛いのは大前提として、そこで止まっていたらユーザーは物足りなくて、「感動」とまではいかないのかなと思います。

繰り返しになりますが、過剰や無駄を推奨しているのではなくて、「一工夫でもっと良い物に」「ちょっとした心遣いでもっと喜ばれるように」という点が大事なのかなと思うんです。


ブランドは細部に宿る

Marjolaineは創業時よりメイドインフランスにこだわっていて(一部仏製以外もあります)フランスのリヴァーレースの名産地カレー地方のカレーレースをメインに使用しています。
デザイナー退任前のChantal Thomassは同じくフランスのリヴァーレースの名産地シャンティイ地方のシャンティイレースをよく使っていました。

ブランドのアイデンティティとも言えるレース。
そのレースを効果的に化粧箱等の消耗品にもエッセンスとして採り入れる。
特別に華美で過剰でということではなく、あくまでさりげなく。


私はこういう本来捨てられてしまうパッケージ等の消耗品であっても細部にまで凝るところもChantal Thomassの好きなところだったし、ヘルシー・アスレジャー・エシカル・サスティナブルがトレンドとは言え、ランジェリー界の女王「Chantal Thomass」を冠するブランドならデザイン路線含め変えないでいて欲しかったなと思っています。
来年からは今までの国内総代理店も手を引くようですし、路線変更の代償は大きかったのではないかしら。
(当店も動向を見守りつつ……このままの路線で進むようだともう取扱できないかなぁ。デザインもブランドの世界観にもときめきが無いんだもの……。)

一方Marjolaineは年々進化していて、パッケージもどんどん綺麗になっているし、ランジェリー自体のデザインもますます素敵なので、私のMarjolaine愛は深まるばかり♥


ブランドは細部に宿る。

マーケティング界隈ではよく言われている言葉。

本当にそのとおりだなと今回改めて感じています。

化粧箱やショッパーは細かな部分だけれど、ブランドの世界観を構成する重要な一部分ですよね。
そういった細部にもブランドらしさ、アイデンティティを感じると、ときめきは何倍にもなるし、その世界観に共感するし、そのブランドがもっともっと好きになる。
この感動がコアなファンを生み育て、更にブランド価値を高める

段ボール箱が綺麗、包みの薄葉紙が素敵、たったそれだけのことかもしれないけれど、些細な所だからこそ細やかな心遣いができるかどうかが「感動」を呼び起こせるかどうかの分かれ道なのかなと思います。

当店はまだ始めたばかりのお店で、そもそも小売業なのでブランドという概念は当てはまらないものかもしれません。
ですが、当店ならではのセレクトを大事に、ただ素敵な物を販売するだけにとどまらず、商品以外でのワクワク・ドキドキ感であったり、学びや発見であったり、そういった+αの愉しみも感じていただけたらと思っています。
お客様の心の中に小さな感動を積み重ねていけるよう、このような素晴らしいブランドの細部への心遣いや配慮を見習っていこうと決意を新たにしました。

今を生きる私達に役立つためなのはもちろん、後世に遺せる日本のランジェリーミュージアム創設のため、サポートいただけたらとっても嬉しいです。海外の文献蒐集と展示品(アンティークランジェリーやコルセット、ショーピースのオートクチュールランジェリー等)蒐集に役立てます。