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今年の抱負と勝手に大学の未来予想

あけましておめでとうございます。
昨年は、前任校(浪人してでも入学するくらいの偏差値の国公立大)から現任校(Fラン私立大)に移り、さまざまなカルチャーショック、学生の質や大学組織の違いなど、経験すること全てが新鮮でした。
実は私自身が現任校で学ぶことも多く、大学教員として多少は成長したのかもしれないと密かに思っています。

ですが、

今年は卯年、脱兎のごとく現任校から脱出&栄転したいと思っています。


それから、年末年始にもかかわらず、私のnoteにスキやフォローをいただき、大変恐縮しています。
noteは大学の仕事の息抜き程度にやっていましたが、今年も続けていきたいと思います。

勝手に大学界隈の未来予想

年の初めと言うことで、何か展望的なことを書いてみようかと思います。
で、大学界隈の未来について、私の勝手な予想を書いてみようと思います。

現在、少子化傾向にもかかわらず、大学の数(学部の数も)は増え続けています。
これまでは、総大学の入学希望者総数 > 総大学の定員総数 であったため、大学は試験によって受験生をふるいにかけ、大学の教育水準に合った基礎学力を持つ学生のみを入学させています。
ですが、近い将来、総大学の入学希望者総数 < 総大学の定員総数 となり、えり好みしなければ、志望者全員がどこかの大学には入学できるようになる、そんな日が来るそうです。
そういう時代を大学全入時代と呼ぶそうです。
ちなみに、大学の定員総数は1998年4月入学で約51万5700人だったのが、2020年には約61万8900人まで増加したそうです。確かに増えてますね!

産経新聞によると、2022年が大学全入時代突入となるそうです。また、日本経済新聞によれば、2023年に大学全入の可能性があるそうです。

“えり好みしなければ”どこかの大学に入れるのが大学全入なのですが、受験生だって、どこの大学でもいいとは思っていません。
学びたいことが学べる大学を選びますし、取りたい資格が取れる大学を選びます。
他にも立地とか、いろいろな要素で大学を選びます。
したがって、人気の大学とそうでない大学に分かれていきます。

これまでは大学が入学志願者を選ぶ時代でしたが、これからは入学志願者が大学を選ぶ時代になるということです。
うちの大学を含め、世間でFラン大とか、底辺大学とか呼ばれる大学では、時代の先取りと言いましょうか、すでに受験生から選ばれる状態で、日本の大学の未来の姿をなんとなく感じ取っています。

このような状況ですが、少子化で18歳人口がますます先細ることは間違いないのに、すでに経営難で風前の灯火の私立大学が多数いるにも関わらず、文科省は大学や学部の新設を認可し続け、この姿勢は変えることはなさそうです。

大学全入どころか、総大学の入学希望者総数 <<<<< 総大学の定員総数 となる日はもうすぐそこに来ているのかもしれません。
そして、現在、黙っていても受験生が集まるような立派な大学でも、10年後はうちの大学のように学生集めに注力しないといけなくなるかもしれません。

これからの大学は、受験生が進学したいと思わせる何かを持っていることが求められるのではないかと思います。

たとえば、その大学でしか学べない学問や教育カリキュラムがあるとかです。
資格取得など分かりやすいものも一つの手です。
ただし、資格については、同じ資格を取れる大学が多数ある場合、あまり意味がありません。そこそこの希少価値や難易度が必要です。

それから、地域に根ざし、近隣の住民や企業に愛されるというのもアリだと思います。
地元企業とのコラボ、地域住民への公開講座や体験学習の提供などの地域貢献を継続的に行うことで、大学に親しみを持ってもらい、地域の子どもが進学したいなと思わせる。地域の住民にも自分の子どもを通わせたいと思わせることです。
こういう取り組みは案外、大学の生き残り戦略に有効なのではないかと思います。

そもそも大学は学問をする場なのですが、学問をするのは大学教員と学生だけではありません。
大学は、地域住民に最先端の学問に触れる機会を提供し、地域の教育の場となるべきです。

受験生が進学したい何かを確立させるのは、1年や2年ではまず無理です。
今、大学が持っているものを足がかりにするのであれば、何年かでそれなりに出来上がるかもしれませんが、一からとなると、短期間では難しいでしょう。
つまり、学生が集まらない状況に陥ってから、大学の魅力を上げる戦略を立てるのでは遅すぎると思います。
まだまだ経営体力のある今のうちから、大学は未来を見据えて準備した方がよいのではと思います。
で、そういうビジョンのある大学が将来生き残りやすいのではと思います。

ちなみに、うちの大学(Fラン)は、もうずっと前から定員割れ&経営赤字が続いていますが、特に打開策を打ち出さず、支出を抑えるべく節約を心がけながら、基本ノープランのまま走り続けています。
リーダーシップを発揮できる経営陣がいないことが一番の原因です。
うちの大学は近い将来消えると確信しています。

将来を見据えた未来ある大学に移りたいですね。

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