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経営難私立大学の一発逆転!公立化

私立大学の約4割が経営赤字とのことです。
しかも、一時的な赤字ではなく慢性的な赤字です。

そんな中、かつて経営赤字だった大学が、地元の自治体により公立化し、起死回生の一発逆転劇を遂げています。
公立化することで学費が私立大学よりも割安になり、入学希望者が増加し、定員割れのFランから不死鳥のように偏差値を回復し、大学経営が安定化するわけです。

大学側としては経営の舵を自治体に渡してしまいますが、閉学するよりもマシなので、公立化はハッピーと言えます。

一方、赤字の私立大学に救いの手を差し伸べた自治体は、大学の運営に自らの税金をそれなりの規模で投入し続けなければいけないので、覚悟を持って引き受けています。


なぜ、公金を投入してまで、一民間企業である私立大学を救うのか?

それはやはり地域経済の活性化や、地元の若者の人材育成にその大学の存在が必須との判断なのでしょう。

進学のために他地域から移り住む学生がいれば、下宿業が潤いますし、学生街では飲食店も繁盛し、経済が活性化されます。
それから過疎化の進む地方では、大学生のアルバイトが貴重な労働力であったりもします。

あとは、進学をきっかけに地元を離れ、卒業後に都市部で就職という典型的な若者流出パターンを防ぐのに、地元の大学の存在は重要なのでしょう。



逆に言うと、大学がなくなることで、地元経済や若者の人材育成にあまり影響が出ない場合は、自治体が赤字大学に手を差し伸べないということかもしれません。

つまり、近隣に複数の大学が存在するような都市部~中規模地方都市では、仮に1つ大学がなくなっても、他の大学が存在し続けるので、他地域から移り住む大学生による経済効果や、地元の若者の人材育成に影響がないと判断されるため、公立化の必要性がなくなるわけです。


なので、公立化される可能性のある私立大学の条件は、

➀周辺に他に大学がない。あっても分野がまったく違う。

➁これまでずっと地元の高校生を受入れている。卒業後の学生はそのまま地元企業に就職し、都市部へ流出していない。

➂他地域から進学し、大学周辺に下宿している学生が一定数いる。

といったところでしょうか。


それから、大学創業者一族が経営を陣取っているオーナー大学は公立化が難しいかもしれません。

公立化するにあたって、経営陣は事実上オーナーの立場を失うので、例えるなら自営業のお店をまるまる失うようなものです。

なんとか自分たちの既得権を残そうという思惑が働き、それが公立化を確実に阻むでしょう。

そもそも家業の大学を自治体に明け渡すなんてもってのほかと反対しそうです。


うちの大学(Fラン)も年季の入った赤字経営ですが、上記の条件を満たさないため、このままいけば閉学まっしぐらです。

着任2年目で早く脱出しなければ!と焦りが出始めています。


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