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ウイスキー・ツーリズムのススメ

ウイスキーツーリズムという言葉がある。この単語を私はつい最近知ったのだが、意味合いとしてはどうやら「ウイスキーやウイスキー蒸溜所を主軸とした観光旅行」のことを言うらしい。

以前紹介したように、ウイスキー蒸溜所は素人玄人問わず楽しめる、非常に優れた観光施設である。また、付近や道中に別の観光地スポットや観光都市が立地する場合も多く、観光旅行の一部として組み込みやすい。

私自身、現在進行形でウイスキー蒸溜所の見学、ならびにウイスキー蒸溜所を組み込んだ観光旅行へよく赴いている。回数でいえば概ね年間5~6回程度。行先としては自宅から至近の大阪・山崎蒸溜所をはじめ、北海道から鹿児島まで幅広い。

そんな自分のツーリズム経験をもとに、日本国内(残念ながら海外の蒸溜所はまだ行けていない…)の蒸溜所をメインに置いた、ウイスキーツーリズムのポイント・楽しみ方をいくつか紹介したいと思う。

移動は公共交通機関、またはタクシーで!

早速だが、移動手段はできるだけ公共交通機関を使用してほしい。勿論、飲酒をしない運転者が他に確保できるのであればその限りではないが、しかし、やはりウイスキーは誰かと意見を交わしながら飲んだほうが楽しい。加えて、蒸溜所によっては一般用の駐車場を完備していない場所もある。余程アルコールを受け付けない人が同行しない限り、公共交通機関を利用したほうが良いだろう。

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また、大企業系の蒸溜所ならば概ね、公共交通機関とタクシーの乗り継ぎで簡便に行き着くことができるし、一部の蒸溜所では週末など曜日限定で最寄り駅から直通のシャトルバスを運行している所もあるので、そちらも事前に要チェックだ。

もし自家用車を使用しての旅行の場合でも、宿泊所やその付近に駐車して、乗り換えての訪問をオススメする。とにかく、飲酒運転厳禁。そして、是非ともウイスキーの生まれ故郷にて、ゆっくりとウイスキーを楽しんで帰ってもらいたい。

地方のグルメも楽しめる

多くの場合、蒸溜所内にはレストラン等飲食エリアが設けられていないことが多い。だが近辺に飲食店が立地していることは往々にしてあるし、勿論、一部の蒸溜所ではその敷地内にレストランを併設している場合もある。

酒を飲めば腹が減るのは当然だし、悪酔いを避けるためにも空腹にウイスキーを流し込むのは避けたいところ。その点において、こういった近所または併設の飲食店の存在は非常にありがたい。

そもそもウイスキー蒸溜所は都市部ではなく、地方に立地していることが多い。概ね私は蒸溜所の訪問のついでにその地方ごとの名物を楽しむのが恒例となっており、それら蒸溜所内またはその近所で楽しむ食事を自ら勝手に「蒸溜所メシ」と呼んでいる(流行らないだろうなぁ…)。

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例えば、ニッカの余市蒸溜所(北海道)の場合は近所にある海鮮屋「かきざき商店」の定食と時期変わりの鮮魚がオススメであるし、長濱蒸溜所(滋賀)は併設のレストランでオーダーできる「焼きカレー」を食べずには帰れない。マルス津貫蒸溜所(鹿児島)は蒸溜所よりバスで南下すれば、カツオ節の一大産地、枕崎港に辿り着ける。ここでは他所ではあまりお目にかかれない「カツオの腹皮」が絶品だ。 …と、蒸溜所メシは語り始めたらキリがなくなる。

ともかく是非、蒸溜所に訪問した折には、その場所場所の蒸溜所メシも一緒に楽しんでいただきたい。

人との交流・繋がりも楽しい

蒸溜所見学では殆どの場合、その蒸溜所の専属スタッフがガイドを行ってくれる。もしガイドが居ない場合でも、見学受付や試飲カウンター等スタッフと会話できる機会は意外と多い。

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折角の機会なので、是非いろいろ質問してみてほしい。もしかしたら裏話や最新情報をこっそり教えてもらえるかもしれない(社外秘で教えてもらえないことも勿論ある。過度に期待しないこと)。

また、他の訪問客と意図せず談義が盛り上がってしまうことも間々ある。蒸留所というウイスキーファンの集う場で、楽しくウイスキーを飲みながら、思いがけず赤の他人と意気投合し、小一時間話し込んでしまったことは何度もあった。これもまた、蒸溜所という特別な空間において起こる、嬉しいハプニングのひとつといえよう。

まとめ

いろいろと、とりとめもなく紹介したが、結局のところ、所謂「大人旅」としてウイスキーツーリズムは非常に優れているということである。そこには「学び」があり「体験」があり、そして「飲食」や「交流」もある。

せわしなく観光名所やテーマパークを数珠繋ぎに回る旅も面白い。しかし、良い酒を良い場所で楽しむことをメインに置いた旅も、また全く別のベクトルで楽しめるはずだ。

余談ではあるが、今夏より政府の主導による国内旅行の奨励事業「Go Toキャンペーン」が始まるようだ。基本的にはパック旅行が対象となるようではあるが、上手く組み合わせれば蒸溜所訪問も組み込むことができそうではある。手頃に旅行できるチャンスなので、是非有効活用していただき、蒸溜所へ行ってほしいと思う。

今回紹介したこと以外にも、ウイスキーツーリズムのお楽しみポイントはまだまだ沢山ある。また、各蒸溜所ごとに注目すべきポイントは変わってくるので、そんな注目ポイントを蒸溜所ごとに、今後順に紹介できればと考えている。また楽しみにお待ちいただければと思う。

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